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オーストリア・スキー日記:9日目

サン・アントン

  大サーカス
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 今日は天気が回復基調だ。絶対晴天は明日なのだが、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンを一発必中としたいので、明日をガルミッシュとして、今日と明後日はサンアントン(現地の発音はザンクト・アントン)、レッヒにする。この2か所は場所が近いので、もし何か見残すものがあったら2日目でカバーできるからだ。それでも今日は天気がよさそうだ。
 8時にホテルの前にバンが来た。8人乗りくらいだ。他に客は3人ばかり。市内でピックアップを終えると、ザンクトアントンに向かって1時間ほどのドライブになる。
なお、このエリアはアールベルクというが、スキー場はサンアントン、サンクトクリストフ、ステューベン、レンドルなどの細かいエリアに分かれる。そして駅の名前はサンアントン(ザンクトアントン)だ。
 
サンアントン 位置
 
◆アールベルク(その1)◆ 
アールベルク公式サイトの地図を加工
アールベルク
サンアントン
これがその巨大ゴンドラ。奥の青いゴンドラが
時計回りに来て、左の巨大車輪で2階に上がって発車だ
サンアントン
最上部のリフトは板無し、観光専用だ
サンアントン
最上部ゴンドラ駅から下を見下ろす
サンアントン
展望台から。これといった
突出した山があるわけではないが
 サンアントンの駅前徒歩3分くらいの場所にゴンドラのでかい駅があり、その下で下してくれた。集合は16時半だが、もし逃すことがあったら、鉄道で簡単に帰ることができるので心強い。
 さて、最後のクーポンでリフト券をもらい、ゴンドラに乗る。
 1発目のゴンドラには、いきなり驚かされた。フニテル(2本ケーブル)の大型ゴンドラだが、遊園地の観覧車のような動きをするゴンドラは初めてだ。言葉で説明しづらいので、ビデオを見てほしいが、普通に乗った後、高い位置に巻き上げられてから発進するタイプだ。
 大勢の乗客が押し寄せるのをものともせず、すごい勢いで山の上に運ぶ。日本の普通の8人乗りゴンドラだったら、長蛇の列ができるはずだ。
 次にもう1本、ゴンドラに乗る(地図の黄色いライン)。これで標高の思いっきり高い場所に移動する。そしてさらに、ここでスキー板やボードを預けて、立ち乗りロープウェイでヴァルーガ山頂の展望台へと向かう。最初のゴンドラに乗ったのが9時半、8分ほどで終わり、次のゴンドラは並ばされて、9時54分に乗車。最上部のロープウェイは並ぶことなく、10時7分には山頂展望台に立つことができた。
 ここからの景色は格別だ。360度の大パノラマで、山々は荒々しい。ツェルマットのマッターホルンやシャモニのモンブラン、グランドジョラスのように、写真として絵になる山があるわけではないが、雄大だ。はるか遠くになるが、明日行く予定のドイツ最高峰、ツークシュピッツェも見ることができた。そしてここから見下ろすザンクトアントンのスキー場は、ただただ、雪に覆われた斜面の広大な広がりだった。ううむ、すばらしい。ここで写真やビデオやら撮っていて、なんと50分も使ってしまったが、実に充実した時間だった。
 さて、小さなロープウェイで降りて、地図の左側、サンクリストフ方面へ向かう。山そのものがフトコロが深いというか、途中に高原のような広がりを持っていて、大きな尾根を越えるだけでも途中で山越えをしているかのような感覚だ。また谷間も広い。図で見ると1つの山塊だが、実際にはスキー場として早くから開発されただけのことはある、すばらしい斜面が続く。昨日の降雪のパウダーを求めてあちこちに新しいシュプールが描かれていた。
 ただ、ちょっと気になったのは、天気が良すぎるせいなのか、気温が上昇したのか分からないが、中間くらいの高さに雲がきれいに発生し、高い位置から見ると谷間にフタをしたような状態になってしまっていることだ。これだと、1500mくらいの標高での写真が撮りづらくなってしまう。サンクリストフも雲がかかったみたいになっていたのが高い位置から見えたので、先にステューベンにいくことにした。
◆アールベルク(その2)
 
アールベルク 地図
サンアントン
これは、ひざかけかな?
サンアントン
やっぱりそうか!
サンアントン
 狭めのコースだが、一人で滑っていると
不思議の国に迷いこんだような感じになる
 
 サンアントン  
 モコモコ山のサンクトクリストフだ  
 サンアントン  
 店員だがコスプレとは言わない  
 サンアントン  
巨大な地図が多いので助かる
  ステューベンはサンアントンの賑わいと比べると、閑静なスキー場だ。長いペアリフトでのんびりと登る。ここで気づいたのだが、リフト乗り場の近くに紺色のひざかけみたいなものが取りやすい位置にたくさんぶら下げられていた。あれ?これはひざかけかな?とりあえず普通に乗ってみたが、なぜか気になる。降り場所にはそれがたくさんぶら下がっていた。気になってしばらく待っていたら、やっぱりひざかけをしてリフトに乗ってきた人がいて、降りると同時にひざかけ置き場にぶらさげて、行ってしまった。きっとこのあたりは北向き斜面で寒くて、しかものろいペアリフトだから、ひざかけが必要なんだろうな。でもひざかけサービスは初めて見た。日本にもあったかなあ。
 静かで落ち着いたステューベン側を滑る。コースそのものは斜面どこでもOKだが、圧雪でコースを作っている。その幅はサンアントンと比べるとだいぶ狭い。サンアントンの平均の3分の1くらい、日本一般の車道くらいしかない。だが、対岸の景色は良く、谷間に向かって変化のあるコースを降りて行く。まあ、一度は滑ってみてよかったかな。私はあのひざかけを見ることができて満足だ。  さて、AlpeRauz経由で再びヴァルーガ山塊に戻る。こちらはリフト、ゴンドラの機動力が高く、快適だ。しかし昨日雪が降ったというのに、昼ごろには非圧雪の斜面はシュプールだらけだ。Galzigよりサンクリストフ(ザンクトクリストフ)へ。このあたりは道を間違えやすいから、コースをしっかり確認しながら滑ろう。そして道路の高さまで降りてくると(それでも標高1800mだが)あのモコモコ山で有名なサンクリストフだ。しかし、ちょうど風景に入るあたりに雲があって、写真が撮りづらく、せっかく晴れの日を狙ったのに残念だ。明後日、また来ようかな。
 このサンクリストフでの楽しみの一つは、あのブンデスハイムを見に行くこと。ところがスキー教師にスキースクールはどこか聞いたら、子供向けみたいなチャチなスキースクールの校舎を指差した。違う、ネットで検索したところによると、ガッシリしたチロル風の建物であったはずだ。ううむ、でも時間がないし、見渡したところでそれらしきものがないので、先を急ぐことにした。今日はぜひ、カンダハーのコースを滑ってみたいからだ。
 スキーでワールドカップを知っている人はご存じだろうが、三大クラシックレースというものがあり、ワールドカップスキーの中心的なレースとなっている。三大クラシックとは、
カンダハー大会(1928年開始)
ラウバーホルン大会(1930年開始)
ハーネンカム大会(1931年)
を指す。ラウバーホルンはスイスのグリンデルワルトで行われ、このサイトでも紹介した。また、ハーネンカムは今回の旅行の初日、キッツビュールで紹介した
カンダハー大会とは、1928年に、イギリスの貴族であり、世界初のスキークラブ「カンダハークラブ」の創設者、サー・アーノルド・ランがハンネス・シュナイダーと協力し、国際的アルペンスキーのレース「アールベルグ・カンダハー大会」を開催したのが始まり。この「アールベルグ」と「カンダハー」の2つのスキークラブの対抗戦がやがては三大クラシックレースの中でも最も歴史のある大会となった。現在では、このカンダハーはここアールベルクのサンアントン、フランスのシャモニ、ドイツのガルミッシュパルテンキルヘンの3ヶ所での持ち回りとなり、3年ごとのローテーションを基本としている。また、ここは1993年12月、川端絵美選手がここでのスプリントダウンヒルで男女を通じて最高の3位になった場所でもある。
 ワールドカップで使用されるコースはサンアントンの、駅から見て右側の大斜面に広がる。地図には解説もあるのだが、時間の関係でスタート小屋からではなく、途中から滑りこむことにした。しかし、それでもいいかげん足が疲れていて、怪我の痛みも取れていない。このレースコースをいきなり滑るのがためらわれて、コースを取り巻く初心者用迂回コースを含めて降りてきた。本当は伝統のコースなのだから、一気に滑りたいところだが、ここでまた足を痛めても仕方ないので、なんとなく滑った気になって我慢だ。
 下まで滑り下りたところでトイレに行って、ちょっと見学したら出発の時刻だ。今日もまた昼飯抜き(パンとリンゴをリフト上で食べた)ということでランチのレポートができなかったのは残念であった。
 さあ、明日はドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンだ。晴れそうなので期待大だ。
 
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ザンクトアントン ザンクトアントン
ゲレンデへのエントランス。
左はゴンドラ駅だ
うおお、ゴンドラが観覧車のように
上に巻き上げられていくぞ
ザンクトアントン ザンクトアントン
最初のゴンドラを降りたところ。
でもあと2本乗るぞ
2本目は混雑だ
ザンクトアントン ザンクトアントン
新聞の広告らしい 2本目のゴンドラに乗る。
ザンクトアントン ザンクトアントン
3本目のロープウェイは板を置いて乗る 展望台、1度は行こう!
ザンクトアントン ザンクトアントン
お、ツークシュピッツェが見えるのか 奥のかすんだのが、明日行く
ツークシュピッツェ(ドイツ最高峰)だ
ザンクトアントン ザンクトアントン
ええと、あの山は・・・。
日本も見習いなさい!
電波の反射塔があった
ヘリコプター 救助 ザンクトアントン
ヘリで救助されているボーダーがいたぞ スキー場のゲレンデの上を越えていきました
ザンクトアントン ザンクトアントン
展望台の裏の斜面。
ガイド無しで滑るのはよそう
あれ、みんなコースなんだよね
ごみ箱 ザンクトアントン
山の上だけどリサイクル分別していたぞ さあ、滑るぞ!
ザンクトアントン ザンクトアントン
右上が展望台と反射塔 あの鞍部から向こう側にコースが広がる
ザンクトアントン ザンクトアントン
ロープウェイと雲海が絵になる 十字架もしっかり固定だ
ザンクトアントン ザンクトアントン
でっかい標識だ 上から見下ろしているのに、
圧倒されそうな景色だ
ザンクトアントン ザンクトアントン
いい感じですな コース幅は広い
ザンクトアントン ザンクトアントン
イタリアのコルチナにある、
トファーナみたいな巨岩が見下ろしていたぞ
雲海のあたりはガスっていた
ザンクトアントン ザンクトアントン
あの下をくぐるぞ チビッコ軍団はノーストックだ
ザンクトアントン ザンクトアントン
こんな感じで、同じくらいの高さに
雲海が広がっていた。
ステューベンの幻想的なコースだ
ザンクトアントン ザンクトアントン
おいしそうな斜面はもはや
シュプールだらけだ
Tバーが苦手な人は、途中で90度
折れるコンベアのトンネルがあるぞ
ザンクトアントン ザンクトアントン
あの斜面も、シュプールだらけだ  これが私のランチだ。
クワッドの座席は暖房がきいていた
ザンクトアントン ザンクトアントン
サンクトクリストフが見えてきたぞ レストランの外の座席は
毛皮がかかっていたぞ
ザンクトアントン ザンクトアントン
クワッドとロープウェイの交差だ リフト乗り場に行くために陸橋をかけました!
急斜面なので、リフト乗り場を人工的に造成したのだろう
ザンクトアントン ザンクトアントン
正面の真ん中の斜面ですが・・・
コブ、びっしりなんだよね
ザンクトアントン ザンクトアントン
 使い古しのヴァルーガの車両かな? もうすぐベースだ 
ザンクトアントン ザンクトアントン
 これが朝乗った、ゴンドラの駅だ。
まるで飛び立つ鳥のようだ
スケルトンになっている。あの輪が回転し、下で乗客を
乗せたゴンドラを上に上げて、発車する。
 
ザンクトアントン ザンクトアントン
 休憩はリフトで! インスブルックに戻って。
今日のディナーはパスタだ
 
ザンクトアントン ザンクトアントン
 パスタ屋の兄ちゃんだ
店はCapolinoという
スーパーで見たカービング・チョコレート。
オレンジジュースの大きさと比べてください。
特売でも7.99EUR(999円)

 
【ギャラリー】 
サンアントン
◆展望台駅から
  雪、また雪のすばらしい景色だ
サンアントン
◆ロープウェイと雲海
  この向こう側にコースが広がる。
サンアントン
◆サンアントンの谷間のコース
  圧雪しているコースの幅が広いうえ、非圧雪も滑りやすい
サンアントン
◆谷間のコース
 コースは圧雪したものを指すらしい。圧雪していないのはルートという。
 コース脇の非圧雪は滑る場所か否かは自分で決めるものだ
サンアントン
 ◆サンクトクリストフ前の尾根
  尾根に出ると思いがけないほど開放感を感じる
サンアントン
  ◆サンアントンの斜面
  小さい写真のときは分からなくても、大きい写真なら、あのびっしりのシュプール分かります?
サンアントン
 ◆サンクトクリストフ
  モコモコ山だ。これでもガスっている写真を修整したが。
TIP
 計画を立てる時は、日程と直近の天気予報をまず書き込んで、それから行き先を考えよう。
 なお、繰り返しになるが、時間が無い時は食事を削るしかない。常に昼は食事を持ち歩くぐらいの覚悟がいい
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オーストリアの概要   
スキー日記:1日目  キッツビュール (ザルツブルク)
スキー日記:2日目  シュラドミング (ザルツブルク)
スキー日記:3日目  バドガスタイン (ザルツブルク)
スキー日記:4日目  ツェルアムゼー&カプルン (ザルツブルク)
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