痛っ!! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さて、本日はブライアンの家族が参加してきた。奥さんが日本人というのは心強いが、子供たちがまたすごい。長男のテオ君(日本語名は昇平:しょうへい)は10才、ドイツ語、英語、日本語がうまい。空手も学んでいるというが、なかなか優秀な子だ。次男のサム君(日本語名は弘平:こうへい)は5才、そして長女レオニー(日本語名は菜菜:なな)は3才。この2人も3カ国語を話せる。ブライアンによると、お父さんが英語で話すと英語で答えるが、お母さんが日本語で話すと日本語で答え、外ではドイツ語を使っているとか。ううむ、でも子供のうちだから、ガンガン覚えるんだろうなあ。でもドイツ語と英語はいいとして、日本語は文法も文字も全然違うし、世界で一番難しいといわれる言語だが、それも苦もなくなじんでいるのはすごいことだ。何事もそうだが、語学は子供のうちからか。ちなみに私は受験英語中心だったから、会社で英語が必要になったときは本当に苦労したものだ。 ただし下の2人は普通の子供で、バスの中で大騒ぎだ。 ブライアン、バスの中で今日行く予定のスキー場について解説する ⇒ 子供たちが飽きて騒ぎ出す ⇒ ブライアンがガイドを中断して子供をぶっぱたく ⇒ 一瞬、おとなしくなる ⇒ ブライアン、ガイドを再開する ⇒ 子供たちが暴れだす ⇒ ブライアン、マイクを置いて・・・ これを3周くらいやられると、ほほえむのを通り越して大笑いだ。 |
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◆ザルツブルク〜インスブルック周辺◆ (政府観光局の地図を加工) |
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バドガスタインについて解説しよう。上のオーストリアの地図に位置するのがガスタイナー地方と呼ばれるエリアで、下の鳥瞰図を見ていただくと分かると思うが、ガスタイナータール(ガスタイナー谷)に保養地が発達して、それにスキー場が発展していったという歴史があるから、草津や野沢温泉みたいなところだ。 温泉地として歴史は古く、ハプスブルク家の隠し湯とも呼ばれている。スキー場だけでなく温泉保養地として世界に知られており、特に放射線を発する鉱石は商品として世界中で売られていて、街中でも放射線のガイガーカウンターが反応するというから、日本でいえば秋田の玉川温泉みたいなところだ。 スキーとしては広大で、下の図にあるスポルトガスタイン、バドガスタイン、バドホフガスタイン以外に、左上と左下に2か所のスキー場がチラリと見えているが、この周辺のスキーをスキーアマデという。世界的温泉保養地というのであれば、本当はここに宿泊してスキーアマデをじっくり滑り込んでみたいものだ。 |
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◆バドガスタインのゲレンデマップ◆ (公式サイトの地図を加工) |
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今日は山2つ分だし、時間がありそうだから、街中も見て、食事もまともにレストランでいこうか。とりあえずStubnerkogel方面に先に行くか。ゴンドラを使い、山頂へ。いつもは山頂で写真やビデオを撮るだけで30分以上使ったりすることもあるのだが、今回は何も見えない。ううむ。とりあえず何もないのでバドガスタインの町に降りてみるか。雪はどうも湿っているというか、重い。雨でも降ったのだろうか。すると中間あたりにあるゴンドラ駅のところでコースが閉鎖されていた。ここから下はコースが整備されていないので閉鎖しているとある。途中の急斜面の雪付が悪いかららしい。しかし、左側の斜面をちょっと降りたところにレストランがあって、営業しているのが見えるではないか。ということは、あそこから下へ滑るコースがあるに違いない。とりあえずレストランに向かって滑り降りてみた。すると、ここから下のコースも閉鎖されていた。ゲゲッ、じゃあどうやってさっきの場所まで戻るんだ?。呆然と立ちすくんだボーダーも数名いた。するとおじさんが現れて、「よおし、じゃあ行くぞ」とか言って、スノーモービルで大型のそりを引っ張ってきた。これぞ、スノータクシーだ。中間地点より下が閉鎖されても、ちょっと下に位置するレストランが営業するために、中間地点まで送迎してくれるらしい。おお、ラッキーだ!。こういうのもいいねえ。日本でも、これを売り物にして、客寄せに使うのはいいのではないか。妙に感心してしまった。 さて、中間駅から下へはゴンドラで降りて、バドガスタインの町に入る。キーホルダーのお土産を買ってから、滝を見に行くことにした。滝は駅から少し坂を下り、ガソリンスタンドのわき道を入り、川に出たところを少し上ったところにある。だが、大騒ぎするような滝でもない。これが草津や野沢温泉にあるのならともかく、これだけ山間にあるのだから、意外というほどでもないのだ。はっきり言って、時間を損した気分だ。 駅に戻り、ゴンドラを乗り継いで山頂へ。起点のSkizentrumAngetralへ滑り、Hohe Scharteへ向かう。途中の景色もガスが多くていまひとつだ。ところがこのHohe Scharte、山頂に向かう最後のリフトは期待を持たせるものがある。両側に荒々しい岩が並び、迫ってくるようだ。岩は黒々としていて、不気味だ。なんだがグリンデルワルトのフィルストを思い出してしまった。そして山頂から奥をぐるりと回るコースに向かう。少しガス、晴れたかな?遠くもガスっているから晴れないだろうが、写真を撮るにはまあまあくらいだ。 ところで、ここでスキー人生最大の事故をやらかしてしまった。 雪面は圧雪されておらず、たがやしたばかりの畑みたいで、ホコホコでとても疲れる。距離も長く、途中で休みながら滑っていた。そこへなぜか2組のアベックのグループとタイミングが合ってしまった。私が疲れて立ち止まるのと、そのグループの女性が止まるのが同じタイミングになった。そしてひとりの女性が立ち止まって転倒したとき、たまたま私も立ち止まった。すると男性が、「ああ、いいよいいよ、かまわないで」と言わんばかりの仕草をした。私が手助けするとでも思ったのだろう。なんだか一緒にすべっているのも煙たくなった。わたしは雪面がよく見えないガスっぽい中、スピードを上げ気味に滑った。するとこともあろうに、右のスキー板の先がホコホコの小山に突っ込んでしまい、スキー板の先をロックされ、右足だけで前のめりになってしまった。普通なら前方に1回転するような体勢だが、右足をロックされたうえ、バインディング開放のタイミングが遅れた。右足のふくらはぎの一番上が伸びきるのをはっきり感じた。「!!」 激痛が走った。そして板がはずれると前方にふっとばされた。靱帯をやったか、あるいはふくらはぎの筋肉繊維が切れたと思った。後ろから男性が来て、板を拾ってくれたが、しばらく動けなかった。うううむ、なんたる不覚。普通はこんなコースで、しかも視界が悪い時は慎重に滑っているのだが。おそらく、ふくらはぎの裏は内出血で紫色じゃないだろうか。靱帯をやっていないかチェックし、ゆっくり板を履いたが、かなり痛い。でも滑りだすと、なぜかなんとか動いた。右足に体重をかけないようにして、ゆっくりと滑った。あ〜、もう景色なんかどうでもいい。ひたすらバドホフガスタインの町に向かって滑った。急斜面は無かったのが救いだ。ちんたら滑って町に降りた。すぐにケーブルカーで山に戻るために駅に入る。板をはずして歩くと、かなり痛い。ううむ、ブーツを脱いだら履けなくなりそうなので、このままがんばるか。14時20分ごろ山の中腹にある、ケーブルカーの頂上駅(上のロープウェイの始点でもある)のすぐ近くにKITZSTEINALMというレストランに入った。ここはヤギのあんかけが名物らしい。Zigeuner spieβ mit pommes frites は11.5EUR(1,437円)だ。レストランは本格的で、一人でテーブル1つ占拠、ウェイトレスが注文を取りに来る方式だ。チップも必要だが、時間がかかるというのがまどろっこしい。で、出てきたのは結構うまいが味がよくわからないほどソースが効いている。ヤギは臭みが強いと聞いたが、なんともなかった。(あとでブライアンの奥さんに写真を見てもらったら、豚肉みたいだ、と言われてドキドキした)私は飲み物はもっぱらトラオベンザフト(ぶどうジュース)だが、飲める人はぜひヴァイスビア(Weiβ bier)というビールがお勧めだ。テーブルでは足を組めないほど痛いが、仕方ない。30分くらいで食事を終えた。さらにロープウェイで山頂に向かい、集合場所へ向かった。不思議なことに、滑りだすとあまり痛みを感じない。ブーツがギブスになっているからだろうか。それにしても、板をはずすと歩くのがつらい。バスの中ではブライアンから「晴れ男だというけど、だめだったね」と言われた。たしかにいい写真が撮れないほど天気が悪かったのは国内も含めて久しぶりだ。でもこっちはそれどころではないのだ。まだ3日目で、これからまだ1週間もあるというのに、どうなっちゃうんだろう。でも、きっと明日はよくなっているに違いない。靭帯をやったり、骨を折ったりしなかっただけ救いだ。 びっこをひきながらホテルにゆっくり戻る。フロントのある2階までの階段がつらい。そしてドキドキしながらウエアを脱いだ。足は・・・内出血もなにもしていないようだが、右足のふくらはぎが膨れていた。ううむ。明日はひいていますように。大切なツェルアムゼー&カプルンだ。 |
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※このレポートではスノーシャトルは曜日ごとに色々なスキー場に行っていますが、 2015年11月現在、フラッハウのみの運行となっています。行かれる方は必ずご確認ください。 ザルツブルクのシャトルバス(ザルツブルクスノーシャトル)日本語 |
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冷蔵庫が無いので外気で冷やす。 けっこう冷える |
歩きが多いと思い、3045円でこんなのを日本で買った。 レグザムのかかとには滑り止めがなかったので、 とても助かった。 |
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ゴンドラ内はいい感じだ | さて、どこまで行こうか | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
道に迷うなよ | 休憩所もおもしろいデザインだ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
滝は右に入っていく | ゴンドラの駅だ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コカコーラの熊がいたぞ | スタート地点に戻る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ちんたらコースもあったぞ | Scharteの上部は荒涼としていた | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
事故後、この斜面だけは苦労した | ケーブルカーだ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ロープウェイはケーブルカーと 時刻を連携して運行していた |
鳥の巣らしい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レストランの内部。 もはやゲレ食ではない |
これがヤギのあんかけ。うまい! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
こんなレストランでした | どの店にも国旗が | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
菜菜ちゃんのヘルメット、 ハローキティだ! |
ブライアン一家。とっても愉快だ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【ギャラリー】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆Hohe Scharteの最上部リフト いい感じだ。視界はもっと悪かった。 |
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◆Hohe Scharteの上部 最初はフラットなバーンが続く |
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◆事故現場付近 補正しているので明るいが、実際にはもっとガスっていて、足元が見えなかった。 転倒するときはこんなところをスピードを出して滑っているときだ。 |
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とにかく、滑るときは慎重に行こう。恐怖感のある急斜面ならば体がすぐに反応できるが、思いもよらない転倒の場合は、思わぬ怪我になるからだ。 ちなみに私はバインディングの開放値は7だったが、6に落とした。決して高い値ではないのだが、真正面に転倒というのは開放しにくいものかもしれない。 また、こういうケガに備えて、筋肉痛対策にもなるから、湿布薬を持っていこう。必ず冷湿布にすること。怪我の最初はとにかく冷やさないといけないからだ。間違えると、悪化させるので注意だ。当日の風呂も考え物だ。 |
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