4番打者はいないけど | |||||||||||||
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■概要 オーストリアといえば、日本人のスキーヤーにとっては特別な存在の国だ。明治44年(1911年)にオーストリアのレルヒ少佐からストック1本のスキー技術を学んだのが日本のスキーの始まりだが、1930年に2本ストックのスキーを伝えたのもオーストリアのハンネス・シュナイダーであり、その後も現在に至るまで、日本のスキーに大きな影響を与えてきた。 しかし、海外スキー旅行の行き先となると、スイスやフランスに遅れを取っているところがある。マッターホルンやモンテローザのあるツェルマットや、アイガー・メンヒ・ユングフラウなどのグリンデルワルト、そしてモンブランやグランドジョラスのあるシャモニーと違って、「ヨーロッパ・アルプスに来ました」を表現する四番打者がいないのだ。もちろん日本人から見れば絶景広がるスキー場が多いのだが、日本人が知っている山など、知名度の点ではかなり控えめになっている。そのため、地元オーストリア人や、スキー場の少ないドイツのスキーヤーが滑りに来るためという役割が大きいらしい。 しかしオーストリアの魅力は(私見だが)、ザルツブルクとインスブルックという、空港からのアクセスも良い二大都市からそれぞれの代表的なスキー場にスキーバスが出ているため、個人でも行動しやすいことや、電車の駅が都合よくあるので、レンタカーではなく電車を使ってサンアントンも射程距離に入ること、世界遺産も含めて都市の文化的価値が高く、観光にも適していることなどがその魅力として挙げられる。たいていのヨーロッパのスキーリゾートは個人で行こうとすると空港からホテルに行くだけでも大変という場合が多いが、オーストリアは個人旅行でも大変行動しやすい。個人が自分の日程に合わせて(ツアーに参加せずに)ヨーロッパにスキーに行くなら、間違いなく最高の国だろう。 |
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■場所とアクセス | |||||||||||||
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オーストリアはここだ! |
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ザルツブルク、インスブルックはここだ! |
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■なぜオーストリアを選んだのか | |||||||||||||
ケーブルカーに乗って火災になれば経営責任が問われるのは当然だが、2004年のオーストリアの裁判では容疑の証明が不十分ということで経営者や技術責任者、認可した政府検査官すべて無罪となり、裁判は長期化した。そして2008年、ようやく和解が成立した(日本人遺族は納得しがたかったらしいが)。それまでの間はなんだか私自身が気分が悪かったことと、遺族がスキー雑誌に、オーストリアへのスキー旅行を控えるよう広告を出していたり、またそれよりもスイス、フランス、イタリアの方が行き先として魅力的であったこともあって、後回しとなっていた。 しかし和解成立と、今回の変則的な長期休暇を最大限に生かすことを考えて、「行ったことが無くて」「自力でいろいろ回れる、回りやすい」という条件にマッチしたオーストリアを選んだ。事実、今回はザルツブルク・インスブルック・アールベルク(サンアントン)・ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)という、通常のスキーツアーに乗るなら4回行かないといけない欲張りツアーが個人手配で可能となった。 |
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■どうしてこんなに休みが取れるんだよ | |||||||||||||
ページ冒頭のスケジュールを見て驚かれた人も多いだろう。移動日を入れれば14日間もの日程となる。「いったい、どんな仕事しているんですか?」「定年退職されたのですか?」とか聞かれそうだが、私はまだ40代だ。実はこの不況下、運良く転職できたので、6年9ヶ月勤務した会社に退職届を出して、余っていた有給休暇の消化のため1ヶ月くらい休みが取れたのだ。 でも、もう定年退職まではこんな休みは取れないだろうなあ。 |
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■時差と通貨 | |||||||||||||
通貨:ユーロ(EUR、EURO) ドイツもユーロなので助かる。 レートは、2月3日早朝の成田空港第一駅のトラベレックスで現金両替をしたときは1ユーロ130.36円(手数料込み)。この日の前日の公式レートの終値は126.17円(つまり手数料無しのレート)だった。現地でクレジットカードのキャッシングをしたらわずか2日間で5円も動いていて、2月5日121.98円(日中の公式安値121.32円!)、ただし3月10日決済までの利息を勘案して実質123.95円であった。クレジットによるキャッシングは請求時に手数料(利息)がかかるので注意だ。 とりあえず、1EUR=125円でいこう。 なお、成田空港第一だが、2月3日朝、1Fのトラベレックスでは1EUR=130.36円、4Fみずほは132.62円、4F三菱は130.59円、税関を通過したあとの銀行は同じく130.59円。立地的に1Fのトラベレックスが一番有利に設定されているのは分かるが、みずほと三菱は同じフロアの背中合わせなのに、どうしてこうも違うのだろう。立っていた係りの人に聞いたら、「う〜ん、だいたい分かっているんですが、ちょっと言えないです」と、思いっきり「聞いてくれるな」というイヤナ表情だった。きっと「オトナの事情」があるのだろう。 いずれにせよ、現金両替は有利なことではない。初日のタクシー代、枕に置くチップ程度をトラベレックスで両替しておいて、あとは現地でキャッシング、あるいはできるだけクレジットカード決済がいいだろう。キャッシングできる場所はあちこちにある。 ちなみに、私は260ユーロ(32,500円:これは多すぎた)を成田、現地で500ユーロ(62,500円)をキャッシングしたが、50ユーロ(6,250円)余らせた。 |
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■物価と買い物 | |||||||||||||
・スキー場の食堂は多くがレストランになっており、テーブルについたら給仕の係が来てオーダーする、という仕組みだ。もちろん料理もいいのだが、値段も高めで、しかも時間がかかってしまう。だからあまり利用したくなかった。 ・「アルプスは野菜が高い」というイメージがスイスでできていたのだが、それほどでもない。野菜が欲しくなったら、バーガーキングのデライトサラダ(2.99EUR:373円)がオススメだ。これだけ買うためによく利用した。 ・オーストリアといえば、おみやげは「モーツァルトチョコレート」がオーソドックスだ。ザッハトルテは持ち帰りが大変だ。 ・ちょっとした買い物は、都市内ならばスーパーのチェーン店があちこちにあるから困らないだろうが、18〜19時に閉店するものが多く、また日曜日は休業日なんてのが多い。これはそれ以上の営業に対しては税金を払わないといけないかららしい。ただし、駅の店には深夜終電まで営業しているものもあるほか、ガソリンスタンドに付随するコンビニは24時間営業しているものもある。 ・スーパーへの買い物ではエコバッグを忘れずに。日本のコンビニ袋でもいい。とにかく、買い物袋はもらえないのが当然で、別料金というところも多い。 |
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■国民性 | |||||||||||||
今回驚いたのが国民性だった。一言でいえば、冷たい。 以前、ドイツを旅行したときはドイツ人の親切さには身にしみるものがあったし、何度も助けてもらったものだが、同じドイツ語を話すゲルマン民族でありながら、こうも違うかというほど異にしていた。ガイドブックその他でも、「オーストリア人は自分たちは洗練されていて、ドイツ人をやぼったいと思っている」「一方で個人主義が強く、バスや列車に乗るときは我先に乗るから、ぼやっとしないように(中国みたいだ)」なんて書いてあるのをよく見たし、現地の日本人ガイドもしみじみと言っていたが、本当、その通りだった。
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■ツアーの選定 | |||||||||||||
オーストリアは前述したとおり、ヨーロッパスキーとなるとスイス、フランスの方が人気があるため、JTBなど多くの旅行会社のツアーから外されてしまっていた。朝日サンツアーなど探せばあるのだが、多くは土曜日出発の日曜日帰国のパターンで、私のような変則的で欲張りな行動はやはり自分で手配しなければ不可能だろう。 前述したが、ヨーロッパの多くのスキーツアー(シャモニー、ツェルマット、グリンデルワルト、コルチナ)は空港からホテルまでの距離が長く、送迎を手配しなければならないため、ツアーに乗らざるをえない場合がほとんどだ。 しかし、オーストリアはザルツブルクもインスブルックも空港からホテルまでタクシーで15EUR(1,875円)くらいだ。また、インターネットによって事前情報やリフト券、スキーバスの情報も手に入るので、英語がちょっとできるくらいなら何とかなるだろう。だから、個人旅行でスキーツアーを考えるなら、ヨーロッパではオーストリアが一番可能性が高いといえるだろう。 |
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■航空券について | |||||||||||||
まず、インターネットでザルツブルクに行く路線を探し、次に発着の時間などを考慮する。日本は昼ごろに出て、現地には夕方に入るのが理想的だ。 ザルツブルクから入り、インスブルックから帰る場合には主にオーストリア航空、ルフトハンザ航空が便利になっている。出発4週前にはオーストリア航空を予定していたが、平日出発にもかかわらず、申し込みの段階でなぜか満席になってしまったのでルフトハンザにした。 今までのヨーロッパスキーは深夜にチェックインばかりだったが、経由地のフランクフルトで入国審査、ザルツブルクは17:30空港着で18:10にはホテルに到着したから非常に楽だった。 航空券は、HISで購入した。オーストリア航空だとウィーン経由でチケット、燃油サーチャージ、空港施設諸費用、税金全部込みで10万円を切っていたが、ルフトハンザはフランクフルト経由、ザルツブルクまでオーストリア航空利用で10万270円(チケット59,000円、燃油サーチャージ27,480円、現地出入国税8,100円等)だった。 出発時間は成田10:20発でルフトハンザが90分早いが、ザルツブルク到着は20分早いだけ。途中の乗り継ぎの差で時間を食っているが、到着が早いのでよしとしよう。また、行きは乗客が半分の入りだったので、大変楽だった。なお、個人旅行の場合は、航空券がリコンファームの要・不要を確認しておこう(私は不要だった)。 |
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■ホテルの手配について | |||||||||||||
注意しなければならないのは、旅行会社が手配するホテルは、写真とか設備とかカタログ上はきれいで☆いっぱいのホテルであっても、駅や繁華街から遠くて不便なものが多い可能性がある、ということだ。極端な話、アメリカだと、治安の悪い場所の「昔は名門ホテル」を安く買い叩いて日本人観光客を呼び、現地に到着してから「夜は絶対徒歩で外出しないでください」とか言って正体をあらわすなんてのが多い。ロサンゼルスのダウンタウンにあるホテルに泊まったとき、朝食時、レストランは現地事情を知らずにJTBに送り込まれた日本人だらけで、米国人は誰もいなかったこともある。 ヨーロッパでは駅と繁華街は離れている場合が多い。どちらを優先するかだが、私はザルツブルクはスキーバスを利用するので、スキーブーツで長く歩きたくないから、スキーバスのバス停に近いこと。インスブルックではガルミッシュやサンクトアントンに電車で行く予定なので、中央駅に近いことが条件となった。どちらも観光の拠点からは徒歩15分は離れているが、承知のうえだ。
まず、ザルツブルクのスキーバスはミラベル宮殿前から出ているから、日本語サイトのHISなどでこの付近の手ごろなホテルをリストアップし、次にホテル検索サイトでそれぞれの料金や、口コミによる評判を調べる。口コミは英語サイトも投稿数が多いので目を通しておくこと。 MARKUS SITTIKUS(マルクス・ジティクス) →HIS、楽天ともに1泊6,800円だが、5泊で楽天は33,500円とちょっと安い。他は全部高い。 CROWNE PLAZA(クラウン・プラザ) →マルクスのすぐ近く。HIS6,700円、楽天6,600円だが、口コミでは部屋が狭くて不満が多かった。 結局、マルクスは朝食付きであること、無線LANによるインターネット接続可能でもあることを確認し、マルクスにした。楽天だとポイントもたまる。ただし風呂はシャワーのみでバスタブは無いので、ゆっくり疲れを取りたい人は寝るしかない。また、冷蔵庫が無いので、買ってきたジュースは窓の外に置いていた。 次にインスブルックのホテル。駅から近いとなると、Sailer(サイラー)、Zach(ザッハ)、Ibis(アイビス)など。駅の真横にあるIbisは興味があったが、この日程では部屋がとれなかった。Zachは無線LAN有りだが、朝食無し。Sailer(サイラー)はホテルの玄関がスキーバスのバス停になっているのはうれしい。駅から1区画で朝食付きだが、LAN無しと書いてあった。でもこれは今どきおかしい、あきらめるのは無念でもあるのでメールを出したら、「LANは張っていないけど、無線LANならあります」と、1時間ほどで返事が返ってきた(日本の深夜はあちらのビジネスアワーだ)。こら、それはちゃんと書いておいたがいいよ。 HISは7泊で46,800円(1泊6,685円)、サファリ7,224円、楽天7,300円、オクトパス7,600円、地球の歩き方7,800円、アップルワールド8,500円。HISはツイン部屋を1人使用の設定でもあるから部屋も広いだろう(実際、広かった)。シングル部屋もツイン部屋も1人使用で同じ値段で出している。問題なくHISにした。こちらはバスタブもあり、本当にトクした気分だ。 以上だが、ザルツブルクのマルクスの同じフロアで1人スキーの日本人のおじさんと会ったが、アップルツアーの飛行機+ホテルのパッケージを買ったらものすごく高かったらしい。私の日程を聞いて、「1本行きますよね(100万円超えますよね)」と真顔で聞いてきたが、2都市間の電車賃や空港からのタクシー費用まで入れても、19万円くらいだ。おじさんはシングルの1人部屋(ベッド1台)なのに1人部屋追加料金を何万もぼったくられていて、しかも部屋を見せてもらったら、私の部屋(ツインを1人で利用)よりも狭い。とんでもない話だ。 (ちなみにアップルツアーはWebでこのサイトの写真を無断で使用しているような会社だから、利用するのはやめよう) 以前、ツェルマットスキーの7日目のレポートで書いたが、フェロースキーツアーでは6泊分の1人部屋追加料金を68,000円も取りやがって、どうも納得がいかなかった。そもそもネットで見る限り、ツイン部屋の1人利用でもシングルと同じ値段で出しているホテルがほとんどで、ただ、先に部屋がうまってしまう、というだけのことのようだ。この差額は本当にホテルに行くのだろうか。いずれにせよ、目をつぶっていいなりになる、というのは恐ろしいことだ。徹底的に比較しよう。 |
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■列車の手配について | |||||||||||||
予約するわけではないから手配というほどではないが、とりあえず時刻などはおさえておく必要がある。 時刻表は、 http://www.bahn.de/i/view/GBR/en/index.shtml (オーストリア〜ドイツ) http://fahrplan.oebb.at/bin/oebb.w02/query.exe/dn (オーストリア国内) のサイトがいい。出発、到着の駅名と日付を入れれば細かい情報を検索できる。私が今回必要としたのは、
(2)ガルミッシュパルテンキルヘン往復 (3)サンクト・アントン往復 ポイントは列車の出発時刻と何番のホームから出るのかをおさえておくこと。特にサンクトアントンは注意だ。電車やホームの掲示板にはその列車の終点が表示されるので、途中停車駅の「サンクト・アントン」など一言も書いていないのだ。だからその時間のそのホームに行って、「この列車はサンクト・アントンに停車するか」と確認してから乗ることにしよう。 できればこれをドイツ語で尋ねることができるように練習しておこう。時刻表は万が一乗り遅れた場合のことを考えて、予定以外のものもプリントアウトしていこう。 |
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■バスの手配について | |||||||||||||
ザルツブルクのバスは「シャトルバス」を利用する。これはWebに日本語のサイトと予約画面があり、日本で予約し、日本でカードによる支払いもすることができる。ちなみにツェルアムゼーに行く時に私は近くのカプルンにも寄りたかったので、行く方法についてメールで質問したら、ブライアンという人が即答してくれた(この人には大変お世話になることになる)。ブライアンはスコットランド出身だが日本人の奥さんがいて、日本語もうまいし、現地事情もよく知っている。よく家族を連れて来るので、これも一興だ(詳しくはレポート見て)。小さい子供が3人もいて、みんな日本語、英語、ドイツ語を話せるのいは驚きだ。バスは大型でトイレ付、車内ではビールやジュース、スナックの販売もしている。ザルツブルクのシャトルバス、絶対にオススメする。とても楽しかった。 ザルツブルクのシャトルバス(ザルツブルクスノーシャトル)日本語 ※このレポートでは曜日ごとに色々なスキー場に行っていますが、2015年11月現在、 フラッハウのみの運行となっています。行かれる方はご確認ください。
基本的に、どのバスだろうといったん王宮の裏にあるバスターミナルに連れて行かれる。そこから各バスのフロントガラスには各スキー場行きの看板が掲げられて、客はそれを見てそれぞれのバスに分かれることになる。念のため、乗るときは運転手に確認すること。特に帰りはホテル名を言って、一番近い場所で降ろしてもらえるようにしよう。 インスブルックのシャトルバス(時刻表:pdf) ただし、サンクトアントンの往復バスだけはホテルに送迎してくれるので、これは別格だ。(リフト券の手配で詳細) |
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■リフト券の手配について | |||||||||||||
ザルツブルクは、スキーバスの中で売っている。デポ込みのリフト券で、スキー終了後、帰りのバスの中でリフト券を返せばデポ分を返金してくれる。もちろん、現地で買うこともできるから心配ない。
インスブルック・スキーパスについて さて、インスブルックには、各スキー場にそれぞれのスキーパスがある以外に、いくつかの特別なパスがある。 (1)3日間スキーパス インスブルック周辺のスキー場、およびシュトゥーバイ氷河で3日間有効。3日分のリフト券と往復のバス。 ただし、往復バスはホテル宿泊者ならばホテルカードを見せればバスはどっちみちタダだ。 もっとも、スキー・スノボのウエアを着ていてそれらしい格好をしていればいい。スキーバスに乗る時にこれらの券の提示を求められたことはなかったし、提示している人を見たこともなかった。 (2)4日間スーパースキーパス 上の3日間スキーパスに加えて、1日、アールベルク(サンアントン駅)に行ける。これはホテルの前まで迎えに来てくれる。これは6日間以内に、4日間使えばいいので、天気が悪いときは2日くらいスキーを休んでもいい。 さて、問題は値段だ。3日間は105EUR、4日間は168EURだ。ということは、アールベルク1日のリフト券は43.5EURだから、片道1時間の往復送迎バスが14.5EURということで、これは納得できる。問題は3日間105EURだ。 個別に買うと、シュトゥーバイだけが高いのだが、 シュトゥーバイ 38EUR アクサマー・リーツム 29.5EUR パッチャーコーフェル 29.5EUR 以上、合計97EURだ!ということは、105EURの差額の8EURはバス代か?でもホテルカードがあれば無料だし、だいいち、チケットの改札などやりはしないのだ。だから、リフト券は個別に購入した方がいいという気がする。また、アールベルクはサンクトアントンのみなので、ここへは電車でも行くことができる。「スーパースキーパス」とか言われると目をつぶって買いたくなるが、よく考えた方がいいだろう。 インスブルックスキーパス(英語) インスブルック9スキー場共通情報(日本語) |
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■スキー板は持っていくべきか | |||||||||||||
よくメールなどで受ける質問だが、場合によると答えておきたい。 通常はスキー板は、通常の20kgのスーツケースとは別にしてくれるので、スキー板をウエアなどでグルグルに巻いて袋に入れて持っていくのがいい。しかしここ最近、これがきびしくなり、昨年のキルナでは、スカンジナビア航空はスキー道具はスーツケース込みで20kgとして、オーバーしたら超過料金(えらい高い)を取るというので、現地レンタルにしてしまった。しかし、ブーツまでレンタルにしたため、痛い思いをすることになった。 今回はフランクフルトまではルフトハンザ、そこからザルツブルクはオーストリア航空だった。ルフトハンザは自社サイトでは、板の長さ1.4m以下とか変なことを書いているが、問い合わせたところ、常識的な範囲内ならばOKらしい。ただしフランクフルト〜ザルツブルクと、インスブルック〜フランクフルトのオーストリア航空は小型なので、事前におおよその長さとおおよその重さを連絡してほしい、という条件があった。 今回の私はスキー滑走日が10日もあったので、持って行かないわけにはいかないだろう。 |
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■発音注意だ | |||||||||||||
ところで発音だが、ザルツブルク、インスブルックの地域は、標準ドイツ語と少し異なっている。たとえば、ほとんどの観光ガイドブックでは、Salzburgは標準ドイツ語によるザルツブルクと表記しているが、現地の発音はサルツブルクとなり、最初のSは有声化しない。トニー・ザイラーもトニー・サイラーとなる。そのため、インスブルックのホテル、Sailerも、ガイドブックなどすべてにおいて「ザイラー」であったが、現地でタクシーを手配するときに、「ホテルザイラーにお願いします」「ホテルサイラーですね」「いえ、ザイラーです」「あのね、つづりはS・a・i・l・e・rだよね?。サイラーって発音すんの」と言われてびっくりした。ホテルのレセプションに聞いたら、「みんなザイラーというけど、本当はサイラーなんですよ」とのことだった。ひょっとしてサイラーという別ホテルに行かれちゃうんじゃないかと大いにあせったものだ。 | |||||||||||||
■エリア情報について | |||||||||||||
ザルツブルク、インスブルックのエリア情報については、今回のレポートには観光ガイドもあるので、そこで述べることにする。ザルツブルク、インスブルックはどちらも、ウィーンと並ぶ観光都市だ。スキーとは関係なく、オーストリアに観光に行く人が訪れる古都であり、京都奈良みたいなものだ。だから、スキー以外でもじっくり時間を割いてみるのがいいだろう。 | |||||||||||||
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【ギャラリー】 | |||||||||||||
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◆キッツビュール 左手に見えるテレビ塔のある山がキッツビューラー・ホルン(Kitzbuheler Horn:1996m)。キッツとは子鹿のこと。ここはワールドカップのクラシックレースコース、ハーネンカムコースがある | |||||||||||||
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◆シュラドミング 正面は氷河を持ったダハスタイン(ダハシュタイン)の山塊だ。標高2700mの氷河には スキー場が広がる |
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◆バドガスタイン 日本ではバドガシュタインと呼ばれるが、オーストリアではハプスブルク家の保養地 であった温泉リゾートして知られる。 |
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◆カプルン Kitzsteinhorn(キッツシュタインホルン:3203m)の山腹に広がる氷河。ケーブル火災事故で 亡くなった人たちは、この氷河を目指して乗車した |
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◆ツェル・アム・ゼー 「湖の近くのツェル」という名前の町を見下ろして。ツェル湖を見ながら滑ることができる。 カプルンの近くだが、斜面はこちらの方がファミリー向けだ |
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◆ステューバイ氷河 Stubaier Gletscherはインスブルックエリアでは最も人気のあるスキー場。 | |||||||||||||
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◆ステューバイ氷河 メインの部分は幅広く圧雪されており、初級者でも楽しむことができる | |||||||||||||
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◆アクサマー・リーツム Axamer Lizum は標高も高く、コルチナのような巨岩群の中を滑ることができる。 また、隣接するムッタラー・アルム(Muttereralm)に滑りこむこともできる |
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◆サンクトアントン アールベルク地区の中心的なスキー場。日本ではサンアントンの名前の方で知られている。 ワールドカップのクラシックレース、カンダハーコースもある(同名のコースがガルミッシュパルテンキルヘンにもある) |
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◆サンクトクリストフ アールベルクの一角で、モコモコ山のおとぎの国と形容されることが多い。 スキーヤーにとっては、オーストリアスキーアカデミー(旧ブンデスハイム)がある、虎の穴として知られる |
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◆ガルミッシュ=パルテンキルヘン ドイツの最高峰、ツークシュピッツの山麓のスキー場。後ろの風景は オーストリアで、山頂付近には、世界最高峰の国境検問所もあった |
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◆ガルミッシュ=パルテンキルヘン 上部の氷河エリアと下部は分かれており、つながっていない。上部は別世界だが、下部はスキー場としてバリエーションに富み、クラシックレースのカンダハーコースがある。 | |||||||||||||
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◆レッヒ 英国王室御用達でも有名な高級リゾート。コルチナのセラロンダのように、複数のスキー場を回りながら一周する「ホワイトリング」というコースもある。 | |||||||||||||
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大切なことだからもう一度言う。一人で自由気ままに長期間、複数のスキー場に行くなら、オーストリアで決まりだ。その詳しい理由はレポートで! | |||||||||||||
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