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ウィスラー日記:7日目
 
ヘリスキー!   無理せずファットで
  
■これが乗ったヘリだ。
 胴体にある白いカゴに板やストックを入れる
■ランチの場所で
 
さて、行こうか
 
 今日はいよいよヘリスキーである。昨日の夜のうちから予約を入れておき、翌日にはビレッジ内で手続きをする。ヘリスキーの会社がビレッジ内にあり、「ケガは自分の責任です」というような誓約書にサインをする。クレジットで代金を払い、裏手の駐車場でビーコンの説明がある。

 ビーコンとは、雪崩で埋まった時に電波を使って、どこの埋もれているのか探索する装置だ。埋まらなかった人はビーコンを探知にして雪面に向ければ、埋まっていてもピーピーいう。ただし、全員が雪崩に飲まれたら役に立たないが。
 その他、一般的なルール(ガイドよりも先を滑ってはいけない、ガイドの指示には必ず従う、ランチは雪の上、トイレは無い(女の子は場合によっては、スコップを担いで離れた場所へ行くこともある)。野球帽は飛ばされるのでだめ、など。
 班分けは自己申告だが、どのくらい(何本)滑りたいかによる。体育会系は何本も滑るが、私は5本くらいの中級クラスにしておいた。板もファットスキーを借りる。
 ファットスキーとは、幅が通常の板の2倍くらいあって、短い。こんな板でアイスバーンを滑ろうものなら、角付けなどできたもんんじゃない。しかしめちゃくちゃに浮力があるので、1級が通常の板で滑るよりも3級がこの板を履いた方がパウダーの上では勝るのではないだろうか。いや、うまい下手は関係ない。とにかく楽しむのならぜひお勧めだ。なにしろ日本ではほとんど履くことなどできないのだ。
 この会社は30人くらいの客が来ていたが、うまくさばいていたようだ。私は先輩と一緒に日本人の中級班になった。5人が1班になり、それに日本人ガイド(現地人で、アルバイトらしい)のおじさんと、正式のカナダ人ガイド(いろいろ入ったリュックをしょっている)、それにヘリの運ちゃんで1台のヘリに乗る。

 バスでヘリの発着所へ。10分くらい山の中へ入っていく。そこで生まれて初めてヘリに乗る。ずいぶん狭い。そして猛烈な轟音(隣の人間が耳元で話しをしても聞こえない)をバリバリ立てながらヘリは上昇した。
 ほどなくポイントに着いた。降りてもそのままボ〜ッと立っていてはいけない。飛び去るヘリに吹き飛ばされるので、地面にうずくまらなければならない。そしてヘリが飛び去ると、そこは静寂な世界が広がっていた。名も無いような山がどこまでも広がっていった。遠くから見てもフカフカしているのが分かる。
 ここで初めてファットスキーを装着する。まるでわらじを履いている気分だ。ガイドはいきなり急坂をウェーデルンで滑る。大丈夫かな。ところがこのファットスキー、ものすごい浮遊力がある。いやあ、快適だ。幅広なのでアイスバーンの高速ターンには思いっきり向かないだろうが、パウダーでは、自分がうまくなったような感じだ。昨日のトランポリン感覚だ。いやあ、楽しい。こんな感じで感触を楽しみながらトロトロ滑っていたらヘリが先回りして待っていた。
 二本目は広々とした場所へ。「ここはクレバスがあるので、絶対に私を抜かないように」ガイドに注意され、ひょこひょこ滑る。振り返るとクレバスが数箇所見える。青々とした氷が見える。これで水割りを作るとうまいらしい。ガイドはクレバスのある場所を知っているので、我々には上からは真っ白にしか見えない斜面でも、ちゃんとコースが見えているようだ。
 昼食はサンドイッチとコーヒー、そしてフルーツだ。甘いお菓子が多い。軽いけど栄養がつきそうだ。他の班と合同だが、なぜかボーダーもいた。上級班にいた人はファットスキーを使用していない人が多い。ところが「しんどい」とか言う人もいた。無理せず、楽しむためにはファットスキーを利用した方がいいだろう。第一、こんな板は日本では履けないのだから。

 午後は急斜面と平坦な斜面のコンビネーションだ。この平坦な斜面の下で気付いたのだが、漕がないといけない場所があった。これはボーダーにはつらいだろう。しかしボーダーにはこのような場所が無いようなコースを選んでいるようだ。スノーボードの弱点は、平坦な場所に弱いことにある。
 のんびりしたヘリスキーも3時ごろに終了。エキストラでもう何本かやりたければお金を払った上で今から上級班に編入できるというが、やめておいた。
 初めてのヘリスキーということもあり、実によかったが、単に浮遊感が好きだという人は、昨日の貧乏へリスキーでもOKだと思うよ。
■もう、銀世界だ
 
■いいですな
 
■ヘリの雄姿
■右の写真と足してね
■左の写真と足してね
   

 
   
■パノラマ撮影したものです。
■ちゃんと整地してもスキー場にならんような山だ
 コンディションが良ければ人生に1回はヘリスキーを楽しもう。「やったことがある」という事実そのものにも意味がある。それくらい、特別な雰囲気がある。日本にも菅平や栂池でヘリスキーがあるが、あれはリフトが無い場所に強引に行くための「ヘリ移動」であって、「ヘリスキー」と呼ぶには疑問が残る。
 また、現地アルバイトおじさんがさかんに「最後に、パイロットにチップを渡して」と言っていたが(これはおじさんにも分け前がいくのだろう)、払う必要はない。あらゆるパッケージ旅行で特別に何か面倒を掛けない限りは、払う必要は無いものだ。ましてやガイドからチップ口に出すのは、論外といっていい。同乗のイギリス人には何も言わないところをみると、どうも日本人がだまされて払っているフシがある。
  
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