太陽ポカポカ | ||||||||||||||||||||||||
イタリア側から見たゲレンデマップ |
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このイタリア遠征の特徴の一つに、「パスポート持参」という約束事がある。ガイドによると、めったに検閲されることは無いし、実際に見たことは無いというが、ロープウェイの中で抜き打ちで検査があった話を数件聞いており、念のために持ってきてくれとのことだ。また、チェルビニアを観光するので、普通の靴もリュックに入れる。 今回は巡回バスでロープウェイの駅へ行き、昨日も使ったFuri、Trockener Stegを乗り継ぎ、標高3820mのクラインマッターホルンの駅に到着した(2本目のロープウェイの運転手は、我々が日本人であると知ると、観光案内の車内放送を日本語でもやってくれた。たいしたものだ)。 駅は岩山をくりぬいて造られたもので、向こう側へはトンネル内を歩いて移動する。トンネルの中間にエレベーターがあり、これに乗って展望台へ上がる。何だか楽しそうに聞こえるだろうが、ここは富士山の山頂よりも高いことを忘れてはならない。普通の感覚でスキー板を担いで大また気味に歩くと、とたんに息切れしてしまう。時々、クラクラする。這うようにして展望台に上がった。 ここから見た眺めは、すばらしくもあり、失望するものでもある。というのは、アルプスの山々はきれいだが、肝心のマッターホルンが「ええっ」と言うほどかっこうが悪い。ツェルマット側から見ると、無限の感動を与える山だが、南壁側から見るとえらく不恰好で、しかも肩と呼ばれる出っ張りが8合目ほどにあり、ただの岩山のようにも見える。ちょうど東壁に白く雪がかかっているのに対して、南壁側は融けるせいか、雪が少なくて黒ずんでいる。イタリアに対してずいぶん薄情な山だと思ったものだ。イタリアにいるときは、イタリア名のモンテチェルビーノと呼ぶべきであろうほど、スイス側とは別の山という気がしたものだ。 ここからはモンブランも遠望できるが、ガイドに「こことあそこの間の、あの丸い山」と教えてもらわないと分からないだろう。絵になる山は見えないので、長居は無用だ(シャモニのミディ展望台は1時間いても飽きなかったが)。 展望台をいったん下り、国境線を越え、いよいよイタリアの国境の都市、チェルビニア(標高2050m)に向かう。ここから延々とダウンヒルが続くのだが、そのコース幅と、行き届いた圧雪、快適な斜度、さえぎるものが無い視界の良さ、人の少なさは真の感動ものだ。八方尾根の朝イチのリーゼンが延々と続いていると思えばいい。ほとんど木の1本も見ることなく、チェルビニアの町に到着した。土産屋で板や靴を預け、運動靴に履き替えて、町に出る。小さな町だが、みやげ物屋が軒を並べる。マッターホルンが頭上に見える。 昼食は、Sporting Hotelと教会の間を少し歩いた角にある、Matterhorn というレストランでとった。スパゲティとピザだが、量が多い。チェルビニアの町では3時間くらい過ごしただろうか。強風になってロープウェイが止まるとまずいというので、早めに切り上げて帰る。2つのロープウェイを乗り継ぎ、最後の駅の壁に国境のラインがあった。ここから広いテオデュル氷河(凍傷になったところ)を抜けて、町への長いロングランで締めくくった。 今日はすこし早めに切り上げたので、町をゆっくり見ることができた。少し町を解説しよう。まず、駅前広場のすぐ横に少し細くなったメインストリートのバンホーフ通りがあり、みやげ物屋や、スキーショップがびっしり並んでいる。原宿の竹下通りのようである。ここには山岳博物館や山岳センター、教会などランドマークがあり、ぜひ最初に覚えてほしい。このメインストリートは教会あたりで賑わいが弱まる。この通りには、川が並行して流れており、川向こうはホテルやみやげ物屋、飲食店が多い。とりあえずこのバンホーフ通りをしっかり覚えておいて、川がどちら側かが頭にあれば、困らないだろう。 |
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朝、集合場所へ。 マッターホルンの上部が見える |
ロープウェイを2本使う |
2本目のロープウェイでクラインマッターホルンへ | イタリア側の斜面だ |
マッターホルンの南壁と東壁。 右側の東壁の方が白いのが分かる |
これよりイタリア |
クラインマッターホルンだ | チェルビニアの町とマッターホルン。 もう、ただの岩山だ |
南向きなので明るい | ちゃんと教会もあるぞ |
イタリア側のお土産屋だ | イタリア側のレストラン内部。 値段が安いのもいい |
イタリアのレストランだが、 マッターホルンとある |
ロープウェイだけがスイスに帰る手段だ |
イタリア側のロープウェイ | ロープウェイ駅の国境ライン。 CHはスイスを意味する |
テオデュル峠の氷河。 初日はここで顔に凍傷を作った |
ホテルから見下ろした街並み |
店は閉まっているが、楽しめる | 時計屋が多いのも特徴だ |
クリスマスは近い | いい感じだ |
日本への義理のお土産は、生協で買おう。特にチョコレートがいい。(空港で売っているようなデザインのものも多い)。特売品でも安くておいしい。しかし、NOIRと書かれたものは(結構、多い)、カカオの粉を固めたような、甘味のほとんど無い、苦いだけのチョコなので、要注意だ。習字に使う墨をかじっているようで、参った。ちなみにNOIRとは、「黒い」を意味するフランス語であるが、チョコでは「苦い」を意味する。ネスレの製品は比較的ハズレが少ない。
その他、絵葉書も安い。最初に値段をよく見ておけば、町中の無数のお土産屋を評価する基準になる。HOME > 海外スキーレポート > ツェルマット(チェルビニア)