油断はならない
ICが組込まれたリフトカード。
イタリア側も共通のもの登山電車の改札にて。
磁気カードは見せる必要はない。登山鉄道とマッターホルン バーナード君。結構、歳をとって
いるように見える東壁を見せるマッターホルン。
ゴルナグラートからこんな感じ中間駅とマッターホルン シュヴァルツゼーから見上げる、
マッターホルンの北壁(右側の黒い岩壁)いよいよ、滑る時が来た。初日は時差による疲れも考えて、ゴルナグラートとなった(峠越えは標高が高すぎて、疲労がすごくなるとか)。駅前に8時に集合し、駅のすぐ前にある登山鉄道の駅から電車に乗る。リフト券はテレホンカードのような大きさとデザインのICカードだ。5日間、街中の循環バスを含めて、全ての交通機関で有効だ。なお、スウォッチの腕時計に、このリフトパス機能を備えたものがあり、お土産を兼ねて売られている。
電車にしばらく乗っていると、ほどなくマッターホルンが見えてきた。そして走るほど、マッターホルンはその威容を誇示してくるのである。だから、あまり早くから興奮してバシバシ写真を撮らない方がいい。
約40分でゴルナグラートの駅(標高3090m)に到着する。本来はストックホルン(3405m)までロープウェイを乗り継ぐことができるのだが、まだ運行していなかった。この駅はプラネタリウムのようなドームを持ったクルムホテル・ゴルナグラートが隣接していて、カレンダーやガイドブックによく出ている場所だ(シャワーは共同なので格付けは2ツ星だが、本格的なホテルとしては世界最高地だ)。とりあえず、ここで写真大会となる。そこで登場したのが、ちょっと痩せたセント・バーナード犬を相棒に従えた、カメラマンであった。犬を加えた集合写真を撮影し、出来上がりの写真は駅前にあるカメラ屋で渡すシステムだ。私はこういうのは利用しないが、あまりいいカメラを持参していない人は、利用するといいだろう。なお、犬だけ撮影するのは自由だ(たまに外国では、黙って写真を撮らせておいて、いきなり身代金のような額を請求してくる悪党がいるので、注意が必要だが)。
ここから見るマッターホルン(Matterhorn:4478m)は東壁と北壁を8対2くらいで見せており、その中間の尾根(ヘルンリ尾根)の長さを誇示するようなポーズをとっている。それにしても美しい山だ。視線を左後ろに向けると、ヨーロッパ第2の高峰、モンテローザ(Monte Rosa:4634m)とリスカム(Liskamm:4527m)が見える。こちらの方がマッターホルンよりも高いのだが、全体の山塊が高いためか、山頂に丸みがあるためか、なぜか低く見えてしまう。岩肌には氷が青緑がかって見えて、氷河を育む山らしい容貌をしている。
さて、ここから山を下るのだが、途中、登山鉄道やマッターホルンの表情の変化を楽しみながら滑る。体育会系の、クローチングで滑るのは似合わないところだ。Landtunnel(2060m)で再び登山鉄道に乗る。再びゴルナグラート駅からRiffelbergに降り、Tバーなどで数本滑ったあと、昼食となった。レストランAlmで魚(ニジマス)の料理を食べる。えらいうまい。そこからFuri(1864m)に下る。ここは、イタリアやシュヴァルツゼーに行くにも使う、ロープウェイ・ゴンドラの基地でもある。ここからロープウェイでTrockener Steg(2939m)へ。ここからははるか遠くにユングフラウが見える。この周囲はテオテュル氷河の一部であり、長いTバーがバシバシ張り巡らされている。この中には世界一長いTバー(全長2.6km)もある。
なお、この辺りは夏でも9基のチェアリフトが稼動し、標高差1000m、総延長25km、最長滑走距離7km(!)のスキーができるので、世界中のナショナルチームがキャンプを張りにくるというから、恐れ入る。
ここで、事件がおこった。強風の中の長いTバーで体が冷えてしまい、末端の感覚が少し落ちてきた。なにしろ、10分以上、標高3000mを越える氷河の上に立っていたのと同じなのだ!そこで向かい風に向かって滑り出すと、顔が痛い。すると途中の小休止で、ガイドが私の顔をさすってきた。なんだ、気味悪いと思ったら、「凍傷になっている」だと。男が数人、両頬に黒いあざのようなものができたのだ。一生懸命こすると消えたというが、何かおかしい。Furgg(2432m)まで滑り、トレーン・ゴンドラでSchwarzsee(2583m)まで登り、ここの喫茶室で休む。顔には薄いあざができていた。ガイドは慌てて、暖めるように言ったが、はたしてこの責任はどこまで問えるのだろうか。いっしょに滑った、関西から来た夫婦のだんなは、狭い範囲で深くやられているようだ。「風呂でよくマッサージしてね」うーん、どうしてくれよう。メンバーに医師がいて、1ヶ月もすれば治るでしょうといってくれた。どうなることやら(この結果は後記で!)。ちなみに、女性はだれもかかっていなかった。
ここからは、長い長い下山道を下る。まだ薄明るいと思っていたが、マッターホルンの向こう側に日が沈むと、急に暗くなる。足慣らしとしては、十分だ。今日はこれまで!
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朝のツェルマット | 天文台付のホテルだ |
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さて・・・ | ブライトホルンだ |
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出番を待つバーナード君 | こうして記念写真を撮るのだ! |
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クラインマッターホルンと 登山鉄道 |
登山鉄道の中間駅から乗車した |
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かなり強い風が吹いているようだ | 上部はTバーだらけだ |
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トンネルの中を滑る | トンネルから出てきたところ。 中には雪がしっかりあった |
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ロープウェイの乗降口。時計の広告が 多いのはさすがスイスだ |
多くのブランドが並ぶ |
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レストラン「Alm」 | ニジマスの料理。飲み物は、ホットワインを 注文する人多し |
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モンテローザ。左がゴルナ氷河 | モンテローザ |
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右のとんがりがクラインマッターホルン、 左がブライトホルン |
ツェルマットの村を見下ろす |
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マッターホルンを望遠で。 山頂は強風のようだ |
リフトの向こうに顔を出す マッターホルン |
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東壁に正対して | ブライトホルンだ |
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威嚇しているかのようだ | 日が暮れる |
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ツェルマットのメインストリート | アルパインセンター。 山岳ガイドの受付はここだ |
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お土産の品定めだ | クリスマスが近い |
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子供はそりで運ぶのだ | 二人乗りだ |
(1)ゴルナグラート行きの電車では、右側にマッターホルンが見える。できれば、右側の列に座ろう。
(2)最初は曇り気味の空だったので、男は日焼け止めを塗っていなかったが、女性陣は、あれこれ塗っていた。昼には上塗りを繰り返していた。つまり、皮膚の表面を保護していたのだ。冬山では、皮膚を保護する意味で、たとえ曇り空であっても何か塗っておくべきであろう。HOME > 海外スキーレポート > ツェルマット(2日目:ゴルナグラート)