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グリンデルワルト・スキー日記:3日目

ユングフラウヨッホ

 本当、よくやるよ

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 今日はいよいよメインイベントともいうべきユングフラウヨッホへ行く。そうはいっても滑るわけではなく、ただの半日観光なのだが、スイスアルプスをちょっとでも知るうえでぜひ訪れたいところだ。ただ単に距離をゴリゴリ滑るだけなら、海外スキーに行く意味は無いだろう(距離だけ滑りたい人は北海道に行くほうがお金と時間をはるかに有効に使える)。
 昼食後にクライネシャイデックに戻って、2日前に滑っていないところを滑るというスケジュールとなった。
■ベルナーオーバーラント全図 (地図はスイス政府観光局のものを加工)
ベルナーオーバーラントの地図
■クライネシャイデック・ユングフラウヨッホ地域(上図の上側) (地図は配布パンフを加工)
クライネシャイデック 地図
ユングフラウヨッホ:JB
グリンデルワルト駅のユングフラウ鉄道。
背景はアイガーだ。今いくぞ
ユングフラウヨッホ:アイガーの窓
北壁の窓からグリンデルワルト
を見下ろす
ユングフラウヨッホ:アイガーバンド駅
お〜い、みんなもう行くぞ〜
ユングフラウヨッホ:アイスメーア
アイスメーア駅の窓から見た氷河。
上部のギラギラは窓です
 例によって朝はグリンデルワルト駅に集合。今日は観光メインなので普通のシューズを履き、スキーブーツは別に持っていく。クライネシャイデックへは初日にも乗ったラックレールの電車でちんたら登る。そしてグリンデルワルト駅から赤いユングフラウ鉄道に乗り換える。グリンデルワルトからユングフラウヨッホへの直行便は無い。クライネシャイデックまでの登山鉄道はWABで、ここからユングフラウヨッホに登るユングフラウ鉄道(JB)は電車の色も中身も、値段も全然違うのだ(グリンデルワルトからの往復正規料金はCHF83)。
 このユングフラウ鉄道はチューリヒの実業家の発案によるという(その人の胸像がヨッホ駅にある)。アイガーグレッチャーまでは1898年、アイガーヴァント駅までは1902年には完成したのだが、途中で資金難になったこと、第一次世界大戦が勃発したこと、トンネル事故で犠牲者を出したことなどで遅れまくり、1912年にユングフラウヨッホまでの全線開通となったのは着工から16年も経ってのことだった。詳しいことはエッセイの方で紹介したい。
 アイガーグレッチャーから先は暗いトンネルの中をゴロゴロ登っていくだけなので退屈になるものだが、我らがガイドの菊地さんはえらく色々と知っている人で、ずっと話し続け、聞いていて飽きることがなかった。
 しばらくするとアイガーヴァント駅に到着した。この駅は北壁の外側に通じていて、往路のみ5分の休憩をとり、観光客が北壁から外を眺めることができるようになっている。何を好き好んで駅を作ったかというと、もともとここはトンネル工事の時に掘り出したガレキを捨てるのに使っていたそうだ。今ではれっきとした観光名所になっている。夜間も照明をともすのでグリンデルワルトから見ると夜は巨大な真っ暗な北壁に星が輝いているように見えたのだが、今まさにそこに来たのだ。景色としてはグリンデルワルトの村がちょこちょこ、あとは夏だったら緑の草原であったであろう牧草地が広がっていた。それにしてもこれだけなだらかで広い牧草地の眼前に、突然垂直の岩壁が迫っている。どのような地殻変動で形成されたのかわからないが、すごいものだ。またここではトンネル内部をじかに見ることができるのだが、内側をセメントで塗り固めていない、掘りっぱなしの状態になっている。非常に固い花崗岩の岩盤なので不要だったらしい。また、固いからこそ北壁が風化せずに垂直のままでいられたのだろう。
 次はアイスメア駅へ。ここでも往路のみの5分の観光休憩があり、窓の外には氷河がセラックとなって流れており、氷河の迫力を眼前で見ることができる(窓、もうちょっときれいなのにしてくれ)。そしてさらに上り、いよいよユングフラウヨッホ駅に到着した。
ユングフラウヨッホ:鉄道駅
ユングフラウヨッホ駅で。
右は水のタンク車だ
ユングフラウヨッホ:TOP OF EUROPE   
みんなが記念写真を撮る
TOP OF EUROPE だ
ユングフラウヨッホ:メンヒ
雪原からメンヒ。
展望台よりも壁をよく見せている
ユングフラウヨッホ:アレッチ氷河
アレッチ氷河
ユングフラウヨッホ:アイスパレス
アイスパレスの床はモロに氷でツルツルだ
 ユングフラウヨッホのヨッホとはドイツ語で「肩」を意味するが、ここでは「鞍部(あんぶ)」を指す。尾根がまっすぐ伸びている途中でくぼんだところで、登山用語ではよく「コル」と表現される。「夏は大混雑」というユングフラウヨッホだが、冬場は客が少なくて助かった。日本の郵便ポストが置いてあるエントランスでみんなのブーツをチェーンでまいて保管し、さっそく観光へ。まずはスフィンクス展望台だ。「TOP OF EUROPE」の表示があるエレベーターで標高3573mの展望台へ。ガイドさんが「速く歩かないでください」と言っていたが、トンネルを登ってくるとどうも高い所にいる実感がない。展望台にあがるとすぐ眼前にポコンとした山がある。ここから手ぶらで登れそうだが、これがメンヒであった。ここから登ったところで、誰も「登頂した」とは認めないだろう。また、反対側には広大なアレッチ氷河が見えた。アレッチ氷河は厳密には視界のずっと先の方から始まるのであって、手前の大部分はユングフラウの万年雪で氷河ではないのだが(氷河は少しでも移動していることが必要)、細かいことは気にしないようにしよう。
 ここでの写真大会のあとは、アイスパレス(氷の宮殿)へ。ここは氷河の下をアリの巣のようにくりぬいて作ったものだが、とにかく下がツルツルで驚いた。こんなところをスキーブーツで歩いたら死ぬだろう。内容は・・・写真を見ていただくのがいいと思うが、とにかく「観光資源になるものはなんでも利用しよう」という努力はうかがえた。
 日本でも戦前、富士山に登山用のケーブルカーを設置する計画はあったが当局が却下した。それが環境保護なのか信仰のせいなのか分からないが、スイスはシルトホルンの回転展望レストランといい、徹底している。またこれによって多くの人が気軽にアルプスを楽しむことができるので、アルプスの中にはこういうのがいくつかあってもいいものだ。ちなみに展望台施設でのゴミは列車で降ろされ、汚水もトンネル内のパイプで降ろされるので環境への影響は少ないとのことだ。
 展望台の外に出て雪原の上に立ってみた。ここから見るアレッチ氷河は足元の雪からずっとつながっているのでこれも印象的だ。一通り見終わるとレストランに転がり込んだ。ゲレ食なみの内容だが値段は高級ホテルなみだ。無料の使いきりケチャップもここでは有料だ。それにしても野菜が高いなあ。氷河を眼前にしたレストランで休憩していると、もうこれで一日終わったかのような感じだ。
 さて、鉄道で今来たルートを戻ることになる。アイガーグレッチャー駅で降りて初日に滑らなかったコースを滑る。クライネシャイデックからチュッゲンのあたりまで滑った。ここから見るアイガー北壁は最も「アイガー」らしく見える。また午後の方が写真撮影には適している。このあたりで何枚もアイガーの写真を撮ったが、この北壁の中をついさっき電車で通っていたのだと思うとまた感慨深いものがある。
 しかし、途中で雲行きがよろしくなくなる。遠くベッターホルンの頭に雲がかかりはじめた。ベッターホルンのベッターとは「天気」という意味で、ここに雲がかかると天気が崩れるという。するとアイガーにも雲がかかりはじめた。いまごろヨッホは雪ではないだろうか。天気予報では今日あたりから下り坂というから、ベッターホルンの名は偽りなしだ。
 クライネシャイデックからグルントまでロングコースを滑ることになった。北壁の真下あたりで展望窓がどこにあるかを探すことになった。下から見ると本当に小さな窓だ。私が登ったときは3つあったと思ったが、実は7つあるらしい。肉眼ではよく分からなかったが、写真で見るとなんとなくそれらしく見える。
 グルントからグリンデルワルトに戻り、散策に出かけた。それにしても今日は景色がよかった。最終日はメンリッヘンがいいかな・・・。
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ユングフラウヨッホ:グリンデルワルト駅 ユングフラウヨッホ:登山鉄道
グリンデルワルト駅の朝はいつもこうだ 登山鉄道、車輪が見えない
ユングフラウヨッホ:登山鉄道 ユングフラウヨッホ:ユングフラウ
ユングフラウ鉄道。まとめて載せよう アイガーグレッチャー駅。
氷河が眼前に迫る
ユングフラウヨッホ:シルトホルン遠望 ユングフラウヨッホ:ユングフラウ鉄道
右奥にシルトホルンが見えるぞ 高級な車両だが、小さい
ユングフラウヨッホ: アイガーヴァンド ユングフラウヨッホ:アイガーヴァント
この巨大な影、アイガーね!? さあ、行かなくちゃ
ユングフラウヨッホ:ユングフラウ鉄道 ユングフラウヨッホ:アイスメーア
みんな写真に夢中だ アイスメアはジャクジャクだ
ユングフラウヨッホ:北壁の窓 北壁の展望台
お、押さんでくれ みんな、記念写真撮ってないで
もう行くぞ
ユングフラウヨッホ:ユングフラウ鉄道 ユングフラウヨッホ:駅
ユングフラウ鉄道の車両だ さあ、着いたぞ
ユングフラウヨッホ:標識 ユングフラウヨッホ:施設
日本語の案内もしている 売店はお土産充実だ
ユングフラウヨッホ:郵便ポスト ユングフラウヨッホ:スフィンクス展望台へ
出ました、富士山五合目から
もらった郵便ポストだ
スフィンクス展望台は
このエレベーターで
ユングフラウヨッホ:メンヒ ユングフラウヨッホ:アイスパレス
展望台からメンヒ 滑らないでね
ユングフラウヨッホ:アイスパレス ユングフラウヨッホ:アイスパレス
この彫刻、融けたんじゃない? こういう演出もある
ユングフラウヨッホ:氷の宮殿 ユングフラウヨッホ:氷の宮殿
分厚い氷河の中であることを
忘れないで
スケートができそうだ
ユングフラウヨッホ:氷の宮殿 ユングフラウヨッホ:氷の宮殿
なんじゃい 慎重に歩こう
ユングフラウヨッホ:氷の宮殿 ユングフラウヨッホ:氷の宮殿
狭い通路があるぞ  狭い通路の中だが、
閉所恐怖症には無理だ
ユングフラウヨッホ:氷の宮殿 ユングフラウヨッホ:雪原
これはアザラシか 雪原にて
ユングフラウヨッホ:メンヒ ユングフラウヨッホ:アレッチ氷河
雪原からメンヒ 雪原では、足元からずっと続いて見える
ユングフラウヨッホ:スフィンクス展望台入り口 ユングフラウヨッホ:博物館
さあ、戻るぞ 博物館で。これが登山鉄道のレールだ
ユングフラウヨッホ:博物館 ユングフラウヨッホ:レストラン
博物館の内部 どうしてこんなサラダが
CHF6.7もすんの?
ユングフラウヨッホ:レストラン ユングフラウヨッホ:レストラン
ううん、これにしようか こらあ!左の写真と比べてトマトとパセリがないぞ!
ノンアルコールビールを頼んだが、高所のためか泡出まくり
ユングフラウヨッホ:レストラン ユングフラウヨッホ:アイガーグレッチャー
夏はごったがえすらしい アイガーグレッチャー駅で降りた
ユングフラウヨッホ:アイガーグレッチャー駅 ユングフラウヨッホ:アイガーグレッチャー
駅の近くまで氷河がきている 氷河を背に
ユングフラウヨッホ:ラウバーホルン ユングフラウヨッホ:チュッゲ
ラウバーホルン(左)とチュッゲン。
麓の集落がクライネシャイデック
クライネシャイデックに向かって
ユングフラウヨッホ:クライネシャイデック ユングフラウヨッホ:アイガー
しかし広い斜面だ 下からアイガーを見上げる
ユングフラウヨッホ:トンネル ユングフラウヨッホ:チュッゲ
電車の線路の下をくぐるトンネルだ それにしてもバンフの
サンシャインビレッジによく似ているなあ
ユングフラウヨッホ:Tバー ユングフラウヨッホ:ラウバーホルン
Tバー用に橋がかかっていたぞ ラウバーホルンだ
クライネシャイデック:アイガー ベッターホルン
アイガーが堂々として見える ベッターホルンに向かって。
すばらしい風景だ
クライネシャイデック:ベッターホルン ベッターホルン
ん?雲が・・・
(望遠)
やばい、ベッターホルンに雲がかかっているぞ
アイガー アイガー
アイガーとリフト乗り場 アイガーとメンヒ
アイガー メンヒ
アイガーに向かって メンヒにも雲が
クライネシャイデック クライネシャイデック
ラウバーホルンクワッド手前の
Tバー
このリフトの基点が
クライネシャイデックだ
クライネシャイデック クライネシャイデック
ラウバーホルンを見上げる クライネシャイデックと
雲付きアイガー
クライネシャイデック:テント クライネシャイデック:テント
テントは売店だ こんな感じだ
クライネシャイデック: クライネシャイデック駅
ヤギの彫刻だ クライネシャイデックの駅
クライネシャイデック ベッターホルン
さて、帰るか 飛ばしやすい斜面が延々と続く
アイガー北壁 アイガー北壁
アイガー北壁を望遠で。
中央に窓が並んでいるの見える? 
左の写真のアップ
グルント 登山鉄道
グルント駅 こうやって載せます
登山鉄道:座席 そり
登山電車の席は山側が鋭角になっている グリンデルワルトの通りで。そりを売っていたぞ
馬車 アイスクリーム
馬車が走っていました おすすめのチョコレートアイス。
スプーンはフタをめくって!
グリンデルワルト グリンデルワルト
まともだったディナー 初めて野菜を見た
グリンデルワルト 夜景
アイガーヴァンドの光もなつかしい。
オリオン座がきれいだったが、山頂に怪しい雲が・・・
スキー
 ユングフラウヨッホは標高が高いので、油断しないようにしよう。氷の上でボ〜ッとなって、転倒して頭でも打ったらえらいことになる。
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グリンデルワルトの概要 (タウンガイド) 
スキー日記:1日目  ウェンゲン
スキー日記:2日目  シルトホルン
btn-arrow スキー日記:3日目  ユングフラウヨッホ
スキー日記:4日目  フィルスト
スキー日記:5日目  ベルン(休憩日)
スキー日記:6日目  ウェンゲン(自由行動)
スキー日記:7日目  移動日:グリンデルワルト 〜 東京
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