お手軽な氷河スキー | ||||||||||||||||||||||||||||
食事もそこそこに、バスに乗る。グランモンテはバスで15分以上かかる。フレジェールの向こうだ。グランモンテに到着した時は、やっとロープウェイが動き出したくらいだ。ロープウェイを2本乗り継ぎ、一気に山頂(3275m)へ上がる。天気はいいが、けっこう風が強い。ゴンドラ駅の上に展望台があるので、階段を上がる。すばらしい展望だ。登ってきたロープウェイの駅の方向を向くと、シャモニの渓谷が眼下に横たわっている。グランドキャニオンとまではいかないが、急峻な渓谷だ。対岸正面は、フレジェールのスキー場だ。軽食をとったテラスも見える。対岸左の奥にはブレバンのスキー場が並んでいる。シャモニの町をはさんでブレバンと対峙しているのが、モンブランだ。ここからモンブランを見ると、シャモニ針峰群とエギュイーユ・デュ・ミディ、モンブランが一直線になって、フレジェールから見た時と印象が全く違う。針峰群は雑然とうるさく並んだ岩山のようだ。その奥の最も高い峰がエギュイーユ・デュ・ミディであることは、トレードマークの金色の尖塔で分かる。この針の山のような針峰群の奥に丸みのある、白くて高いモンブランの美しいこと! 「モンブランは山々の君主です。岩の王座の上、雲の衣をまとわせ、雪の王冠をのせて飾りました」(バイロン 1817) 手前に丸い高峰が見える。バレブランシュからは尖って見えたドリュー峰(3754m)で、こちらから見ると丸く見えるのが面白い。一方、後ろを振り返ると、左手にアルジャンティエール氷河が広がり、対岸には山猫のようなアルジャンティエール峰(Aiguille d'Argentière 3902m)が見える。すばらしい景観だ。 展望台を降りて、右へ回るとそのままスキー場のコースにつながるが、左の氷河コースへ行く。一人なので危険だが、コースにはロープが張られているので、(絶対に守らなければならないという意味ではない)そこを出ないようにする。明確な境界は無いが、氷河の真上というよりも、すぐ脇といったほうがいいかもしれない。でかいクレバスの脇を滑ったりするのだが、ロープ内にはクレバスは及ばないようだ。しかし、ガイドに先導されたパーティがクレバスの向こう側を滑っている。もちろん、そういう人たちの後をついて行ってはならない。 コースを滑っていると、途中で圧雪コースになり、開放感あふれる安全なゲレンデへ入る。そこには家族連れやカップルなどが楽しそうに滑っており、何だか映画館から出てきた時のような気がした。そこはロープウェイの中間駅であるLognan(1965m)であった。ここにはゴンドラもある。ゴンドラでBochardという場所に出ると、そこは木の生えていない、コブもたくさんあるオフピステになっていた。なかなか手ごわかったが、リフト数本を滑り、Lognanへもどってテラスで食事をした。天気もよく、例によって、室内はガラガラ、テラスが混雑していた。 2時前には下山する。もっと楽しみたかったが、エギュイーユ・デュ・ミディに時間を割きたかった。循環バスに乗り、ホテル前で降りることなく、そのままバレブランシュの時にも来たエギュイーユ・デュ・ミディのロープウェイ駅へ直行する。板とストックは駅に置き、スキー靴のまま、リュックサックだけしょってロープウェイに乗る。この時間ともなるとスキー客は5人くらいで、あとは一般の観光客が30人くらいか。2本目に乗り継いで、展望台に到着する。 まず、氷の通路を通ってバレブランシュへの降り口に出た。3時を回っているせいか、尾根を降り始めたスキー客は数名だ。今からでも、一気に滑れば、30分もかからずに下まで行けるだろうが、氷河の上にスキーヤーはほとんどおらず、もし迷子になったら命はないだろう。氷のトンネルを戻って、展望台に向かう。 展望台は尖塔のある岩の隣の岩山の上にある。ここからはモンブランが手にとるように見える。山頂には、レンズ雲がかかっていた。ボソン氷河は目の前からはるか眼下へと流れている。シャモニの町も小さく見える。自分のホテルはどこなのかも分からない。バレブランシュの方向を見ると、尾根を降りるスキーヤーがシルエットになっていた。その向こうにはグランドジョラスの北壁が見える。アルプス三大北壁(マッターホルン、アイガー)の一つだが、本当の絶壁だ。この展望台には40分ほどいたが、全く飽きることはなかった。 展望台の中には、きれいなレストランや土産物屋がある。とても富士山山頂の高さとは思えない。少しづつ、暗くなり始めた。ロープウェイで降りる。駅から循環バスに乗ってホテルに戻った。無理して行ったが、十分に価値があった。 |
||||||||||||||||||||||||||||
立派な駅舎だ | 迫力のある案内図だ |
日陰側は薄暗い | 氷河を見下ろす |
駅舎の上の展望台からシャモニの谷と モンブラン山群 |
ドリューの岩山だ |
アルジャンティエール氷河を滑る | クレバスには注意だ |
下部の方は安全に滑ることができる | 中間駅の賑わい |
距離をかせぐなら、ゴンドラで 繰り返し滑るのが効率的だ |
青い空に映えるコースだ |
あの峰の上に人が何人もいるの見える? あの崖から滑り出す人たちだ |
ランチのテラスから見上げる |
ランチのテラスだ | ドリューがこちらを見下ろしている |
レストハウスのトイレだが | これだけで女性を表しているのがいい |
円いリフトに心も円く | ロープウェイだ |
【ここからエギュイーユ・ドゥ・ミディ】 ロープウェイ2本乗り継いでいくぞ |
展望台だ |
この時間からでもバレブランシュ氷河に行く人 | 展望台では赤ん坊も泣いていた |
シャモニ側の展望台に人が多かったが | 尖塔の展望台は閉鎖されていたようだ。 まるでロケットのようだ |
グランドジョラスの北壁だ | モンブランと雲 |
ボソン氷河だ | シャモニの町を見下ろす |
尖塔、行きたかったなあ | レストランには昔の様子の絵が |
レストランはこんな感じ | シャモニの町。橋がおしゃれだ |
シャモニは谷間の町なので、空が明るくてもすぐ暗くなる | ホテルのベッドの上から、ミディの尖塔が見えていた |
ロニオングランモンテ(パノラマで撮影) | |
ロニオングランモンテ(絵葉書) | |
今日のTIPは、上記の通りだ。計画時には悪天候の日もあるものと考えて、スキー場を選ぶといい。場合によっては当日の空を見て判断するのもいい。また、1週間の滞在ならば、早めに切り上げて、街中を時間をかけて見物する日を2日くらいは欲しい。
シャモニ・スキーの概要 日記:1日目(東京 〜 ジュネーブ 〜 シャモニ 移動日) 日記:2日目(ブレバン) 日記:3日目(バレブランシュ) 日記:4日目(フレジェール) 日記:5日目(レズーシュ) 日記:6日目(ロニオン・グランモンテ + エギュイーユ・デュ・ミディ) 日記:7日目(シャモニ 〜 ジュネーブ 〜 東京 移動日) HOME > 海外スキーレポート > シャモニ(ロニオングランモンテ)