フレジェール (La Flégère)) | ||||||||||||||||||||||||||||
今日は、ロニオングランモンテとフレジェールのどちらを滑るか、朝食時まで決まっていなかった。色々考えたあげく、仲間の一人が昨日、最後の駅の階段でものすごく疲れて、夕食をキャンセルしてまで寝てしまったので、今日は軽くフレジェールにした。ここは規模的には、シャモニのスキー場としては小さい。初日にブレバンに行ったときに、連絡コースが雪崩に遭っていなければ、ついでに行っていたはずの場所だ。 ブレバンはモンブランを見るためのスキー場ならば、フレジェールはシャモニ針峰群を見るためのスキー場と言えるという。「よし、今日は軽くフレジェールを滑って、午後は町の観光に時間を使おう」と、言うわけで、今日はフレジェール(La Flégère)である。 フレジェール行きのバスに乗る。町の雰囲気にも慣れたし、ホテルの目の前にある観光案内所(日本語ができる女性がいる)でいろいろ教えてもらったので、何の不安も無かった。フレジェールまではそれほど時間はかからない。バス停を降りると目の前に、ちんまりした教会がある。なかなかいい雰囲気だ。例によって、辺りにはスキー場など見えない。ロープウェイのはるか上、森林限界を超えた所に広がっているのだ。ロープウェイでまずは森林限界の境界線になる、1894mまで登り、次に長いクワッドで最高点となる2385mに到着する。このあたりは、でかい岩が多いが、それ以外は木の生えていない荒涼とした世界だ。登ってきた斜面を滑りはじめるとすぐに、目の前にシャモニ針峰群がドドンと見えてきた。右の、上から3番目の写真を見ていただきたい。のこぎりのようなギザギザがあり、3つほどのかたまりとなって並んでいるのが見える。これらは3400〜3500m級の峰で、この右奥にあるエギュイーユ・デュ・ミディに連なっている。氷河地形の荒々しさを再確認といったところだ。 「美しさ」「荒々しさ」はともかく、「広大さ」だけは、写真で表現するのには限界がある。写真だけでこの感覚がどれだけ伝わるか心配なほどだ。針峰群を見ながら、フレジェールの斜面をシャモニ渓谷に突っ込むようにして滑ると、とても不思議な感じになる(シャモニの人が越後湯沢の布場スキー場で、新幹線の高架に突っ込むようにして滑ると、きっと不思議に感じるだろう)。フレジェールはコースの数も少なく、幅も広いわけではないが、この針峰群を見ただけでも、来たかいがあったというものだ。 針峰群を少し見上げる角度のテラスでパンとリンゴの軽食をとった。針峰群とドリュー峰の間には渓谷があり、昨日、バレブランシュを滑った最後のメール・ド・グラス(氷海)が見える。針峰群の向こうにバレブランシュやジェアン氷河があるのだ。いやー、日本ではガツガツと滑っていた私だが、ここではすっかり観光客になってしまった。食後はブレバンへの道を見てみたが、連絡ロープウェイが閉鎖されていた。やはり通行できないようだ。数本、クワッドで上を滑った後、昼過ぎにはシャモニに戻った。 1時過ぎに町で昼食をとる。少し晴れ間が見える。フランス人は天気がいいと、店の前の、通行人から丸見えの所で、平気で食事をする(下の写真見て)。我々もこのスタイルでムール貝を食べた。安い割にはうまかった。パスタやピザなどのイタリアンは日本人の口には、懐かしくなるほど合うので、これもお勧めだ。 山岳博物館に行った。つまらない。記録や文書などが多く、フランス語が分からないと、わけがわからない。昔のスキー板の展示などが2階にあったが、野沢温泉や越後湯沢の博物館の方がましだろう(万座スキー学校の中の展示場といい勝負)。スイスのツェルマットの博物館は、建物は小さいものの、展示物や動物の剥製、民家のジオラマ、山の模型など、ビジュアルに徹しているので、言語に関係なく、見ていて楽しかった。また、ツェルマットと異なり、こちらは写真撮影厳禁だ。入館者も非常に少なかった。日本人観光客としての立場から評価すると、シャモニはフランスの博物館で、学術的な色彩が強く、ツェルマットは国際的博物館で、観光客向けの博物館といえる。 土産物屋を散策した。スーパーはCASINOという店が数店あるが、ここで義理のみやげを買い込んだ。店を散策してみると、けっこう、面白いものだ。 町の規模としては、ツェルマットよりも大きいという。ウィスラーのビレッジの方が計画性があって、車も無く、広い印象だが、広さだけならシャモニの方が大きい。一週間の滞在ならば、天気の悪い日は集中的に観光する日を作らないと、足りなくなると思う。カジノも行ってみたが、小さくて、面白いものではなかった。 |
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ロープウェイの駅。 この辺りには雪が無い |
小さなロープウェイ。 これは上に移動するためだけのものだ |
ロープウェイの上の駅。 もう真っ白だ |
あの凹みは何なんだろう |
大渓谷に向かって。 向こうは昨日滑った氷海だ |
針峰群に向かって |
身長が足りない子は 乗っちゃだめ |
大きな岩を越えるリフト |
広い斜面だ | 針峰群をバックにご満悦だ |
昼食は店の外で | これがムール貝だ。 なべごと出てくる(これが1人前) |
今日は赤玉を載せて | 警察官と市民がいい感じだ |
このころ、中国語や韓国語は珍しかった | ハーブの肉だ |
シャモニの鉄道駅だ | これがシャモニのカード、カルト・ドットだ (説明は下) |
教会に行ってみよう。コンパクトな教会だが、ここのステンドグラスは、スキーやそりが描かれている。入って右側にあり、中でミサをやっていても、そこまでは入れるので、見てみるといい。
シャモニのホテルに宿泊すると、シャモニのカード、カルト・ドットが無料でもらえる(上の写真)。博物館等で割引を受けるには、リフト券を見せればいいのだが、スキーヤー以外の一般観光客はこのカードを使うことになる。ただし、スキーヤーはリフト券があるので、渡されないことが多い。「おみやげにしたいので、下さい」とお願いすれば、すぐに発行してくれる。大きさはテレホンカードくらいだ。HOME > 海外スキーレポート > シャモニ(バレブランシュ)