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![]() カナディアンロッキー |
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★バンフ全体を通じて出てくる通貨はカナダドル。 クレジットカードの請求ベースで、1カナダドル=83.77円 で計算して下さい。 |
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バンフの概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||
海外のスキー場で日本人に最も人気があるのはウィスラーだが、ウィスラーでカナダを好きになった人が目先を変えて行くのがバンフである。もしウィスラーよりも先にバンフに行ったという人がいれば、それは多分、夏にカナディアンロッキーを見に行って魅せられたか、パウダー目的で内陸部を狙った人だろう。 場所はカナダの西部、ロッキー山脈の東側にある。緯度はウィスラーとあまり変わらないが、バンクーバーから飛行機で約2時間、ロッキー山脈を東側へ越えた所にあるカルガリー空港を利用する。そこから車で約2時間ほど山の中に入っていった場所にあるので、海に近いウィスラーよりもさらに良質の雪質が期待できる。 |
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バンフはここ! | バンフ周辺 | |||||||||||||||||||||||||||||
カルガリーは1988年に冬季オリンピックが開催されたから、名前を聞いたことがある人が多いだろう。(ただし、スキー競技が行われたのはバンフではなく、もっとカルガリーに近いカナナスキス一帯がメインであった) 日本の旅行会社が主催する旅行で「カナディアンロッキー」という表現を使うと、このバンフを訪れるものが多い。事実、私が行ったのは4月中旬のせいもあり、日本人の旅行客(高年齢者が多く、スキーではなく観光目的)を市内で大勢見かけることになった。 スキー場としては「バンフ」という名のスキー場はなく、一般にバンフの街から1時間以内にアクセスできる、通称ビッグ3と呼ばれる「マウントノーケイ」「サンシャインビレッジ」「レイクルイーズ」の3つを指す(独立した個々のスキー場をその基点となる街の名前で総称するという意味で、フランスのシャモニーと似ていると言える)。 ほとんどのスキーヤーはこの3つを訪れて満足することになるのだが、このHPの管理人がそれでよしとするはずがない。今回、候補としたスキー場を挙げると、以下の通りである。 |
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(1)マウントノーケイ バンフ市内から最も近く、ホテルから見ることができた。逆にスキー場からはバンフ市内が一望できるほか、ランドル山がきれいに見える。長いクワッドリフトがよく機能しているが、ゴンドラは無い。 コースは上級者向けが多く、圧雪をあまりしないので降雪後は手軽にパウダーが楽しめる。 (2)サンシャインビレッジ 2つの2800m級(!)の山のほぼ山頂付近からスタートするという、豪快なスキー場。標高差約1200mはカナディアンロッキー最高。ベースからは長いゴンドラでそれぞれのセンターベースまでアクセスしてからそれぞれのリフトに乗ることになる。標高が高いので最も営業期間が長く(通常、5月下旬クローズ)、雪質が悪そうな日はスキーヤーやボーダーが押し寄せる。景色もすばらしい。 (3)レイクルイーズ 「ビッグ3」の中では最もバンフから離れているが、非常に広く、景色が良く、人気が高いスキー場。標高は2600m級であり、営業も5月上旬クローズで、バンフ一帯ではサンシャインビレッジに次いで営業期間が長い。 (4)ナキスカ オリンピックが開催されたスキー場として有名。バンフからは週に2回、バスが出る。スキー場の規模としては大きくない。(私は行けなかった) (5)フォートレス ナキスカのすぐ近くにあり、同じ送迎バスがナキスカに立ち寄った後、フォートレスに行く。 スキー場としての規模は大きくない。(私は行けなかった) (6)キッキングホース ヘリスキーで使われていたエリアを最近開発したという新しいスキー場。ヘリスキーで使用されるだけに、雪質、景色などすばらしい。「シャンペン・スノーの首都」と豪語している。私が行ったときでもパウダーが残るが、下はまるで水上スキーの世界になる。 (7)パノラマ ヘリスキーで有名なエリアに近く、リゾート開発されたスキー場。山頂からは360度のパノラマが楽しめる。バンフからは遠いので、人は少ない。 |
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ちょっと私事だが、今回の旅行を可能にした最大の理由は私が転職したことにある。4月10日付で退職し、次の勤務先は5月1日からなので、その間はプータローをやって充電期間・勉強の期間を置くことにしたのだ。海外スキーはいいリフレッシュと語学の勉強にもなると考えた。これによって、シャモニー以来の3年ぶりの海外スキーの実現となった。 さて、時間的な余裕は十分あるが、4月中旬からなので行く場所が限られている。ヨーロッパ方面はほとんどツアーが終わっており(現地はまだ滑られるはずだが)、ここへは個人で行くとホテル代やら送迎やらでえらく高くつきそうだ。GWまで日本からツアーの日程があるのはツェルマットとシャモニーだけだが、両方とも行ったことがある。 北欧という手もある。ここはオーロラの観測がメインで昼間のオプショナルでスキーというものだ。そういえば会社の上司が仕事が忙しくなると「オーロラを見に行きて〜」とよくうわごとを言っていた。代わりに私が行って、オーロラ写真添付のメールでも送ってやるのも一興だが、4月になると白夜が始まりつつあり、結局やめておいた。 GWまでツアーが多いのがカナダだ。しかしウィスラーは2回も行ったことがある。残るはバンフだ。いろいろ調べてみたら、ノーケイだけは4月13日で閉鎖するらしい。周辺のスキー場を調べたら、キッキングホースという面白そうな名前のスキー場があり、ここも13日まで。カナナスキスの五輪で使用されたナキスカは21日までで、サンシャインビレッジとレイクルイーズは5月上旬〜中旬まではやるという。よし、決めた!。いろいろ調べたら、バンクーバーに延泊というツアーもある。そういえばバンクーバーにはグラウスマウンテンという、バンクーバーの夜景に向かって滑ることができるスキー場があるという。インターネットで調べてメールで問い合わせたら、クローズの日程は未定だという。ここはダメモトで行くことにしよう。かくしてバンフ行きは挙行されたのである。 |
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(1)旅行費用とツアーの選び方 旅行代金は非常に安い。JTBでの4月10日発はバンクーバーの延泊が付いた9日間(バンフでの滑走5日間)で110,000円(エア、ホテル、送迎付。食事とゲレンデガイドは無し)、一人部屋追加料金28,000円だけだった。これはヨーロッパやオセアニアに比べて非常に安い水準にあるといえる。 今回は数社の比較を行った。日程が合ってバンクーバー延泊付きでは、JALはモロに高い。フェローはゲレンデガイドが付いている分、高い。 このゲレンデガイドの評価は考え方次第で、広大なエリアを効率良く回るためには活用すべきだ。特に大切なものを見落とさないようにしたり、無駄な動きをしないためには有効だろう。しかし私は英語圏のスキー場であることと、事前の情報収集を行っていたので、ゲレンデガイドは不要と判断し、JTBにした。 特に私は写真をたくさん撮る人なので、デジカメのみならず、ここはと いう場所では一眼レフも使用する。場所によってはチャンスを待ったりするので(たとえばサンシャインビレッジでの6人乗りリフトでは、5人以上の人が乗車するのをじっと待っていた)、団体行動は迷惑をかけやすくなるのだ。もしあなたが行くときは、自分のニーズに合わせて選択するのがいいだろう。なお、今回初めてJTBのツアーを利用したが、各空港や都市での対応や送迎の仕方など、随所に「さすが大手旅行代理店」というものを感じることができた。 (2)現地におけるツアーの種類 ウィスラー、ツェルマットなどは宿泊施設とスキー場がほぼ隣接している。シャモニーは街から各スキー場までバスで5〜20分くらい離れており、リフト券で循環バスに無料で乗車できる。バンフは前述したように、そこそこ離れているので、やはりバスを使うことになる。 ビッグ3(ノーケイ、サンシャイン、レイクルイーズ)の共通リフト券はそれぞれのの送迎バスに無料で乗ることができる。この送迎バスはバンフをいくつかのエリアに分け、それぞれのエリアの主要ホテルでピックアップをしてからすキー場に行くもので、1日に何便も出る。帰りも同じ。 しかしその他は別途「リフト券+送迎バス」のパックを買うことになる。これはホテルまでバスにピックアップしに来てもらうため、予約が必要となる。また、1台でバンフ全体をピックアップするので、これに時間がかかる。 ナキスカやキッキングホース、パノラマなどは電話予約してもいいが、街中にオフィスがあるので前日の8時くらいまでに訪れて、カードで支払いを済ませるのもいい(パックは69ドルが多い)。ホテル名を告げておけば翌朝、迎えに来てくれる。 このツアーに関する情報はいずれもインターネット等で事前に入手できるが、4月上旬はクローズが始まるので、注意が必要だ。このへんの苦労は日記を読んでね。 でも通常の人はビッグ3で十分だ。どうしてもあと一つというなら、キッキングホースがいいだろう。 (3)ホテル 今回、ホテルに関しては評価は難しかった。あてがわれたインズ・オブ・バンフというホテルは街の本当のはずれにあり、中心部まで歩いて10〜15分かかった。何もない場所を歩くのでえらく遠く感じた。無料循環バスがあるのだが、時刻表など思いっきりアバウトで、30分おきに出ているはずなのに30分待たされることもまれではない。しかし部屋の大きさはバンフ最大で、ホテルの従業員に非常に世話になり、感謝の気持ちでいっぱいである。 もしお金に余裕があれば、これも中心部から離れているが、バンフ・オブ・スプリングスに泊まろう。お城のようなホテルで、わざわざこのホテルを見にくる客もいるという。ただし室内はしょぼいらしい。 (4)食事 食事に関しては、よほどの長期滞在でない限り、普通にレストランを利用するのがいい。バンフのレストランはインターネットによる案内も多く、とても助かった。またどの店にも必ずといっていいほど日本語メニューが完備されている。 料金は30〜50ドルくらいだが、ホテルのレストランを利用すると20ドル以下でうまいものが食べられる。 スーパーは2軒あり、町の中心部(カスケードセンター)の裏にあるセーフウェイがお勧めだ。ここでたいていのものは揃う。早いバスに乗りたい人はパンや飲み物を事前に買っておくのがいい。 (5)スキー場の性格 なぜウィスラーの方が近くて便利なのに(バンクーバーからバスで90分)、わざわざバンクーバーから飛行機と2時間のバスを乗り継いでバンフに行くのだろうか。私なりにバンフの魅力を語るなら、大きく2点に絞られる。 @カナディアンロッキー なにしろツェルマットやシャモニーのように、スキーをしなくても景色を見に来るために世界中から観光客が集まる場所でもある。ヨーロッパアルプスを思わせる巨大な岩山はとにかく日本ではありえない風景だ。天気が悪いと困るが、その景色は感動ものだ。景色は、スキーの技術に全く関係なく誰もが楽しむことができるのがいい。あなたが行ってみて、「しまった、管理人にだまされた」なんてことはないだろう。日本からの客は夏の方が多いというくらいなのだ。 Aパウダー 内陸にあるので(海からこれだけ遠い土地はすでに日本には無い)、ウィスラーよりも雪質がいい。そのため、「パウダースノー」の上をいく「シャンペンスノー」という表現を使いたがる。ウィスラーの雪に随喜の涙を流していた人は行く価値があるというものだ。 また、標高がバカ高い。サンシャインビレッジは2800m級であり、雨天になりそうでも地元の人は「雨雲の上にあるから大丈夫」なんて言っていたくらいだ。ツェルマットのように3800m級という、息が切れてかんべんして下さいというような高さではないが、緯度の高さも加わり、4月だというのに雪が非常にいい状態であることはありがたい。ちなみに日本でのリフト常設スキー場の最高地点は志賀高原横手山の2305mで、日本には2000m級のスキー場は数えるほどしかない。 もっとも、本当のパウダーはトップシーズンの降雪後だろう。ゲレンデがヘリスキー状態になる。本当にフカフカしたパウダーを滑ることができるらしい。ただしパウダーの代償として気温がマイナス20度以下なんてのはザラなので注意が必要だ。 (6)カナダのおきて カナダ人はとにかくアバウトである。時差が6つもあるほど広大な北米大陸で、億年単位の時を刻んだ地層を持つ岩山を見ながら育つとこうなるらしい。バスの時刻がいい加減なのには辟易したが、テレビでの天気予報(25チャンネルで10分サイクルで同じ内容を24時間放送している)なんざハズれっぱなしだ。同じねえちゃんが朝と夕方でまるっきり違うことを笑顔でしゃあしゃあと言ってのけるので、おもわず両手でテレビを押さえつけて「こら!」とか言ってしまった。スーパーのレジでもお釣りが16セントなので、こりゃあ10セント1枚と1セントが6枚来るなと思ったら、10セント2枚をよこしてくれた。これではレシートと違うから、後でレジが合わなくなるんじゃないかと心配したくらいだ。これだけアバウトでありながら、車でシートベルトしていないと罰金はその人が払えとか、レストランの支払い時はレシートの「この料金にチップは含まれていません」にグリグリと丸で囲んでよこすといった、どこか抜け目のない所もあり、これであと人をおだてるのがうまければ、カナダ人はみな広告代理店の営業マンとして成功するであろう。 インズ・オブ・バンフの日本人従業員のETSUKOさん(とても親切で非常に美しい女性であった)は、「カナダではこれですよ」と言って、クロスフィンガーを見せてくれた。そう、カナダの、ましてやカナディアンロッキーのリゾート地で細かいことにカリカリしても仕方がないのである。 豪快かつ、おおからにいこう。これがカナディアンスタイルのスキーなのだ(と、思う)。 |
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