バンフ・スキー日記(3日目): キッキングホース |
馬に蹴られて |
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バンフのビッグ3を完走しないうちに、POWDER EXPRESSというバスで2時間の遠征となるキッキングホースへ行く。ここはヘリスキーのエリアでもあり、「シャンペンスノーの首都」と豪語していた所だ(ガーラ湯沢が「サラッサラのパウダースノー」と宣伝していたのよりは信頼できそうだが)。まだオープンして2年ほどしか経過しておらず、バンフから遠いせいもあり、客数が少ないのでクローズも早いらしい。しかし私が来る直前に50cm程度の降雪があったというし、2日後にはクローズしてしまうというので、ぜひとも行こうと計画していた。バンフ2日目は天気が思わしくないらしい。それならレイクルイーズやサンシャインビレッジなどでは好天が絶対なので、いっそのことダメもとで遠征してしまえ!。と、昨日の晩に予約したのだ。
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これがパウダーエキスプレス
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バス代込みの
リフト券 |
当日は早起きをする。6時55分にホテル前にバスがピックアップに来てくれるのだ。5時半には目を覚まし、朝食とする。昨日のパンには懲りたので、朝はチョコレートの菓子パンにした。ところが一口かじると「ザラッ」とした、いや〜な舌ざわりだ。砂糖が溶けきれないほど多すぎて、粒のままだ。ものすごく甘い。これに甘そうに見えながら実は酸っぱめのオレンジジュース、最悪のコンビネーションだ。バナナはまともだ。これで朝食として、ホテルの玄関に向かった。
フロント前で出勤途中のETSUKOさんに会う。天気が悪いとはいえ、峠越えをしてブリティッシュコロンビア州に入れば、こちらの予報など関係ないという。そうか、それは良かった。でも、もっとひどくなるかも知れない。開き直って15分遅れて来たバスに乗る。
ビッグ3と異なり、キッキングホース行きのバスはバンフの街全体で1日に1本である。だからバンフの街じゅうの数ヶ所を回ってから出発するので、バンフの街を出たのは7時半くらいだ。
バスは西へと向かい、サンシャインビレッジやレイクルイーズの近くを通り、峠越えをする。この峠を越えた所の町の名前がGoldenといい、キッキングホースはそのそばだ。
ところでこの「キッキングホース」という変な名前のスキー場は、「キッキングホース」という峠、川の名前にちなんでいる。そしてこの峠の名前は、以下のような由来がある(JTBの人から聞いた)。
かつてカナダ西部の開拓者として有名なジェームズ・ヘクター卿が、この地を探検していた。ところが川で馬に胸を蹴られ、意識を失ってしまった。付き添っていたインディアンは、てっきりヘクター卿が死んでしまったものと思い、穴を掘ってこの地に葬ろうとした時、間一髪、息を吹き返したという。それ以来、川と峠の名前に「蹴り馬:キッキングホース」という名前が付いたという。このスキー場のロゴは、最初に見た時は馬が駆ける姿かと思いきや、実は後ろ足で蹴り上げている瞬間なのだ。
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KICKINGHORSE MAP |
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うわ、べとべとだ
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雲の上へ。いいぞ!。
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ブラッコムみたい
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さて、行くぞ
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「天国への階段」の下の方だ
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トップシーズンはヘリスキー
状態だろうなあ!
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雲海に向かって
クリスタル・ボウル |
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いいねえ
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ゆっくり行こう
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さて、長いバスの旅路の果て、9時25分に到着したのはいいが、すっかり春模様のスキー場だ。ベースはあちこちが小川のようになっていて、大騒ぎだ。
ここにはゴールデンイーグルというゴンドラがある。これは壁の部分がほとんどガラス張りで透明になっており、観光にも向いている。
このスキー場の標高差は1,260mもあり、最高地点は2,450mである。この標高差はカナディアンロッキーでは最高で、カナダではウィスラーに次ぐという。
ゴンドラに乗って登りだす。しばらくして雲の高さを超えた辺りから急にワクワクしてきた。雪が多く、雪質も良さそうだ。ううむ、なかなかいいんじゃないか?。地図にあるように、ゴンドラは中央の尾根の上を通過するが、左側にはBOWL OVERという広いボウル状のスキーエリアがある。これがびっくり、ウィスラーにある、ブラッコム氷河にそっくりなのだ。あの黒い横縞の入った岩山、まさしくブラッコムではないか。ウキウキしながらゴンドラ駅を降りた。
駅の前には変なモンゴル風のパオがある。カナダのインディアンの住居だろうか。そこからクリスタル・ボウル側に降りる。目指すはスキー場最高地点に至るリフトだ。
さっそく滑ってみたが、実に雪質がいい。遠くの谷間(ゴールデンの街がある)は雲ですっぽりフタをされており、雲の上はいい天気だ。まさしく天空のスキー場だ。このコースは実に長くて広くて快適だ。斜度は初心者〜中級者向けだが、遠くの景色を見ながら滑るのは気分がいい。
さて、最高地点に上るリフト駅に着く。このリフト、なんと「Stairway to Heaven:天国への階段」という。乗車口の近くにはあのパオがあり、焚き火もある。この高度ではやや肌寒いくらいだが、裸で寝転がっている人もいる。風はないようだ。
リフトの乗車口で係員たちのメッセージを見る。すると本日のスタッフの一人に「TOMOMI "Gullible" SAKAGUCHI」とある。おや、日本人かな。でも"Gullible" とは、「だまされやすい」だったよなあ。
リフトに乗って上へ。途中の景色はクリスタル・ボウルを眺めながらだが、実にいい景色だ。
リフトを降りた所に日本人の女の子がいた。ワーキングホリデーでこのカナダの山奥に来ているそうだ。「あなた、だまされやすいんですか」と聞いたら、どうして知っているんだと言うので、看板に書いてあったことを教えたら、そんなことないと笑っていた。ちなみにキッキングホースの由来を聞いたら、このへんで馬に蹴られた人を急いで運ぼうとして偶然、峠を発見したので峠の名前になったという。ううむ、だまされておる。蹴られた人を急いで運んだら、悪くなっちゃうでしょう。でも、がんばって働いてもらいたい。
ここを数本滑って、さきほどのブラッコムのような左側のボウルへ行こうとしたが、ここで変なことに気付いた。ここから左側のボウルに行くためには、いったんベースまで戻らなければならないのだ。ひどくアクセスが悪い。ところがベースまで戻ろうとしたら、べちゃべちゃに融けていて、水上スキー状態だ。ここでいきなり岩を踏んでしまった。ゲゲッ!。今まで無傷できた9DOに、いきなり彫刻刀で彫られたような線が入ってしまった。ううむ、なんということ!。板を外してセンターハウスまで歩き、ランチにする。
朝食は2連敗だったので、ランチは手堅くビザとコーラ、キットカットにした。11ドル75セント。ここはブリティッシュコロンビア州なので、国税以外に州税がかかる(アルバータ州は州税がない)。高いランチだが、分量だけは多い。
セルフ式のレストランにはウドンがあった。すごく懐かしく感じて食べたくなったが、麺が短く切れたのが浮いていて、どうも様子がおかしい。よく見たらUdonではなく、Udanと書いてある。怪しい。おかしな味で「これがウドンか!」と文句を言っても、「これはウダンです!」と言われては何も言えないのであきらめた。食事は失敗続きであったし。
午後はますます暖かくなってきた。ゴンドラで上に登ると、ここはまだ雪がいい。あのブラッコムのようなボウルを滑る。いかにも「カナダ」だ。しかし、そのままいったんベースまで降りないと上には上がれないのだ。これでは、せっかく5月いっぱいは営業できそうなスキー場も台無しだ。せめてゴンドラに中間駅を設けるかして、上部だけを繰り返し滑ることができるようにしなければダメだろう。
しかし、この「天国への階段」すら、今シーズンできたばかりだという。まだまだ発展途上の新しいスキー場なのだ。
4時半にスキー場を出発する。ここはバンクーバーと同じブリティッシュコロンビア州ではあるが、時間はバンフと同じ山岳時間帯を使っているので注意しよう。
今晩の食事はレストランにする。JTBでは、バンフのいくつかのレストランで使える夕食コースとチップ込みのクーポンを37ドルで発行しているが、どうも高い。とりあえずJTBもお勧めのギリシア料理の店、バルカンに行く。
一般に、バンフのレストランはすべて日本語メニューがあるからありがたい。写真にある、スープとサラダと串焼きのセットにワインを1杯付けて27.45ドルだった。チップを現金で4ドル渡したので約32ドルだが、内容はJTBとほとんど同じだった。明日もJTBお勧めの店に行ってみるか。
さて、明日はサンシャインビレッジだ。今日のキッキングホースのゴンドラでいっしょになった人(バンフ在住)は、サンシャインビレッジは標高が高いので、バンフで雨が降っていても上は晴れているという。明日の天気は悪くなりそうだが、なんとかなるだろう。
ここでショッキングなニュース。ETSUKOさんがナキスカ(カルガリー五輪で使われたスキー場)は21日まで営業しているのは本当だけど、バンフからの送迎バスは終わったという。なんだそりゃあ。フォートレスも同様だ。ううむ、これではサンシャインかレイクルイーズを2回行くことになるか。ビッグ3は4日券を買っておけばよかった。そうしたら、パノラマというスキー場もあるという。ううむ、どうしよう。とりあえずいろいろ調べてくれるという。すみませんねえ。明日のためにロールパンを買い、寝ることにする。
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朝食用を自分でとる場合、スプーンやフォークなどは日本から持参するのもいいが、スキー場のゲレ食で調達するのもいい。特にマーガリンなどは現地スーパーだと大家族が越冬するためのような大型のものしかないので、小さく分けられているマーガリンをいただいて行こう。
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今日のアルバム |
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■これがセンターハウスだ
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■入り口にある灰皿にも
キッキングホースがある
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■ゴールデンイーグルの
ゴンドラだ
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■ゴンドラより斜面を見る
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■これがパオだ
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■雲に向かってすべるぞ
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■天国への階段だ!
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■ここにもパオがあり、
焚き火があった
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■上半身裸で、顔にシャツを
かぶって昼寝だ。焼けるよ!
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■北米では、リフト脇にはたい
てい、係員の自己紹介がある
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■いい感じだ
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■いいぞ
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■クリスタルボウルを上から
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■最高地点より下界を見る
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■雪もいいぞ
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■裏山の景色だ
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■遠くを見ながら滑ろう
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■谷の向こうにも雪山
がある
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■尾根沿いにリフトが架かって
いる
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■分量はなかなか多い
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■レストラン内部
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■どこに行こうか
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■ボウル下もブラッコム
みたいだ
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■林間を滑った跡が
たくさんある
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■景色がいい
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■トップシーズンは
パウダー天国だろうなあ
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■THINK TWICEは、「2回
考える」「躊躇する」の意味
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■これがスープだ
なかなかいい
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■チーズいっぱいのサラダ
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■串焼きにライス、ポテトなど。
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■夜も散策しよう
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