ソルトレイクシティ(5日目:アルタ)
   
 北米No.1と認定されました

       
1日券
 
 
市電の駅だ
  
アルタ行きのバスに乗る
 
 
 さて、今日は必修の3つのスキー場も終わったことだし、お好みでALTAに行くことにした。ここはアメリカのスキー雑誌で「北米で最も優れたパウダースキー場」と認定されたスキー場だ。特に1位争いをしていた隣のスノーバードと山頂付近で連絡し、共通リフト券も売られるようになるや、ほとんど無敵のパウダーエリアとなってしまった。もう何度も繰り返したが、砂漠で乾燥しきった雪に3000m級の標高はこれ以上ないほどの雪を提供してくれる。スノーバードに行ったときに日本人ガイドにさんざん聞かされたので、4日目はアルタと決めていたのだ。

 ただし今回はちょっと違う。市電で行かないといけない。路面電車に乗って8つ目の「7200 South/MIDVALE FORT UNION」という駅で降りてALTA行きのバスに乗る。分からない時は人に聞くのもいいが、スキー場行きのバスにはスキー板を担いだ人が集まっているので、すぐ分かる。ただし、スキーは3方面に向かってバスが出ているので、ALTA行きと書かれたバスストップから乗車し、念のためにバスの運転手にも確認すること。ここから1時間くらいだろうか。アルタは1日目に来たスノーバードと同じリトルコットン・ウッド・キャニオンという渓谷にある。アルタの方が山の上にあるので、途中でスノーバードに立ち寄り、客の半分以上を降ろしてからアルタに向かう。
 アルタとはもともと「高い場所」という意味がある(地図を見た時の上の方、つまり「北部」という意味もある)。ここはベースですでに2560mと、志賀高原はおろか中央アルプス千畳敷といった日本のどのスキー場よりも高い場所にある(ベースが2460mのスノーバードからさらに登ってきているのだから当然だが)。
ALTA TRAIL MAP
  
なんとロープトウがあるぞ
  
すれ違うの、照れくさい?
 
乗ってすぐ、足の下が落ちる
 
MT. BALDYだ
 
左がDEVIL'S CASTLE、
右がSUGARLOAFだ
降りる時に曲がる。これで右の斜面を
削らずに済む(スノーバードはボードOK)
ベース部でパウダーだ
 
いい景色だ
 
  バスはALTAの2ヶ所のベースで停車する。手前がWILDCAT、奥がALBIONだ。日本人ガイドからは「手前でいいよ」と言われていたので、WILDCATで降りた。ここでブーツを履き替え、靴やらスキーケースやらを預ける。
 地図を見ると、最高地点に行くにはALBION側の方がよさそうなので、そちらに移動することにした。
 ALBIONへのコースはほとんど平らになっており、ロープトウが延々と伸びていた。しかもどちらが高いというほどでもないので、向こうからこちらに来るのもこのロープトウを使ってくるようだ。つまり、登るためではなくて移動のためのロープトウだ。こりゃあすごい。さっそくロープにつかまり、ALBIONへの長い平坦コースを移動した。この平坦なコースから離れの丘の上にずらっと宿泊施設が並んでおり、そこに登るために何本もロープトウが引かれていた。特にラスラーロッヂに行くものはとても短いのに、3人乗りリフトになっているので驚いた(地図見て)。それにしてもロープトウで向こうから来る人とすれ違うなんてのも、どこかのどかだ。
 ALBIONベースからSUNNYSIDEというリフトに乗り、ここからSUGARLOAFというクワッドに乗る。このクワッドも面白い。普通乗る時は山から下りてきた搬器がぐるっと回って進行方向(山の方向)に向かってから乗るが、ここはまだ搬器が山に対して真横を向いているときに乗車する(写真見て)。そのためイスに腰掛けてからも90度回ってからスタートするのだ。このときエッヂで足を取られないようにするためか、腰掛けてからすぐに板と雪面が離れるように段差が設けられている。なかなか細かいことをやるが、スキーヤーの流れとリフトの位置を考えると、この方が変に回り込ませないのでいいのかもしれない。

 このクワッドからの景色はなかなかいい。ALTAの景観を象徴する3つの山が見える。1つは左手奥に見えるDEVIL'S CASTLE(悪魔の城)という山で、黒々としていて、なにか魔物がいそうだ。もう一つは左手手前に見えるSUGARLOAF(砂糖のかたまり、特に円錐形に固めた砂糖のことで、転じてすりばち山を意味する)は本当に砂糖の山のようだ。モンブランがちょっととんがった感じだ。DEVIL'S CASTLEと並ぶとその優美さが際立っている。また右手にはMOUNT BALDY(はげた山)があり、この3山の位置関係を覚えておくと、自分がどこにいるのかが分かるのでいいだろう。
 さて、クワッドを降りたところは山の稜線でもあり、風が強い。ここからMt.BALDYにかけての鞍部には小さな小屋があり、その向こうが1日目に行ったスノーバードだ。この小屋がリフト券のチェックも行い、共通リフト券の者だけをスノーバードへ通している。実はこの小屋から見える所にあるスノーバードのクワッドの降り口もまた変わっていて、降りるときに直角に曲がるようになっている。これは設計上、まっすぐ降りるようにすると斜面を削らないといけないのでこうしたのだろうが、写真を撮り忘れていた。そこで降り口の写真を撮りたくてここまで来たのだ。それはもうそこに見えておる。小屋の係員に写真を撮るから通してくれと言ったら簡単にOKしてくれた。感謝(ダメと言われた時のために300mmの望遠ズームを持っていたけど)。スキー板はその場に立てかけておき、テクテク歩いて写真を撮った。なかなか面白いクワッドだが、日本でも応用がきくような気がするが。
 このあたりのコースは実に面白い。ちょうど森林限界にあるので、樹木の無いパウダーコースと樹木でコースがレイアウトされたバーンを両方楽しめる。クワッドより下は圧雪された初心者コースもあり、上で滑っていた時と感覚が異なるので、別世界に来たような感覚になる。
 ここでALTAが北米一のパウダースキー場であることを思い出し、ベース付近のコース脇の雪をしゃくってみた。評判通りのパウダーだ。両手でぎゅっと握ってパッと放すとパサッと崩れ、ほとんど固まらない。これでは雪だるまはおろか、雪合戦もなにもできないだろう。ここで突然、最近2週も雪が降っていないという事実を思い出してぞっとした。このような雪は北海道に行けば見ることができたが、それは降りたてだ。2週間降雪が無いのにこの雪質はどうしたことか。やはり基本的に水分が少なく、標高が高くて気温が上がらないからであって、これが北米一の実力なのだろう。もしこれが降りたてだったら、絵葉書や公式サイトで使われているような、全身が隠れるような雪煙をあげて滑ることができるのだろう(ソルトレイクの後、新潟の上越国際に行ったが、目の前でバリバリに雪が降っているその積雪を手で固めたら、1回握っただけで水がしたたるようなジューシーな、氷に近い雪ダンゴになった。これで雪合戦をしたら本気のケンカになって、怪我人続出だろう)。いや、たいしたもんだ。しかしパウダーっぽい林間や非圧雪エリアはシュプールだらけだ。きっと降雪直後は安い料金でヘリスキーができるのと同じことになるのだろう。
 ALF'S Restaurantというレストランで食事をしたあと、POINT SUPREMEへ行く。SUPREMEとは、「最高の、極上の」という意味だ。ここがスキー場最高地点3329mだ。日本でリフトのある最も高いスキー場、志賀横手山よりも1000m以上高いのだ(富士山八合目で3300m弱だ)。非常に期待したものの、風が強くガスが少し出ていた。ここでまたもアメリカらしさのあるものを見てしまった。それは非圧雪エリアに入る入り口での立て看板だ。
レストランの中には例によって板が
 
左の写真にあるように、非圧雪エリアに入る場合は、必ずゲートを通ってからでないと入れないようにロープで仕切られている。そしてそこには注意書きがドドンとあり、あとで「知らなかった」とは言わせないようになっている。で、何が書かれているかというと、予想したとおりのことだ。
「ここから先へ行くということは、スキーパトロールや雪崩コントロールの範囲から出るということだ。あなたは雪崩などの多くの自然の危険にさらされることになる。あなたにはこういったことを理解し、避ける責任がある。自分の行動、自分で危険から逃れること、救助にかかる費用、そして(スキー場に対する)あらゆる損害賠償請求を放棄するという責任がある」というものだ。おそらく裁判沙汰になった時のことを考えてのことで、ロープの張り方や看板の字句については弁護士と相談して作成したものだろう。
 しかし、もうひとつ注意してもらいたいのは「滑るな」とは一言も書いていないということだ。とにかく自己責任だからな、ということだろうが、自己責任という言葉を理解している日本人スキーヤーがどのくらいいるだろうか。まあ、日本のスキー場では「もしこんなところで木に激突して動けなくなったら、誰も助けに来ない」なんて場所はないし、あったとすればそれは滑走禁止区域だから仕方がないのかもしれない。このようなサインはあちこちで見たが、このアルタが最も印象的だったので、ここで特別にスペースを割いた。(エッセイの「自己責任」も読んでみて)さて、ここから今度は再びSUGARLOAFのクワッドを経由してGERMANIAのエリアへ。ここも樹木はまばらで、降雪直後はパウダー天国に違いない。それにしてもスノーバードと比較して非圧雪の場所の斜度が決して強いものばかりではないので、中級者くらいがパウダーを楽しむのには、ALTAの方がいいような気がする。
 スキーヤーズオンリーでこじんまりとしている。もし降雪直後に来ることができたら、きっとスノーバードよりも好きになるかもしれない。
 3時前にはあがって、バスと市電でホテルに戻る。それにしても市電の駅とホテルが離れていて、板を担いで歩くと肩が痛い。もし新婚旅行なんかで来たら、うらまれるだろう。

  もし一人で木の中を滑るのなら、メインコースから遠く離れないようにしよう。また、木が間引きされているコースが見通しもよくて板も回しやすくていい。

アルタ公式サイト(英語)
   

 
市電が来たぞ
  
ちょっとひなびた感じだが

しっかりつかまってな
  
レンタルはここだ
 
ロープトウにつかまりながら
 
振り返ってみて
 
さあ、行くぞ
 
森林限界のあたりだ
 
左後ろにスノーバードの
クワッド降り場が見える
パウダーエリアだ
  
景色がいい
 
私はこのデビルが好きだ
 
この小屋の向こうが
スノーバードだ
これがそのクワッド
 
遠くは晴れていた
 
歴史があるんだよね

そろそろ食い飽きた
 
豪快にいこう!!
  
ポテトはバケツ売りだ!
 
BSEなんか怖くない
 
ほっとする
 
暖かいものが人気だ
 
ビングル、どこにいる?(Where R Uは
Where are you)その下に時間の書き
込み。だいぶあせっているようだ
SUGARLOAFも優美でいい山だ。
奥はMt.BALDY
  
いい感じだ
 
子供に教えていたぞ
 
景色がいい
 
これもだ
 
森林限界を超えておる
 
降雪直後に来たいなあ
 
 
風が強い
 
ここも降雪時はよさそうだ
 
ベースで。午後3時から4時30分
の終了までは、無料だ
寒くても景色を見ながら食事
できるよう、ガラス張りだ 

バス停の隣が市電の駅だ
 
明るいうちに帰ろう
 
すごい車があった。
日本で車検、通るかな
かっこいい車だ
 
ここで食べたけど
 
味は学食なみだ
 
馬車のタクシー。
こら後ろ、何やってる!?
 

 
  
ソルトレイクシティの概要
1日目  (移動日:東京 〜 ソルトレイクシティ)  
2日目  (スノーバード)
3日目  (ディアバレー)
4日目  (パークシティ)
5日目  (アルタ)
6日目  (ソリチュード)
7〜8日目  (移動日:ソルトレイクシティ〜東京)観光ガイド