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これに乗っていくぞ |
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見事なS字はガイドさんだ |
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見ていて、やっぱり伊東デモ(右端)の滑りは違う。
この写真を見ているだけでも、軸がぶれていないのが分かる |
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雪質は表層だけ固め |
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ランチはサンドイッチやケーキ、フルーツなど |
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記念写真だ |
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私だ! |
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朝、電話で目を覚ます。「今日はヘリ、決行です!!」ええ?天気悪いんじゃないの?なんか雨くさい天気だが、ヘリのエリアはOKらしい。気合を入れてバスに乗る。まず、レンタルスキーへ。ここでファットスキー(横幅が広くて、長さは短い)を借りる。カナダでファットスキーを覚えてからは、どうもこのトランポリンの上に乗っているような浮遊感が忘れられず、迷わず借りることにした。多くの仲間がファットスキーを選んだが、数名のうまい人は通常の板で通すらしい。
バスは山奥へ。メスベンヘリスキーは最近コースが開拓された新しいヘリスキー会社だという。日本のアライでパトロールをしていたという日本人ガイドが送迎ガイドを兼ねて、数名のガイドが付くことになった。ヘリ2回分(8名)で1班となり、発着地から2往復して1班運んでからその班はスタートだ。私は昨日のウェーデルン転倒がものをいったか、どうやらヘタチームらしい。でもこれは大正解である。もう1チームは伊東デモを含む上手チームで、レーサー、テクニカル、準指がいる。この2チームで班行動するのだが、雑誌社のカメラマン付きだ。もちろんカメラマンは上手チームに時々注文を入れており、班編成に撮影協力の色があることに間違いはない。
まず先頭を切ってヘタチームがヘリに乗る。降りたら、準備して待機。すると伊東デモの上手チームが来て、合流してスタートだ。私はここで帽子をヘリに吹き飛ばされ、無くしてしまった。ううむ、いかん。
パウダーを楽しみながら滑る。実に愉快だ。ファットスキーは温泉気分である。上手チームは普通の板のようだが、私はこれでいい。下手チームは浮輪で泳いでいるように見られているかも知れないが、スキーは楽しむのが第一である。
雪質は、カナダの時よりもいくぶん固めというか、表面が凍ってクラストしている斜面が多かった。晴天続きで最近はヘリが飛べないほど風が強かったからだろうか。
さて、みんなの滑りを見るとやはり伊東デモは抜群である。我々はお金を払ってスキーをするが、お金を受け取ってスキーをする人は違う。テクニカル、準指はうまいが、伊東デモと比較すると恐ろしく差がある。
しかし、これは日本人だから仕方ないかも知れない。普通の日本人はオフピステなど滑らせてもらえないので、パウダーといえば大雪の翌日くらいでないと経験できない。それもすぐに圧雪されてしまうのだ。しかしデモは職業柄、今までパウダーの上にいた絶対的な時間がまるで違うのだから仕方あるまい。テクニカルとデモの技術の差が整地の時に比べて、パウダーになると思いっきり開いてしまうのもうなずけるだろう。なお、左の写真の上から3枚目がそれで、黄色っぽいのが伊東デモ、手前青っぽい3人が上手チーム、遠く2人は下手チームの仲間だ。伊東デモはわざわざ偏斜面を滑っていたが、体軸がとても安定しているのがよく分かった。
ウィスラーで「日本人客のために圧雪コースを増やした」という話を思い出した。規制のために圧雪スキーに慣らされてしまい、「足をそろえて滑るとか、ウェーデルンとかはうまいが、不整地はダメ」という日本人スキーヤーの特質を感じずにはいられなかった(バッヂ一直線で来た私もその典型だ)。
さて、次の1本。な、なんと、人生最大の不覚、今度は手袋が飛ばされてしまったのだ。ヘリの写真を撮るためにはずし、ヘリが去ってから手袋を押さえていた足をゆるめたら、通常の風が吹いてコースをコロコロ。もう、人生真っ暗だ。ガイドはリュックから代用の手袋を貸してくれた。しかし、オーストラリアでオシャカにした手袋の2代目で買って1シーズンしか経っていないのだ。でも、今度降りるコースはボウル状になっている。運がよければ見つかるだろう。そう思って1000m以上の標高差を下る。ボウル状だから、他に行きようがない。ガイドは「たぶん、無理だ」というが。ところが、なんと、下で手袋は私を待っていてくれたのだ。ああ、うれしや。
それにしても、景観を飾るビッグ・マウンテンがあるわけではない。見ようによっては、どのコースも同じように見える。ただ、山の上部が雪に覆われ、下部に雪がないというのが、何度見ても不思議だ。
昼食はヘリランチである。果物やサンドイッチなどを持っていき、雪の上で食べる。うまい。フルーツはキウイが必ず出る。甘いものが多くて、エネルギーになりそうだ。みんなで写真大会になる。ニュージーランドの山奥で、余裕にあふれた時間が過ぎていく。
午後はまた数本滑る。本日の予定は5本(だったと思う)が、標高差を保証する関係から、1本追加。ただし、これはピックアップが早い。合計で5.5本といったところか。
いやあ、それにしてもこの1日のためにニュージーランドに来たかいがあったというものだ。
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