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コルチナ・スキー日記:概要
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コルチナ

太陽と岩のスキー場
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コルチナダンペッツォ
ソラピス(左:Sorapis:3205m)と
アンテラオ(右:Antelao:3264m)
コルチナダンペッツォは写真左下にあり、
谷間の町であることが分かる 
人工降雪機
半固定の人工降雪機だ!!
可動式アームでピンポイントに雪をふりかけちゃうよ
■概要
 コルチナのスキーをひとことで表現するならば、それは「広大な奇岩群を滑るスキー場」といえるだろう。雪の量は少なめで、いかにもアルプスの南側の太陽が似合うスキー場という感じであり、スイスのように氷河を滑ったり、パフパフのパウダーを滑ったりということはほとんど無い。
 また、シャモニーのモンブラン、ツェルマットのマッターホルン、グリンデルワルトのアイガーのように、これといった有名な名峰があるわけでもない。じゃあつまんないだろうと思うかもしれないが、魅力的な景色が非常に多いのは事実だ。
 どんな造山活動か分からないが、巨大な奇岩が多く、どれも個性的で見る角度によって表情が変わるのがまた面白い。写真好きな私にはフォトジェニックな岩山が多くて、写真撮りまくりで、見ているだけでもハッピーだった。
 また晴天率がアルプスとしては比較的高く、行ったスキー場で景色が見えませんでしたということは無かった。この晴天率の高さのため、アルプスのスキー場としては人工降雪機が大量に配備されているのも特徴だ。そしてこのシーズンはこの威力が発揮されることとなった。欧州は日本と同様記録的な雪不足であったため、人工降雪機に無縁と思っていたスキー場は悲惨な状況になったのに対して、コルチナは例年と同じようなコンディションで滑ることができたのだ(なにしろ1月上旬に行われるはずだったアルペンW杯第5戦・スイスウェンゲン大会は雪不足でキャンセルされた。私が去年、滑った場所でだ)。
■場所とアクセス (地図は米国Yahoo!提供のものを加工)

イタリア地図

  コルチナ周辺地図(米国Yahoo!)
ドロミテ地図
時差:8時間(イタリアの朝7時は日本の午後3時) ただし夏時間では7時間差
通貨:ユーロ  2007/2月15日クレジットカード決済のレートで159.4円だったので1ユーロ=160円 でいこう。
 ヨーロッパスキーは飛行機の時間が長いのは覚悟だ。しかもこのツアーではミラノ経由なので、12時間以上の飛行でいったんミラノで降りて、ベネチア行きへ乗り換え、1時間のフライトのあと、バスで2時間半だ。
 
ドロミテの中のコルチナ
 実はこのレポートをUPする直前までタイトルを「コルチナ」にするか「ドロミテ」にするか迷っていた。このあたり一帯は一般に「ドロミテ」と呼ばれる土地だ。この土地に多く存在する鉱物のドロマイトよりそう呼ばれるようになったもので、ビジネス上では周辺のスキー場を総称して「ドロミテスーパースキー」という場合が多い。一方、コルチナはドロミテでも最大級の山岳リゾートで、多くの宿泊施設があり、正確には「アンペッツォのコルチナ」を意味する「コルチナダンペッツオ(Cortina d' Ampezzo)」というのだが、要は町の名前だ。これはちょうど「ベルナーオーバーラント」と「グリンデルワルト」の関係に似ている(前者がエリアの名前、後者は宿泊する町の名前)。
コルチナダンペッツォ リフト券
ドロミテの6日間スキーパス
202ユーロ(32,320円)
1つのスキーパス、
12のスキーリゾート、
1200kmのピステとある
 また、この広大なドロミテには12のエリアに100以上のスキー場が点在し、450基以上のリフトやゴンドラが備わっており、コース総延長は世界最大級の1220kmという規模により、志賀高原(リフト71基)も真っ青のスーパースキーエリアと言われているのだが、そのすべてがコルチナダンペッツォ拠点とするわけではない。だから「ドロミテ」と表現するのが正しいのかもしれないが、旅行のパンフレットはグリンデルワルトの時と同様、「コルチナダンペッツォ」で紹介している場合が多い。このサイトはあくまでも一般の読者の視点を基準に置いているので(たぶん、「コルチナ」「コルチナダンペッツォ」で検索してくる人の方が多いだろう)、タイトルはコルチナとした。
※1791年(日本では江戸時代後期)、フランスのドロミウという鉱物学者がこの付近の山々の岩石の中に炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む岩を発見した。その後ジュネーブのある地質学者が彼の名から「Dolomia(ドロマイト)」と命名した。19世紀半ばにドロミウを記念してAlpiDolomiticheアルピ・ドロミティケという名称が広まり、その後「Dolomitiドロミティ(ドロミテ)」となった。
なお、現在ドロマイトは健康食品としても売られている。
コルチナダンペッツォという町
 地理的にはオーストリアに近く、イタリア国境内であってもオーストリア国境近くのスキー場ではドイツ語優先の掲示板が多いし、食べ物の味もドイツ風になる。
 しかしここはイタリアというよりもヨーロッパを代表する高級山岳リゾートと目されている。ガイドの人によると、ここでセラロンダ(セラ山群を1日かけて一周する)をやるのがヨーロッパのスキーヤーの夢だという。高級感は町に出ればすぐ分かるだろう。教会をランドマークに町並みはブティックも多く、スキーをしないお金持ちの高年齢者も目に付く。特に夜は値段を聞きたくなるような高級な毛皮をまとった貴婦人が実に多い。
トレッチーメ  
コルチナダンペッツォのパンフレットで
よく使われるトレッチーメ(Tre Cime 2998m)
ドイツ語はドライチンネン(Drei Zinnen
 
■イチオシ
 イチオシが無くて、ニオシに相当するものが実に多い。
冒頭で述べたが、日本人が聞いたことがあるような山は無い。しかし、見ているだけで惹きつけられるような風景となる山は今ここで羅列できないほど多いし、名前だけ羅列しても仕方ないだろうから、レポートでオイオイ報告することにする。
 スキーを楽しむという観点なら、必ずセラロンダには行くことだ。これはセラ山群という巨大な岩山の山塊の周りをリフトを使いながらジグザグに一周するもので、時計回りと反時計回りがある。初心者のために難しい斜面を避けるならば時計回りが一般的だというが、いずれにせよドロミテに来てセラロンダをやらないのは、シャモニーに行ってバレブランシュ氷河を滑らなかった、というくらい意義を失うことだ。ガイドによると、ツアーでは天気や風の強さ、みんなの体調を見ながら、最高の日に照準を合わせて行くようにしているという。
圧雪車    
奥の圧雪車の頭にチョウチンアンコウみたいに下がって
いるのがウィンチで、車体後方のモーターで巻き上げる
フェラーリ   
赤ん坊のころからフェラーリだ!!
ミラノの空港で
コルチナ 五輪コース
トファーナの五輪コース。
上から見るとただのガケだ
 次にクリスタッロ。ここはシルベスタ・スタローンの映画「クリフハンガー」の撮影地としても有名で、その他日本では考えられない急斜面を圧雪してスキー場にしてしまうというコースもある。しかしその威容はむしろ向かいのファローリアから見るのがいいかもしれない。 ここはトンバも子供のころからトレーニングで使用していたというスキー場で、日本なら圧雪車が入れない(入ろうという発想すらしない)急斜面でもウィンチを付けて強引に圧雪し、斜度40度の圧雪急斜面を作ったりする。私は少ない積雪量ではコブ斜面になってえぐれると土が出るから強引に圧雪して使っているんじゃないかと思うのだが、ガイドいよればイタリアはフェラーリを生んだ国であり、スピード狂が多くて、とにかく飛ばしたいから圧雪するのだとか。ううむ、そうだったのか。
 トファーナは日本の猪谷千春が1956年の冬季五輪コルチナダンペッツォ大会の回転競技で銀メダルを獲得したコースがあることで知られる。このコース、これまたよく作るもんだという急斜面なのだが、結構快適に滑ることができる。圧雪に対する執念はなかなかのものだ。
 今回行った6日間のスキーはコルチナダンペッツォからアクセスするにはよい組み合わせであったと思うが、これ以外のスキー場に行ってもハズレということはないだろう。日本人が見たら、日本国内ではありえないような景色が広がっていて、どこに行っても「ヨーロッパは違うなあ」と感じるだろう。

※冬季五輪のアルペン競技はノルディックやスケートに比べると日本は振るわない。猪谷千春が唯一のメダルかつ表彰台。入賞も、2006年トリノ五輪で皆川賢太郎が4位入賞がこの猪谷氏以来50年ぶり。
■旅行費用とツアーの選び方
コルチナダンペッツォ  
パッソ・ファルツァレーゴ(ファルツァレーゴ峠)にて。
ちょっと国際色を出してみました
 スイスに比べれば費用はおしなべて安い。ただコルチナダンペッツォは高級リゾートだから油断はならないし、ゲレンデでの食事は決して安くは無いと思う。しかし食事は日本人の口に合うほうなので、3つ星でもスイスのような挫折感はないだろう。
 またヨーロッパのスキー場全体に言えることだが、個人よりもツアーがいいし、ツアーに乗るならガイド付のツアーの方がいいだろう。イタリアでは英語が通じるとは限らないし、送迎バスが無いと夜に到着する飛行機便では電車にも乗れないし、レンタカーで行動するのもリスクが大きいと思う。
 なお、今回のツアーの最終日は自由行動だったが、近場ならば路線バスで行けるチンクエトーリが絶対のオススメだ。
 ところで私は今回、スキー滑走日が6日取れる理由で、あまり好きでないF社を利用したが(ガイドは態度のよろしくないのが多い)、前回のグリンデルワルトに続き、今回の男性2名のガイドは非常に良かった。

※JTBは5日滑走しか無く、交渉したがだめだった。
■物価
 普通。まあイタリア北部の高級リゾートだからこんなものかという物価だ。ただしメインストリートに生協があって、とても使いやすく、安い。お土産はイタリアのバッチチョコレートがオススメだ。
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コルチナダンペッツォの地図(中心部周辺)(米国Yahoo!の地図を加工)
※トリエステは今回利用した3つ星ホテル。ここから教会まで歩いて20分くらい。
コルチナ観光局(日本語)
コルチナダンペッツォ 地図
■タウンガイド
コルチナダンペッツォ   
ダイナミックツアー社側から見た教会の塔。
このおかげで大変分かりやすい
 
 宿泊したのは上の広域地図の上にあるトリエステという三ツ星ホテル。コルチナダンペッツォ中心部からは離れているが、静かな所で、まあまあ。またイタリアの食事は全般的に日本人の口に合うのがうれしい。
 町の中心となる繁華街は地図の「Corso Italia」という繁華街だ。ショップ関係はここに密集している。驚くのは、スキーやお土産に関係なく、通常のブランドショップ、特に毛皮店などが意外と多いことにある。コルチナダンペッツォがスキーにかかわらず、高級山岳リゾートであることがプンプンだ。事実、夏でもハイキング客が大勢来るという。
 街そのものは非常に分かりやすい。とにかく教会をランドマークとして1本の繁華街さえ覚えてしまえばいい。短い滞在なら、下の地図で十分だろう。
コルチナダンペッツォの中心部タウンマップ(上記のメイン部分を左に30度回転して拡大)
コルチナダンペッツォ 中心部 地図
コルチナダンペッツォ   
Corso Italia の入り口。
車両規制がされている 
コルチナダンペッツォ
Corso Italia の1つ隣の通りにあるローマ広場。
左の建物の裏がCorso Italia だ
コルチナダンペッツォ
夕焼けポイントから。山はクリスタッロ
 まず両替だが、現金は日本でやっておくのがいいだろう。成田空港ならアリタリアは第一ターミナルなので、そこの両替所の円→ユーロ手数料込みのレートを見ると、4階みずほが164.12、三菱が162.1、地下1階のトラベルコーナー(電車から駅ビルに入るところで、最初にレート表示を見ることになる)では161.92だったので、ここで両替した。特に今回はスキーパスの代金をユーロで用意しておくよう指示があったので、そのあたりも忘れずに。ミラノの空港では174.0だから話にならない。なお2月14日にコルチナダンペッツォで50ユーロをキャッシングしたら、157.36だったが両替の手数料を考えたら163.34だった。翌日の買い物のクレジットレートが159.4だったから、ユーロ現金の入手は成田でやって、買い物はできるだけカードで、というのが正しいことになる。
もしもスキーが終わって時間に余裕があれば、ぜひ町を散策しよう。マップのピンク色の通り、Corso Italiaがメインとなるが、オレンジで囲んだエリアもいい。このメインを中心に広げていけばいいが、とりあえず旅行者は生協(地図のcoop)で買出しをするといい。またお土産も空港よりここで買った方がいいので、最終日が近づいたら両替の残金と相談しながら買うといいだろう。
 教会のすぐ近くには「古生物学博物館」「アンペッツォ民俗誌博物館」「現代美術館」が同じ建物に入っているのだが、なぜか民俗誌博物館は無くなったというので私は入らなかった。
散策のパターンとしては(宿泊がホテルトリエステの場合)、2月中旬なら、17時20分くらいにはコルチナタウンマップ左上の「夕焼けポイント」に集合だ。ここからクリスタッロを見上げると、岩山が真っ赤に焼けるのが見えるだろう。谷あいの町なので、夕日が町全体を覆うことはない。ただ、赤くなった夕日が沈む時、西側の山の上を通過した赤い夕日が東側の岩山であるクリスタッロの西斜面の上部を照らすので、日没時だけこの現象が見られる。必ず一度は見ておきたい。
 Corso Italia の通りの入り口は車両制限がされているのですぐわかるだろう。すぐに教会の塔が見えるからそれに向かって歩いていけばいい。郵便局では日本円の両替もやっているが(要パスポート)、クレジトカードのキャッシングマシーンがあちこちにあるので、調べていくといいだろう(後日レポートで詳細)。生協は絶対に行くこと。買出しに必要なものはほとんど事足りるし、お土産もここがいい。またこの生協はちょっとしたデパートのようになっていて、上のフロアでは衣類のフロア、や家庭用品などのフロアなどがある。突き当たりの通りを左に曲がるとここにもスーパーがある。コルチナダンペッツォの散策で行くならこのあたりまでだろうか。
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コルチナダンペッツォ コルチナダンペッツォ
コルチナの生協のレジの外から。
生協は盛況だ!^^
コルチナの生協の中。たいていのものはそろう
   
【ギャラリー】
コルチナダンペッツォ クリスタッロ
◆1日目:ファローリアから見たクリスタッロ(Cristallo 3221m)
コルチナダンペッツォ トファーナ
◆2日目:トファーナから見たヌボラウ(左)、アベラウ(右)、中央の突き出た岩山がチンクエトーリ
コルチナダンペッツォ サッソンガー
◆3日目:アルタバディアにて、サッソンガー(Sassongher:2665m)
コルチナダンペッツォ サッソルンゴ
◆4日目:セラロンダの半周あたりで、サッソルンゴ(Sasso Lungo)
コルチナダンペッツォ モンテエルモ
◆5日目:アルタ・プステリア モンテエルモにて。このころには圧雪された急斜面にも見慣れてしまった
コルチナダンペッツォ アベラウ
◆6日目:チンクエトーリ  アベラウのスキー場で
コルチナダンペッツォ チンクエトーリ
◆6日目:チンクエトーリ  チンクエトーリの足下で
コルチナダンペッツォ
◆コルチナダンペッツォの夜。毛皮の女性がやたら多いのに注目
TIP
 コルチナのお土産はこのサイトのプレゼントキャンペーンにもあったバッチチョコレートで決まりだ!!
(知らない人はトップメニューの「お知らせ」を見て)
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スキー
コルティナ観光局公式サイト(日本語) イタリアの観光局が日本語で運営。コルチナについてはここ!
イタリア政府観光局公式サイト(日本語) 南青山にある。頼めば有料で送ってもらえる。
 
 
 
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