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コルチナ・スキー日記:2日目

トファーナ

 念願の五輪コース
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トファーナ ロープウェイ   
木造のロープウェイ駅だ
トファーナのロープウェイ
背景によくマッチした
ロープウェイだ
 さてさて、今日の天気は・・・雲が出ているけどまずまずだ。今日は昨日のファローリアの対岸にある、トファーナへ行く。このスキー場は、どのツアーの案内を見ても必ず紹介されているのは、「1956年のコルチナダンペッツォ冬季五輪で、猪谷千春が男子回転で銀メダルを獲得したコースがある」ということだ。概要編にも書いたが、日本人が冬季五輪のアルペン種目でメダルを獲得したのはこれだけだ。それ以外にも女子のWカップコースもあるという。それなりの難易度を持った山であることは、ホテルから山を見上げれてみればすぐ分かることだ。しかし規模でいえば1日で十分に見て回れるという。日本からわざわざ来た以上、滑走距離がいくらだ、よりもコルチナならではの景観が楽しめることを祈ろう。
 今日はバスがなかなか来なくて、ちょっと時間をくってトファーナへのロープウェー駅へ。ほんの一瞬だ。こんなの、スキーブーツで歩いても来れる距離じゃないの!。周囲には五輪の時に使われたスケートセンターなどもあるほか、ボブスレーのコースもあり(現在もWカップで使用されたりする)、五輪の匂いが残るところだ。
 ちょっとばかり古めかしい木造のゴンドラ駅から、ロープウェイに乗車した。
      
◆スーパースキーの鳥瞰図より、コルチナダンペッツォ周辺◆ 
(パンフをスキャンして加工)
(図中の数字は、スーパースキー12ヶ所の通し番号で、クリスタッロ、ファローリア、トファーナ、チンクエトーリは
「コルチナダンペッツォ周辺」として1つで数えられています)
コルチナ 地図
     
◆トファーナの鳥瞰図より
(パンフをスキャンして加工)
(上の地図から、さらにトファーナを大きくしたもの。
赤い矢印は地図に最初から入っていたもので、ゴンドラ、リフトを意味します)
コルチナ:トファーナの地図
 
ソラピス、アンテラオ  
ソラピス(左)とアンテラオ(右)
アンテラオは「ドロミテの王」とも呼ばれるらしい
 
コルチナ 女子W杯コース
冬季五輪やアルペンW杯女子が行われる。
今シーズンは1/19-21に行われた 
トファーナ
斜度だけでなく、あの巨岩の圧迫感が
これまたすごいのだ
Tofana
お気に入りの写真。まるで別の惑星
のスキー場のように見える
TOFANA
これがそのコース。
直滑降したいなあ
Tofana
ビビリまくる子供たち。
おい、無理させんなよ
ガス
地表あたりは晴れてきたが
リフト
うお! ♪
 最初のロープウェイ駅を降りた場所は町の見晴台という感じだが、それでも初めて目にする対岸のソラピス、アンテラオは圧巻だ。コルチナが両側を切り立った岩山で挟まれた谷間の町であることが良く分かるが、このソラピスとアンテラオは迫力があり、なにか意思を持ってコルチナダンペッツォの町を支配しているかのような気迫が感じられる。日本では見たことが無い景色だ。
 そしてこの場所はスキーの分岐点でもある。もうひとつロープウェイに乗ってトファーナ上部の広い谷間のコースを滑るか(昨日見たときもそうだが、雲がかかっている場合が多い)、やや西側へ滑り降りて、オリンピックコースのある方に行くかを選択することになる。どうも上部はガスっているというので、午前中はオリンピックコース側へ行くことになった。
 離れた場所から見ると、このオリンピックコースもそうだが、岩場の縫うようにして強引にコースを作っている場合がいくつか見られる。上部からの連絡コースなど、危ないんじゃないの、ヘタしたら岩にゲキトツよん、というような設計だ。
 あの五輪コースはまた格別で、巨大な2つの岩の間の、とんでもない斜度を落ちるようなコースとなっている。おお、なんとすばらしい。人も少ないから、あそこを思いっきり飛ばしたら、アンペッツオの谷間に向かって飛び立つような感じになるんだろうなあ。ところがガイドさんが、「ここは滑りません」だと。そんなあ、イタリアまで来てこのコース滑らなくてどうすんのよ。すると、今シーズンも誰かがすっころんでずっと下まで止まらずに転がり、ケガしたらしいので、だめだとか。冗談じゃない、オレ滑っちゃうよ!。でもダメだという。でも状況次第では自由行動になる雰囲気もあったので様子をみてみるか。
 オリンピックコース側の空は晴れ渡り、景色はすばらしかった。特にマルモラーダ、アベラウなどの対岸は昨日よりもきれいクッキリだ。ううむ、すばらしい。しかもあのチンクエトーリという、ちゃっかりした岩の並びはちょっとオチャメでよろしい。ヌボラウの山頂の山小屋もはっきり、そして「ドロミテの女王」マルモラーダが氷河をたたえてとても美しい。しばらく見入ってしまった。
 しばらオリンピックコース側を滑る。岩山は見る角度で表情が変わるから、全然飽きがこないし、写真など何枚撮っても足りないくらいだ。
 また、固定式のスノーガンや、半可動式(アームの先に小型の人工降雪機が付いたもの)など、スノーマシンが充実だ。パウダーを食うことはできないが、滑るだけだったら、地面が出ていなければ50cmも5mも同じことではないか。ただコブになるとえぐれてやばいので、圧雪はそれはそれは徹底したものになっていた。
 さて、昼になったので1本目のロープウェイを降りた駅に戻ってランチとなった。
 席がとれなくて室内で食べることになったが、ここは天気が良ければ、絶対に外のテラスがいい。室内で食べると、東京のイタリアンレストランと変わりがない。テラスはコルチナダンペッツォを取り囲む山々が見えて爽快だ。
 さて、ここで問題が。実はこのツアーはウサギとカメの2班に分かれていて、別に行動しているのだが、私はどうしてもあの五輪コースを滑りたかったので、単独行動をさせてくれと頼んだ。本来、単独行動で変なところに行って帰りの送迎バスに乗り遅れるとえらいことになるのでやるべきではないのだが、今回はホテルまで歩いていけるスキー場だし、心配は何も要らない。ケガについても「自己責任で行きます」の一言で突然、OKが出た。やはりガイドとして困るのは、客がケガしてみんなのペースを乱すことなのだろう。みんなは2本目のロープウェイで上の広い谷間に行くというが、午前中行った班は視界が良くなかったとのこと。よし、私は先に五輪コースに行って、最後に上部の谷間に賭けて行ってみよう。
 ということで私は単独で再び五輪コースへ。見たら、本当にコルチナダンペッツォの町にダイブするようなコースだ。雪は固めでガッツリと圧雪されており、すっころんだら下まで止まらないだろう。すると数名のスクールらしき少年団がビビリながらこの斜面を降りようとしている。ううん、ありゃあやめたがいいなあ。だいいち、岩のカベにはマットも何も無いから、激突したらヘルメットがあっても、木っ端微塵だぞオイ。するととうとう痺れを切らした教師が板をはずさせて、滑り台のようにまっすぐ滑るように指示した。そして本当に下までス〜ッと止まらずに滑っていくのだ。おお、こりゃあ面白そうだ、私もやろうかな。本当は直滑降でもやりたいくらいだが、ケガしてはいけないのでやめておくか。
 そうしてここを数本滑っていると、昼に分かれたはずの仲間と合流した。上部の谷間はガスりまくりで、滑りもしないで引き返してきたとか。うううむ。でも私は希代の晴れ男だから、私が行けば晴れるんじゃあ・・・という根拠も脈絡もない確信をもってあの2本目のロープウェイに向かった。せめて、どんな様子かが分かるくらいに晴れてくれればいいかなあ。あと、写真を撮れるくらいに。あ、対岸も見えるとうれしいが・・・。
 実際に登ってみたら、ガスりまくりといいつつ、空に切れ目があり、コースも方向によっては見えたりもする。おお、これくらいならレポートにUPする写真として耐えられるだろう。リフトを見失わないよう、恐る恐る滑る。そしてリフトに乗っていたら・・・妙に周囲の岩山が見え出した。もしやと思って振り返ったら、スッコンと見えるではないか。急に視界が広がり、いきなり対岸まで見えるということは、このガスはトファーナ上部だけに滞留していたからだろう。いや、まるで歓迎されているかのようで狂喜してしまった。
 それにしても岩山の雪のたまる部分に強引にリフトを架けるところは、グリンデルワルトのフィルストによく似ている。しかもガスをきらって客がほとんどいないので、私のための貸切みたいだ。こんなゼイタク、どこかでバチがあたりそうだが、これも日頃の徳積みのおかげに違いない。とりあえず稼動しているすべてのリフトに乗った。本当はここからオリンピックコース側に降りるガケのようなコースに行ってみたかったのだが、周囲に全く人がいない単独行動で、日も暮れかかっているので、万一ケガしたらまずいので、ロープウェイを乗り継いで下山することにした。
 一番下の駅では同じ班だった仲間と合流し、スキーブーツのまま徒歩でホテルまで帰った。本当は滑り降りることができたらしい。途中にはボブスレーのW杯コースも見えるという。うわ、残念だ。あなたが行くときは見逃さないで・・・。
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イタリア トラック クローダ ダ ラーゴ
工事用のトラック。
パッと見てびっくりした
バス停あたりから。ベッコ・ディ・メッツオ(左)
とクローダ・ダ・ラーゴ(右)
トファーナ トファーナ
いいコースだ。
雪質も人工雪と思えない 
自動車道がコースを
横切っているんですねえ
リフト 日産
天然雪だけだとこうなるみたいだ ニッサンの広告、多かったなあ
REPLAY ベルトコンベア
「もう一度やれ」というリフトか、でも英語だなと
思ったら、ジーンズのブランド広告でした
ローディングカーペット、多かったです
もっこり 月世界
リフトに乗っていたら、いきなり
チンクエトーリが現れた
対岸にアベラウ山群を見る
巨岩 山小屋
チンクエトーリ(左)とアベラウ(右)。
その間にスキーコースがあるのに注意だ
ヌボラウ山頂の山小屋だ
(望遠レンズ)
マルモラーダ 氷河 降雪機
マルモラーダは「ドロミテの女王」の名に
ふさわしい。でもあの氷河もスキー場なのだ
これがアーム付きの人工降雪機だ
コルチナ クリスタッロ
左へ行くとあの急斜面があるんだけどな 左がクリスタッロ、右がファローリア
トファーナ コルチナ
とにかくこんな斜面が多い 最下部で。
教会の尖塔が写真の真ん中下のほうに見える 

リフト バンビーノ
トファーナの本領発揮、という景色だ バンビーノという単語しかわからんぞ。
できるだけ均等に乗ってくれ、ということか。
 
岩山 ソラピス
岩山が近づいてくるように見えるのがいい 道路脇のダラダラ坂だが、
ソラピスが大入道のように見えるので面白い
クリスタッロ コルチナ
すばらしい景色だ コルチナダンペッツォに向かって。
テラス テラス
クリスタッロを見ながら食事だ ソラピスを見ながら
五輪コース 雲海
単独行動であの急斜面へ こちらは上部の谷間。
だいぶ晴れてきたところだ
リフト リフト
こんなところ、コースにするかね 客がいないなあ
ゼブラ ロープウェイ
この岩みたいな模様の動物、見たことない? ロープウェイ内のなぞの物体。
重心を安定させるおもりかな?
ファローリア スケート会場
コルチナダンペッツォの町を見下ろす。
正面のスキー場がファローリアさ
オリンピックのスケート会場らしい
毛皮 ハムステーキ
今日の町での1枚。
毛皮は高級なんだけど、このマネキンで買う気になるかねえ
本日のメインは怪しいステーキでした
   
【ギャラリー】 
 
tofana cortina
◆アベラウ山群
 対岸、右から、クレーターみたいなのがアベラウ(Averau:2649m)、その手前の岩の並びがチンクエトーリ(CinqueTorri:2225m)、やや左の山(山頂にかすかに山小屋が見える)がヌボラウ(Nuvolau:2574m)、その左のガケのある山が名前が探してもよくわからない。お気に入りの一枚だ。
 
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◆ソラピス(Sorapis:3205m)とアンテラオ(Antelao:3168m)
 威風堂々とした山だ。この2つを見ながら滑るとなんだか怒られているような気がする。
 
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◆ファローリアを見ながら
 ソラピス山塊の中腹にあるファローリアとコルチナダンペッツォの町を見ながら。ファローリアが山の高い場所に広がるやや平坦な位置にあることが分かる。
 吹雪時の遭難防止のサインが並ぶように人工降雪機が並んでいる。ある意味、コルチナスキーを代表する1枚だ。
 
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◆トファーナの岩山とオリンピックコース
 トファーナらしい風景だ。左の方に五輪と女子ワールドカップコースが広がる。
 
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◆五輪コースの急斜面
 これが巨岩にはさまれたあの急斜面を上から見たところ。固く圧雪しているので、転んだら下まで止まらない。それよりも右の岩に激突しないことだ。
 
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◆トファーナ(Tofana:3243m)上部のコース
 まったく、こんな急斜面だろうがかまわずリフト架けちゃうんだから。ずっと上に(冬期は運休かな?)ロープウェイのロープが見える。これがトファーナ山頂行きのロープウェイで、上にはレストランもあるらしい。
 
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◆RA VALLES と呼ばれるトファーナ上部の谷間
 上部の雪溜りがスキー場になっているのが分かる。うっかりコースをはずして変な方向に行ったら大変だ。
 
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◆RA VALLES の巨岩
 
TIP
 文中にも書いたが、海外スキーでの自由行動は、慎重にいこう。自力でもホテルに帰れるのか、チャーターバスの都合で集団行動が絶対なのか。また、事故を起こしたら迷惑が倍増するので、あらゆるリスクを考えて行動しよう。
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コルチナの概要    (タウンガイド) 
スキー日記:1日目  ファローリア、クリスタッロ
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スキー日記:4日目  セラロンダ
スキー日記:5日目  アルタ・プステリア
スキー日記:6日目  チンクエトーリ

 

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