ロンダ、ロンダ、セラロンダ♪ | |||||||||||||||||
セラロンダとは「セラ一周」という意味で、セラという巨大な山塊を1日かけてぐるりと回るツアーのことだ。下の3つの地図の一番下のものを見てほしい。セラ山塊を取り巻くように黄色い塗りつぶしの4つのスキー場名があるが、セラロンダとはこれを渡り歩くように滑ることを指しているのであって、スキー場の名前ではない。 コルチナダンペッツォからアクセスする場合は3番目の地図の右下のアラッバからアクセスする場合が多い。昨日のアルタバディアだと、ゴンドラに乗って一山越えないとコルバラに出ないので、難儀するだろう。 一周はおおよそ40kmで、滑走は25km程度、ゴンドラとリフトは13〜15本くらいで15km程度。このリフトに乗る時間だけで100分はあるという。まあ山手線1周が35kmくらいだから、それなりの規模だということが分かるだろう。時計回りと反時計回りがあり、地図では時計回りはオレンジ色、反時計回りは緑色で描かれており、スキー場内の看板もこの色を使っている。最も難しい斜面を滑るのを避けることを考えれば、時計回りの方がやさしいという。とりあえず時計回りで行くことになった。ガイドによれば、やろうと思えば、リフトがすいていて朝イチから滑り出し、ランチはゴンドラの中でとるなどすれば1日に2回転するのはギリギリ可能らしいが、せっかくイタリアまで来てそんな滑り方をしても誰も誉めないだろう。 |
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ドロミテ地方、コルチナ周辺地図(米国Yahoo!を加工) | |||||||||||||||||
◆セラ山群周辺スキー場の地図◆ (パンフをスキャンして加工) 上の地図から、さらにセラ山群を大きくした地図 |
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◆セラロンダの地図◆ (パンフを縮小分割スキャンして合成加工) 上の地図から、さらにセラロンダのコースを大きくした地図 今回は右下のアラッバがスタート/ゴール。赤い線が時計回り、緑が逆時計回り |
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セラロンダの地図では、アラッバから2本のリフトで「アラッバ・マルモラーダスキー場」に登ることになるが、たとえ行列に並んでも、1本のロープウェイで行くことになった。 アラッバをスタートとする利点は、滑り始めの良さではないだろうか。いきなり目の前にマルモラーダの氷河が広がり、ちょっとした感動だ。初日のクリスタッロからずっと見えていたマルモラーダだが、やはり手に取るように近くから見ると氷河の美しさが格別だ。もう、今日はこれでいいや、と思えてくるほどだ。そしてここからセラ山群に向かって延々と滑るのだが、これもまた地球離れした景色でよろしい。この方角から見るセラ山群はきれいに2層のケーキのようになっていて、これもまあよく自然にこんな岩山が形成されるものだと関心してしまう。「実は、これは客ウケを狙って観光用に人間が岩山を削って作ったのです」と言われても信じてしまうほどの外観だ。 短いリフトはあちこちのバーンを滑り回りやすいようにごちゃごちゃ架けられているが、気に入った場所を重点的に滑るのにいいだろう。しかしひたすらセラロンダに専念するならば、セラロンダ専用のサインがあるリフトだけに乗ればいい。距離もゴンドラのように長く、滑走距離も長めだ。地図を見ても、このセラロンダ用のリフトが大動脈となっているのがはっきりしていて分かりやすい。我々一行はこのリフトを重点的に乗っているわけだが、セラ山塊に登るリフト、乗りたかったなあ。 ボルドイ峠を越えると遠くに巨大な岩山がモコモコしているのが見える。これがサッソルンゴだ。セラ峠に来るころには3つの岩山がこちら側にのしかかってくるように見える。なかなか面白いものだ。急峻な岩山には雪がほとんど付いていないので、これがまた迫力だ。サッソルンゴ近辺はリフト1本分を追加で滑り、昼食となった。 ここのレストラン、ガイドが薦めるだけあって味がいい。スパゲティは日本で食べているかのようだし、サラダなんか十分に食事になるような内容だ。そしてティラミスが馬鹿でかい。1日じゅう滑っているのに栄養過多になりそうだが、本場イタリアのティラミスを試さない手はないだろう。 アラッバから見てセラロンダほぼ半周すると、物理的には「帰る」ということになるのだが、心理的にはグイグイと奥に引き込まれるようだ。セラ山群は見る方向でまるで違うので、回っているというよりもスキー場を渡り歩いているという感じだ。それは山中を滑っていたかと思うと町に出たり、でもいつのまにか山奥深く入っていたり、さらには反時計回りの人とすれ違うリフトに乗ったりすることによって、自分が複数のスキー場を滑っていることが実感できるからだ。もしも日本でやるなら、越後湯沢あたりで途中連絡バスも入れて魚津川沿いにぐるりと回るとか、いっそのこと御岳山の西斜面も開発しておんたけロンダなんてのをつくるとか。ううむ、でも日本ではこじんまりとまとまってしまうんだろうなあ。 ガルデナ峠を越えてコルフォスコの町を通過し、コルバラに出る。ここは閑静なリゾート地であり、昨日滑ったアルタバディアに組み込まれている。滑ったのは対岸の山だ。 カンポロンゴ峠に来るころには空がやや暗くなり遠くがガスってきた。Tバーなども利用して、最後に急斜面を滑り、アラッバに戻ってきた。他の班を待つためにここでエスプレッソを飲んで休憩。 ちなみに、ドロミテにはセラロンダ以外に、グランデ・グエッラというツアールートがある。グランデ・グエッラとは第一次世界大戦のことで、対戦時にオーストリア軍とイタリア軍が対峙したあたりで、戦場が点在しているところを中心に滑るものだが、リフトなどが整備されてツアーコースになったのは2000年ごろからだという。場所はセラロンダの近くで、時計回りと反時計回りがあり、距離はセラロンダよりも長いが、マルモラーダ氷河を滑降したりと変化に富み、人気が出つつある。今後も開発されていくとのことだが、このような努力もドロミテにリピーターが多い理由かもしれない。 |
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ロープウェイ駅へのわずかな登りにも スロープコンベアがある。さすがだ |
ベンツが雪に埋もれておるぞ | ||||||||||||||||
玉のつり革、香港の地下鉄でも見たなあ | 昨日のアルタバディアが見える | ||||||||||||||||
さて、あなたはどちら回りで | シャモニのダン・ドゥ・ジェアン みたいな岩山だ |
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このコースを滑るのは反時計回りの セラロンダだが、リフトを1本余計に乗ればいい |
車道は橋を架けて滑って渡るのだ | ||||||||||||||||
赤が時計回り、緑が反時計回りのコースだ | 遠くにサッソルンゴが見えはじめた | ||||||||||||||||
2層ケーキの近くへ | おや、ここにはゴンドラが | ||||||||||||||||
出ました、アーム式の 人工降雪機だ |
道路の下を潜る。 左側通行だ |
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町が見えてきたぞ | 子供は両端にいた方が バランスをとりやすい |
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サッソルンゴに向かって! | ここがランチをとった レストランだ |
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パスタは日本で食べているみたいだ | これがティラミス。撮影角度によって ちょっと小さく見えるが、でかいぞ |
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セラロンダも後半だ | セラ山群も見る角度で かなり表情が変わる |
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山奥にはまっていくような コースが続く |
こんなのに乗っている人が いた。ドイツから来たおじさんだ |
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お、町が見えてきたぞ | 赤や黄色のカラフルなゴンドラだ | ||||||||||||||||
コルフォスコの町に来たぞ | 移動リフトはすれ違うのが楽しい | ||||||||||||||||
なんじゃこりゃ | Jバーダブルだ | ||||||||||||||||
もうすぐ終わるぞ | ゴールはスタートのアラッバだ | ||||||||||||||||
この木造の家がコーヒー屋だ | ポーズをとるおにいさん。 ごちそうさまでした! |
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イタリアに来たらエスプレッソだ | 写真を撮るの、親に許可はもらったが、 子供は不服なようだ |
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今日のディナーのスープ | ハーブの鶏肉、おいしかったです | ||||||||||||||||
【ギャラリー】 | |||||||||||||||||
◆マルモラーダ 「ドロミテの女王」の異名を持つ、ドロミテでは数少ない氷河を育む山だ。写真にある上部の左側にはリフトが架かっていて、その氷河はスキーコースとなっている。セラロンダのスタートにふさわしい感動がある。 |
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◆ボルドイ峠付近の斜面 他のドロミテのスキー場と比べると、比較的快適で上品な中斜面が多い印象があるし、そういう場所を滑っていたと思う。それはきっと山の中腹をぐるりと回っているためであり、1日で1周するためには山の上から下に向かって滑るコースに立ち寄っていられなかったからだろう。写真もそんなコースで、反時計回りの人が滑るコースだ |
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◆サッソルンゴ(中央)とセラ山群(右) ボルドイ峠を越えるとサッソルンゴが見え出す。峠を越えるたびに息を呑む景色が迎えてくれる |
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◆セラ山群を見ながら 景色とは、広々とした尾根や山頂だけではなく、狭い山道のような場所でも楽しむことができる場合がある。 2層になったセラ山群をずっと見ながらゆったり滑るのも面白い |
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◆サッソルンゴ(Sasso Lungo) なぜこんな岩山ができるのか、不思議だ。この周囲にはリフトが多く、それぞれの角度から見て楽しむのもいいだろう |
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◆ガルデナ峠付近 ここからのセラ山群はスタート地点とかなり異なる。この写真は途中で振り返った撮影したもの。 ときどき、振り返ってみるといい。岩山は見る角度で表情が大きく変わるから、2倍楽しめるだろう |
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◆アラッバ付近 今回のセラロンダのゴール近くで。振り返ると、妙義山のようなギザギザの岩山が見送ってくれているようだ。刃こぼれしたノコギリみたいだが、見るものを楽しませてくれる。最後までおいしくいただこう |
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イタリアでは、「コーヒー」というとエスプレッソが出てくるから注意だ。日本でいう普通のコーヒーが飲みたかったら、「カフェ・アメリカーノ」と注文すること。ただし出てくるのはエスプレッソを薄めただけのようなコーヒーなので覚悟だ。 | |||||||||||||||||
コルチナの概要 (タウンガイド) | |
スキー日記:1日目 ファローリア、クリスタッロ | |
スキー日記:2日目 トファーナ | |
スキー日記:3日目 アルタバディア | |
スキー日記:4日目 セラロンダ | |
スキー日記:5日目 アルタ・プステリア | |
スキー日記:6日目 チンクエトーリ |