オーストリアか、イタリアか | |||||||||||||||||||||||||
ここまで行った場所の内容や今後の状況を考えて、ガイドは「最終日はアルタ・プステリア」という場所に決めた。これはオーストリア国境の近くであり、第一次世界大戦の前後ではオーストリア領になったりイタリア領になったりという因縁の地のスキー場だ。そのためドビアッコの町あたりから看板はドイツ語標記の方が上に書かれ、レストランの味付けもドイツ風だという。景色もいままでのスキー場とはちょっと違ったものだという。ううむ、楽しみではないか。 今までで最も長いバス時間だが、景色がいいのであまり退屈しない。下の地図で、コルチナダンペッツォの町からSS51の道路を北上し、ドビアッコ経由でスキー場に向かう。途中、ミズリーナ湖分岐を通過するときに、ガイドが分岐のルートのずっと向こうにトレッチーメ(ドイツ語:ドライチンネン)が見えるというので見たら自然の造形物とは思えない奇妙な岩山が見えた。おお、帰りにはもっとゆっくり走ってもらって、写真を撮りたいなあ。 やがてドビアッコに入るとドイツ語標記が目立ち始める。なんだか国境を越えたみたいでワクワクだ。今日は午前はモンテ・エルモ、午後はクローダ・ロッサという2つのスキー場を滑る。 |
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ドロミテ地方、コルチナ周辺地図(米国Yahoo!を加工) | |||||||||||||||||||||||||
◆アルタ・プステリアの地図◆ (パンフをスキャンして加工。 実際のアルタ・プステリアにはこの地図の右側にも一山分のスキー場がある) |
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モンテエルモのロープウェイで八合目へ。例によって、例によるのだが、下の乗り場では想像もつかなかったような景色が広がっていた。すぐ目の前にTRE SCARPERI(3152m)が三角形になってとんがっていて、これが目印にいい。そして広いなだらかな山全体が大きな尾根になっていて、コース幅もあるし、実に開放感がある。視線の先にはまっすぐ谷間がのびていて、その先にオーストリア国境の山が連なっている。山はいままでのドロミテの岩山とは異なり、雪を頂いているのでいかにもドロミテ山群の端にいるという感じだ。 さて、上部を滑り始める。コースは幅が広く、ほとんど木がなくて、巨大な尾根コースになっていて左右の見晴らしがいい。なかなか爽快だ。ところがゴンドラコースに入ると、様子が変わる。林間の急斜面になり、あのアルタバディアのようなW杯コースになっているのだ。このコースをカービングの板をめいっぱい使って滑る。外足荷重とか言わずに両足で踏ん張れるカービングの板だからこそガンガンいけるのであって、日本のように両足をとじてエレガントに滑っていたら、ヒザは大笑いするだろう。それにしても滑り応えがあるなあ。日本の八方や妙高のようなコースがもっと長くて斜度がより強めで、すいていて景色も良い、という感じだ。コルチナは全般的にヨーロッパアルプスとしては距離が短めだから、ここは滑り屋さんにはオススメだ。 山頂近くのレストランでランチを取り、上部をもう一度滑ってからセストの街へこれまた長いコースを滑り降りる。なかなかよろしい。そしてバスで数分の距離にあるクローダ・ロッサへ。ここはゴンドラを降りたところに巨大な雪だるまの集団の像がある。またゴンドラ脇にはそりのコースがあり、そりを楽しむ人も多い。再びゴンドラコースを滑り降りるが、モンテエルモと同じく、急なロングコースが続く。相当な距離だ。2本滑ったところでお疲れ組はお茶の時間になったが、私は上部を滑ることにした。ゴンドラに乗ったら、ドイツから来たという母子と会った。二人とも英語がうまい。娘はハンナという。母は・・・忘れた。親父は家において、そり遊びに来たらしい。ハンナは日本のことをよく知っていた。日本語でハナといえば、花(flower)を意味すると言ったら喜んでいたが、まさか鼻(nose)とは言えんわな。 最後の1本を滑ったあと、帰途につく。同じ道を帰るわけだが、来るときにドライチンネンが見えた場所でスピードを落としてくれとガイドに頼んだら、ドライバーが停車してくれて、写真大会となった。実におもしろい岩山だ。するとそんなに写真が好きか、ということでドライバーが分岐を曲がって、ミズリーナ湖に向かってくれた。来るときに通ったSS51の方がコルチナダンペッツォの街には近いのだが、大した差ではない。これは実に価値のあるより道だった。「ドロミテの真珠」と呼ばれるミズリーナ湖は凍結していて、近日、ここで氷上のポロ大会が行われるという。美しく、静かでどこかホッとする、いい所だ。四角いと思っていたドライチンネンがこちらから見るとピラミッドのように見える。この対比はぜひ見ておくべきだ。ちなみにこのより道が好評だったので、以降、このF社のアルタプステリアへの遠足では、帰りにミズリーナ湖に寄るのが定番になったそうだ。今回のガイドのKさん、Nさんはとても若いが非常に気の使い方がうまく、知識も豊富で礼儀正しいガイドであった(あのツェルマットの、客に暴言を吐くCの弟子とは思えん)。スキーをしない人でも訪れるほどの観光地でもあるのだから、満足度を高めるためにもいろいろ努力していただきたい。 さて、明日はスキー最終日で、ガイド無しだ。こういうときはチンクエトーリが定番だが、アルメンタローラの馬車に引かれるスキーもやってみたいなあ。さてさて・・・。 |
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ん?竹内?TAKEUCHI?ホテルの前で | モンテエルモのロープウェイ駅前より クローダ・ロッサ |
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ちょっとかわいいスノーマシンだ | おい、尻がやぶれておるぞ! | ||||||||||||||||||||||||
景色がドロミテとちょっと違う | 圧雪もいいぞ | ||||||||||||||||||||||||
強力な圧雪斜面がずっと続く | コースを振り返って | ||||||||||||||||||||||||
岩山も赤味が少なく、 ちょっとドロミテと違う |
いい感じだ | ||||||||||||||||||||||||
スクールの先生だ | 実に快適だ | ||||||||||||||||||||||||
斜度は強いぞ | レストラン内部 | ||||||||||||||||||||||||
RINDS 4.5 サラダ 3.6 トラオベンザフト(ぶどうジュース)1.7 ティラミス1.5 合計11.3 |
肉団子はおいしいが、あまり腹のたしにならん | ||||||||||||||||||||||||
ティラミスは定番でしょう! | 景色がまたいいのだ | ||||||||||||||||||||||||
男子トイレの標識、どこかおしゃれ | 円形テラスもあったぞ | ||||||||||||||||||||||||
ドイツから来たお兄さん、 なかなか面白い人でした |
スキーヤーを守るのか、小屋を守るのか・・・ | ||||||||||||||||||||||||
対岸のスキー場、牛小屋が点在していたぞ | これが名物の雪だるま像で、 毎年作られているようだ |
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クローダロッサのゴンドラコースだ | ドイツの母子。右がハンナちゃんだ | ||||||||||||||||||||||||
そりコースのスタート地点だ | 赤ちゃんもか!! | ||||||||||||||||||||||||
こんなコースばっか | 飛ばしすぎに注意 |
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デンマークからですか? いえ、イタリアです |
大人気だ | ||||||||||||||||||||||||
トナカイがいたぞ! | オーストリア方面になぜか尖がった山が あって、気になりました |
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カーニバルは2月ごろの行事だ。 カメラを向けたら、ポーズをとってくれた |
あちこちで写真を撮っていた | ||||||||||||||||||||||||
森の精らしいが・・・ | 楽しそうだ | ||||||||||||||||||||||||
本日の前菜。 | 野菜も熱を通すのが好きだねえ | ||||||||||||||||||||||||
【ギャラリー】 | |||||||||||||||||||||||||
◆モンテ・エルモ上部 広大な尾根で、景色がいい。右はほぼオーストリア国境。 |
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◆モンテエルモの斜面 広い尾根の遠くに街が見えるが、その手前に長い急斜面がある。今までのドロミテとかなり違うことが分かる。 |
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◆モンテ・エルモの急斜面 迂回コースをとらないと、この急斜面に入る。雪質はいいし圧雪もされてはいるが、とにかく斜度は強い。日本だったら、あっというまにコブコブのはずだ |
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◆クローダ・ロッサの急斜面 ここもストレートな急斜面が多い。しかしストレートなコースは遠方の景色もいいものだ。 |
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カーニバルはベネツィアのものも有名で、マスクをして行うことで知られ、観光に来る人も多い。こういうイベントと組み合わせてスキーに来るのもいいだろう。 | |||||||||||||||||||||||||
コルチナの概要 (タウンガイド) | |
スキー日記:1日目 ファローリア、クリスタッロ | |
スキー日記:2日目 トファーナ | |
スキー日記:3日目 アルタバディア | |
スキー日記:4日目 セラロンダ | |
スキー日記:5日目 アルタ・プステリア | |
スキー日記:6日目 チンクエトーリ |