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コルチナ・スキー日記:6日目

ラガッツオーイ、チンクエトーリ

  馬にゆられて
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ラガッツオーイ   
パッソ・ファルツァレーゴとあるバスに乗る。
それでも念のため、ドライバーに確認しよう
 ガイド付きのスキー滑走は昨日でおしまい。今日は自由行動の日だ。一般的に、こういうときは
(1)コルチナの街の観光をおみやげ購入を兼ねてのんびりする(2)ベネツィアへ観光遠征する(3)今まで行った気に入ったスキー場にもう一度行く(4)自由行動の定番、チンクエトーリ
以上、4通りがポピュラーだ。(1)は雨天の時などはいいだろうが、コルチナダンペッツォは比較的小さな町なので時間が余るかもしれない。(2)のような行動は私は去年のグリンデルワルトでベルン観光などをしたような感じだ。もっともベルンでは鉄道がしっかりしていて現地情報も十分であったからいいが、普通はバスと現地観光ガイドがないと迷うし、面白くないだろう。直通の電車があれば違うのだが。(3)は私も狙っていた。クリスタッロのあの鬼のような圧雪急斜面を滑ってみたかったのだが。しかし、このサイトの管理人としては少しでも目新しいスキー場にいってみたいものだ。
 ただし、他のスキー場とかセラロンダの逆回りとかやりに行くなら、どうしてもチャーターバスが欲しい。地元路線バスの乗り継ぎでは、本数が少ないし時刻表にはいいかげんだから、現地ガイドでさえドキドキするという。じゃあどうすんだというと、定番なのがチンクエトーリだ。
 ここはコルチナダンペッツォの街からファルツァレーゴ峠までの頻繁にバスが出ており、また帰りも滑りながらチンクエトーリに降りてくれば、その路線バスで帰ってくることもできるのだ。路線バスでお金がかからず、難度も高くなく、景色もよく、分かりやすい、という自由行動にうってつけのスキー場といえる。
 しかし私には重大な忘れ物があった。3日目のアルタバディアは、もし強風でロープウェイが止まっていなかったら、ファルツァレーゴ峠からロープウェイでラガッツオーイに上り、そこから山の裏を抜けてアルメンタローラまで大滑走をしてからアルタバディアに入るはずだった。このときアルメンタローラに入る直前、馬車の後ろいくくりつけられたロープに引かれて数キロ滑るらしい。いままでいろんなリフトに乗ったが、馬の動力で引かれたことはない。ううむ、これは200 SNOW REPORTS管理人として、是が非でも経験してみたいものよ。そうしたら、アルメンタローラからパッソファルツァレーゴまで乗り合いタクシーがあって、それで戻ることができるという。時間的にも大丈夫そうだ。よし、これにするか!
◆ラガッツオーイ、チンクエトーリの地図
(パンフをスキャンして加工)
ラガッツオーイ 地図
ラガッツオーイ
ラガッツオーイの滑り出し
すばらしい斜面だが先のほうに分岐がある。
ラガッツオーイ
左に折れてアルメンタローラへ。
こんな景色の中で滑ったことはない
アルメンタローラの馬車
いよいよ馬車にひかれていくぞ
ラガッツオーイ 大砲
ロープウェイのチケット売場の前だ
ラガッツオーイ ヴァルパローラ
ロープウェイ駅前からヴァルパローラ
(Valparola)はこの先の峠の名前にもなっている
ラガッツオーイ
ロープウェイ駅前から
ラガッツオーイへ登るロープウェイを見上げる
チンクエトーリ
チョコンとしてかわいいチンクエトーリ
には、ひなたぼっこがよく似合う

 バスは、コルチナダンペッツォの街にある旧駅舎、AUTOSTAZIONEから出ている。ここまではホテル前から出ている循環バスで行くことができる。駅に着いたら切符を買い、PASSO FALZAREGO行きのバスに乗る。朝方は、駅舎発で8:45、9:00、9:15、9:30、9:50がある。チンクエトーリ駅には25分後に到着するが、終点のPASSO FALZAREGOにはさらに7分後の到着となる。まあ、迷うことはないだろう。
 今日はいい天気でロープウェイもばっちりだ。そのロープウェイ駅舎で目に付くのが第一次世界大戦で実際に使用された大砲だ。これは大戦での戦場になったという記念碑という意味もあるらしい。ガイドによると、ロープウェイに乗っていてぜひ注意して見て欲しいのが断崖にある弾丸の痕だ。イタリア兵が岩場に身を隠して、峠を通過するオーストリア兵を狙撃したもので、撃ち合いがよくあったという。
 ロープウェイは比較的すいていた。弾丸の痕は見えなかったが、すごい角度で登っていくので、巨大な岩山がグングン近づいてくるようで迫力がある。
 ラガッツオーイの展望台の風景は初めてコルチナに来た人には息を呑むものだろう。私にはトファーナやアルタバディアで十分見慣れた景色になってしまったが、それでも結構楽しめるものだ。9:40に滑り出す。
 ここで一つだけ絶対に間違えてはいけないことがある。50mも滑ると分岐があり、右に行くと山をぐるりと回ってロープウェイ駅、そしてアベラウ、チンクエトーリへ行くことになる。アルメンタローラへ行くのは左のコースだ。
 このコースは岩山の谷間、斜面を下るコースだが、なかなかいい。途中で山道のようにクネクネする場所もあるが、一山を一気に降りるのだから仕方ない。ちょっとしたツアー気分だ。相当なロングコースを滑り続け、途中レストランを通過すると・・・いたいた、いました、馬車が3台。ここからアルメンタローラまでは平坦なので、馬車に引いてもらうのだ。
 係のおじさんはスキーヤーがたまると綱引きに使うようなロープを取り出して、びろんと伸ばす。そして客がロープをつかむ位置を指定しつつ、料金を徴収するのだ(2ユーロぐらいだった気がする)。2頭の馬が1台の馬車を引くのだが、その1台には20人くらいのスキーヤーがつかまっている。大丈夫かなあ。
 さて、合図と同時に馬が動き出し、ロープがピンと張られる。おお、これがホースリフトか!。なかなかいいではないか!。なんだかとてもHappyな気分だ。あっという間の1.5kmだった。
 さて、馬車を降りたところにあるホテル脇に、リフト乗り場行きの小さな看板がある。これにしたがって小川沿いのコースを進み橋を渡るとアルタバディアスキー場だ。ホテルアルメンタローラへの看板にしたがって行くと黒い外観のホテルが現れる。その道路沿いのところにパッソ・ファルツァレーゴ行きの乗り合いタクシー(10〜20人乗りくらいが多い)の乗り場だ。ただし、アルタバディア側から来た人がラガッツオーイに行くにはこのタクシーしかないので、混雑この上ない。11:15にやっと乗れた。11:30にはファルツァレーゴの峠に到着した。
 すばらしいコースだったが、移動手段がこれではまいった。いっそのこと、得意の長距離ロープウェイでも架けたらどうだろうか。
再びロープウェイに乗って11:45にラガッツオーイへ。太陽の位置のせいか、朝方見たときとちょっと景色が変わった気がするが、遠くの景色の写真撮影には昼の方がいいかもしれない。
 今回はあの分岐を右へ降りる。このコースはなかなか豪快だが、一気に滑らず、景色も楽しみたい。また、岸壁には弾丸の穴の痕が見える。忘れずに見ておきたいものだ。
 滑り降りると、道路を挟んでアベラウのスキー場に入る。ここはポールが張られていて、子供たちがレースの練習をしていた。この圧倒的な景色を見ながら練習しているから、世界レベルの選手に育つんじゃないかという気がしてきた。このアベラウスキー場はJバーを使ってぜひ奥の方まで見て欲しい。ここから見るトファーナ・ディ・ロゼスは大入道のようで威圧的だ。
 アベラウからチンクエトーリまではつながっている。ここののんびりコースも景色がいい。クワッドに乗ってチンクエトーリへ。13:30にやっとチンクエトーリとご対面となった。このあたりは日なたぼっこをしている人も多く、なかなかイタリアンな感じだ。岩の目の前のレストランにはパンダみたいなウサギがいた。あとでガイドに聞いたところによると、人気者らしい。このレストランでランチにしたが、なかなかうまかった。パスタは連日で食べても飽きないのでいい。また、このチンクエトーリは他のスキー場ともつながりがよく、コルチナダンペッツォ行きのバスの停留所があるので、ここを最後とする人が多いようだ。ばらばらに行動していたツアーの人たちもなぜか集まっていた。とりあえず山の裏側のPasso Giauへ。チベッタがかっこよく見える。
 ファーナ・ディ・ロゼスを眼前に見ながら、バスの停留所まで降りてきた。
 今日はおみやげをいっぱい買うからこのあたりであがるか。それにしても景色が日本、北米、他のヨーロッパアルプスとも異なった面白さと迫力のあるドロミテスキーであった。
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コルチナダンペッツォ 駅舎 コルチナダンペッツォ バス停
旧駅舎。かつては鉄道が通っていたのだ チケット売場はなぜか日本語も
イタリア バス ラガッツオーイ
バスの内装もイタリアンだ ラガッツオイのロープウェイ。
頭をまっすぐ上に引っ張られるようだ
コルチナダンペッツォ ラガッツオーイ
ここからだとアンテラオがソラピスに隠れない この展望台、夏でも混雑するらしい
ラガッツオーイ ラガッツオーイ
愛機のロシの記念撮影 滑り出しは固めだが食いつきがいい
ラガッツオーイからトファーナ ラガッツオーイ
右はトファーナ山塊だ。右に曲がると
峠に戻るぞ
いい感じだ
ラガッツオーイ ラガッツオーイ
レストランもあるぞ 実に快適だ
ラガッツオーイ ラガッツオーイ
ホテルもあるぞ。
おや、カベになにか・・・
なんじゃいこれは
ラガッツオーイ アルメンタローラの馬車
遠くにセラ山群とアルタバディア
のスキー場が広がる
いたいた、いましたよん♪
サッソンガーがこっちを見ているぞ
アルメンタローラの馬車 馬車馬
こんな感じだ。馬車というか、
そりだ。
毛布をかぶせている
馬車馬 馬車
ほほ寄せ合って これはきっと、○○○だ
アルメンタローラの馬車 馬車
はいはい、タダ乗りはいかんよ 終点で。ロープをたぐり、引き返す
乗り合いタクシー マルモラーダ
こんなかんじの乗り合いタクシーで峠に戻る 再びラガッツオーイへ。
マルモラーダが見えるぞ
ロープウェイ ロープウェイ
このロープウェイ、ドアが真上に開くのだ そりゃあ!
ラガッツオーイ ラガッツオーイ
ラガッツオーイの展望台は板ばりだ トファーナ・ディ・ロゼスを見ながら
アベラウ ラガッツオイ 銃弾のあと
クレーターのようだった
アベラウがモヒカンのように見える
 
真ん中の縦3つは銃弾かな?
小さいのもたくさんあるぞ
ラガッツオイ マルモラーダ ラガッツオイ アベラウ
マルモラーダを見ながら アベラウのスキー場。いい景色だ
アベラウ アベラウ
道路を渡って、アベラウだ 右半分はポールコースだ
(ものすごくまぶしくて補正しきれません)
アベラウ アベラウからトファーナ
ポールコースを上から トファーナ・ディ・ロゼスは見下ろしているようだ
アベラウ グランデ・グエッラ
ヴァルパローラを見ながら。
なんか急斜面に見えませんか?
グランデ・グエッラの一環でもあるせいか、
案内板は軍服だ
ヴァルパローラ チンクエトーリへ
しかし、見ていると首が痛くなりそうな山だ チンクエトーリへの連絡路。
おお、今行くぞ
ウサギ パンダウサギ
人気者のウサギだ。パンダみたいだ もう1枚!
スパゲッティ ティラミス
本当、おいしいです ティラミスうまい。イタリアスキーは太るぞ!!
スキーロープ チベッタ
ロープじゃなくてワイヤだけど、つかみやすいよう、
ビロード生地みたいなのが織り込まれている 
チベッタが見えるぞ
チンクエトーリ チンクエトーリ
チンクエトーリから裏側に下りるコース リフトの風景も本当、楽しい
ロープトウ コルチナダンペッツォ 循環バス
なかよく行こう。なお、子供にヘルメットは義務付けられている コルチナへ帰る循環バスだ
そり コルチナダンペッツォ カーニバル
そりも売っていたぞ ベネチアのカーニバルはマスクで有名だが、その影響かな
焼き魚 イタリア
驚いたのがこの焼き魚。しょうゆが用意されていたぞ
   
【ギャラリー】 
 
コルチナダンペッツォ
◆朝のクローダ・ダ・ラーゴ
 谷間の町なので、自動車はまだライトをつけるくらい薄暗いのに、東側からの光を受けた西側の山々は光っていた
 
 
バルパローラ ヴァルパローラ
◆ヴァルパローラ
 三角定規みたいな山だ。国旗と並べて撮影すると、どこか凛としている。ハンサムな山ともいえる
 
 
ラガッツオーイ
◆ラガッツオーイの断崖
 銃弾の痕が多いという断崖をロープウェイが登る
 
トファーナ
◆アベラウの奥からトファーナ・ディ・ロゼス
 アベラウの最高地点からのコースは幻想的だ。特にトファーナ・ディ・ロゼスは対岸を威嚇しながら見下ろす、大入道のように見える。また、写真の左端には、ラガッツオーイからぐるりと回って峠に下りるコースが見える
  
 
チンクエトーリ
◆チンクエトーリ
 現地では5TORRI と表記される場合が多い。迫力の断崖絶壁が多いドロミテにあって、どこか愛嬌のある奇岩だ
  
トファーナ
◆チンクエトーリ上部からトファーナ・ディ・ロゼス
 アベラウの最高地点からとは全く異なる景観だ。荒々しく縦にスジをつけたド迫力の岩山だ。女子W杯コースなども見える
チンクエトーリ
◆チンクエトーリ裏側のPasso Giauへ行くコース
 Passo Giauへのコースはチベッタを見ながら、爽快なコースを滑ることができる。写真は、帰りのリフトの上で撮影した
TIP
 自由行動の日にどこに行くか。本当はマルモラーダやチベッタにも行きたかったが、ガイドがいなければ必然とここになるだろう。最終日は必ず余裕のある時間を考えること。ドキドキすることがあってはならない。
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コルチナの概要    (タウンガイド) 
スキー日記:1日目  ファローリア、クリスタッロ
スキー日記:2日目  トファーナ
スキー日記:3日目  アルタバディア
スキー日記:4日目  セラロンダ
スキー日記:5日目  アルタ・プステリア
btn-arrow スキー日記:6日目  チンクエトーリ

 

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