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コルチナ・スキー日記:3日目

アルタバディア

  スピード狂の山
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ラガッツオイ   
ファルツァレーゴ峠からラガッツォイを
見上げていたら、雪崩が発生した
ゴンドラ駅 カッシーノ
カッシーノからゴンドラに乗る
 さて、いよいよ本日はセラロンダの日だ。巨大なセラという岩山の山群を1日かけて一周するという、コルチナのメインイベントだ。今まで天気の不安定な日が多かったが、これからは晴れるらしい。それ行け!。ところがガイドから、沈痛な表情で連絡を受けた。「今日のセラロンダは中止です」なにい、天気いいじゃないの!。ところが、低気圧が通過した爪あとで、風が強くて、セラロンダのリフトが止まっているという。鎖のネックレスは輪が1ヶ所でも外れれば落としてしまうが、セラロンダも1ヶ所リフトが止まれば、中止になるのだ。他のスキー場みたいに、「今日は山頂部のエリアだけはダメ」というわけにはいかないのだ。
 ううむ、どうしよう。そこでガイドがこういうときのために用意しているのがアルタバディアだという。よし、なんでもいいからそこ行こう!。
 行きかたとしては昨日のトファーナの脇をすり抜けてファルツァレーゴ峠に上り、ここでロープウェイで標高2800mのラガッツォイに登る。そこから標高差1300m、延々とダウンヒルを下って、最後に平坦なところは馬車にロープで引っ張られて♪カッシーノの町に出る。そしてそこに広がるアルタバディアというスキー場を滑るのだ。チャーターバスに乗り、ウキウキしながら峠に向かった。ところがどっこい、ラガッツォイのロープウェイが強風で止まっていたのだ。ありゃ、ロングダウンヒルも馬車もダメか。まあ、これは最終日の自由行動でぜひ行かなくちゃ。バスはそのまま峠を下りて、カッシーノの町へ向かった。
      
◆スーパースキーの鳥瞰図より、コルチナダンペッツォ周辺◆ 
(パンフをスキャンして加工)
(図中の数字は、スーパースキー12ヶ所の通し番号で、クリスタッロ、ファローリア、トファーナ、チンクエトーリは
「コルチナダンペッツォ周辺」として1つで数えられています)
コルチナ 地図
  
◆アルタバディアの鳥瞰図より
(パンフをスキャンして加工)
(上の地図から、さらにアルタバディアを方角を変えて大きくした地図。
赤い矢印は地図に最初から入っていたもので、主要なリフトです)アルタバディア 地図
 
 
アルタバディア  
ゴンドラ駅を降りたところ
正面はセラ山群の一部
 
アルタバディア
CONTURINE(3077m)
どこか函館七飯の駒ケ岳に似ているなあ! 
サッソンガー
この岩山がサッソンガーだ
コルチナ ワールドカップコース
アルタバディアの高原から谷間に降りるコース
は非常に斜度が強い
スキー場 1本の木
のほほんとした感じの木だが、
こんなのもいいと思いませんか
アルタバディア
数少ないコブ斜面だが、コブは浅い
 カッシーノは小さな尖塔の教会がある静かな町だが、ここから山の上へずっと登っていったところがアルタバディアだ。もともとアルタ(Alta)とは、上の、高い、という意味があり、地名に付くと「高地」を指す場合が多い。そういえばソルトレイクシティにはずばり、「アルタ」というスキー場があった。
 カッシーノからPIZ SOREGAまでゴンドラに乗る。丸い形で縦長のゴンドラは野沢温泉にも似ているのがあるが、風に強そうだ。のほほんとしているとすぐに降車駅だが、ここで景色が一変する。上部は結構なだらかで広大であり、目の前には今日行くはずだったセラ山群がどどんと広がっていて、それを一周するセラロンダは実はこのアルタバディアも一部通過しているのだ。天気はいいし、行きたかったが仕方ない。写真を撮り、とりあえず軽くリフト1本滑り、そこからカッシーノへのゴンドラ下のコースを滑った。実に爽快だ。ただ、コースは直線的に作られているので、斜度は初心者には強いかもしれない。
 再びゴンドラで登ってくると、隣のPIZ LA VILLAに移ることになった。このあたりからはサッソンガーという岩山が迫力があっていい。また今日はセラロンダ中止組が集まっているのか、スキー客が多い気がする。飛ばしすぎて衝突したりしないよう注意だ。
 ランチはイタリアンレストランでピザやスパゲティやらを注文し、みんなでシェアして食べる。イタリアンは日本人の口によく合うのがいいし、ツアーにいたある高齢者には「毎年イタリアに来ているが、その最大の理由は食事がうまいから」という人もいた。たしかにスイス料理とかは昼夜で連日だとこたえるものだ。
 午後はLA VILLAのゴンドラコースへ。ここはスイスのアーデルボーデンとともに大回転専用コースがあることで有名だ。そのコース、実に斜度が強く、日本だったらあっという間にコブ斜面になるような斜度だが、それをきっちり圧雪してスピードに乗るコースとなっている。ちょっと滑ると、あったあった、丸太のスタート小屋ががコース脇にあるのだが、男子ジャイアントスラロームと看板がある。実際滑ってみると、後傾しやすい人だとつらそうな斜度だ。しかし眼下の町に向かって飛び込むように滑るのもまた気持ちいい。幅はそこそこなので、上を確認しながら、両足でエッジをきかせた高速のカービングターンがうまく決まる。そろそろたわみも弱くなった古いモデルなのだが、ヌケの良さなど久しぶりに性能が発揮された気がする。古いノーマル板よりもカービングの板がいかに優れているかが実感できるコースだ。それにしても総じてイタリアはこんなコースが多い。というか、とにかく圧雪してハイスピードで行こう、という姿勢がある。そういえば派手なモーグルは頭のキレた北米の選手が多くて、スピードを追求するアルペンはヨーロッパの選手が多い気がするのだが、国民性だけでなく、滑る環境も影響しているのかもしれない。
 それにしても今日は強い斜度のレースコースを何本も滑ったなあ。私は富良野くらいの斜度のロングコースで遠くを見ながら足をそろえ、縦長の回転弧でノンストップでゆらゆら滑るのが好きなのだが、ここは豪快な滑りができることに真価があり、それには脚力や体力が必要だろう。
 しばらく滑ったあとカッシーノの町に戻る。後日、自由日には馬車に乗ってここまで来よう。送迎バスに乗ってコルチナダンペッツォの町へ戻った。明日こそは、セラロンダだ!。
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アルタバディア ゴンドラ内部
カッシーノのゴンドラ駅は
見た感じはローカルっぽいが
ゴンドラ内、超広角で
アルタバディア アルタバディア
ゴンドラ駅舎無しのオープンな降車駅だ サッソンガーが見えるぞ
マルモラーダ アルタバディア
マルモラーダが遠くに見える 上部はなだらかで滑りやすいのだ
田舎のスキーウエア アルタバディア
こんな田舎ウェアが案外、
アルマーニだったりして
あの変な2つの塔は何なんだろう
ベンツ アルタバディア
なんと、メルセデス・ベンツの雪上車だ!  スキー場が連なる
アルタバディア アルタバディア
とにかく景色に映えるゴンドラだ ランチはここで
スキー場のピザ 本場 スパゲッティ
マピザ、サラダ、みんなうまいです スパゲティも日本で食べているみたいだった
アルタバディア アルタバディア
テーブルは小さかったなあ 晴れた日は外がいいなあ
アルタバディア アルタバディア
こんな鹿がいました サッソンガー君をアップで
アルタバディア アルタバディア ペアリフト
リフトのゲートにいろいろ情報を
書いておくの、いいなあ

ペアリフトでもローディングカーペットがあるぞ
アルタバディア ワールドカップ スタート小屋
いいコースだ 男子ジャイアントスラローム、スタート小屋
すべて英語で書かれている
アルタバディア アルタバディア
あの町に向かって! だいぶ降りてきたぞ
アルタバディア アルタバディア
小さな町にも教会がある さて、戻ろうかい
アルタバディア アルタバディア
スキー客がいても、大音響で
ガンガン圧雪しまくり。これがイタリアン 
遠くは晴れているが、
手前は谷間で日陰となる
コルチナダンペッツォ コルチナダンペッツォ
コルチナダンペッツォの町から、
夕焼けを見る
ロイヤルホテル前の馬
コルチナダンペッツォ コルチナダンペッツォ
いい感じだ 生協内で。子供をかごに乗せるのはいいらしい
ミネラルウォーター バッチチョコレート
ミネラルウォーター。
左がガス、右がノンガス
バッチチョコレートだ
パスタ オムレツ
前菜がパスタだ 本日のメインは怪しいオムレツでしたが、
ポテトとよくマッチしていた
   
【ギャラリー】 
 
アルタバディア
◆セラ山群(GRUPPO DEL SELLA)
 アルタバディアのすぐ向こうに広がるセラ山群。最高峰は左のPIZ BOE (3150m?3151m→観光局の作った地図の表と裏で標高が1m違うのはさすがイタリアだ)。このアルタバディアとセラ山群の間に大きな谷が広がり、そこにコルバラという町がある。セラロンダの時に通過する町だ。
 
サッソンガー
◆アルタバディアから望むサッソンガーンガー(SASSONGHER 2665m)
 絵になる尖った岩山、サッソンガーはアルタバディアからはコルバラ〜ラヴィラを結ぶ谷をはさんでそびえている。
 岩山は日本に多い木の生えた山と違い、見る方向でがらりと表情を変えてくれるのがいい。
 
サッソンガー
◆サッソンガーUP
 これでも谷間の向こうに位置しているが、この高さからだと威圧されているようだ。
 
マルモラーダ
◆マルモラーダ(3342m)
 「ドロミテの女王」の名にふさわしく、珍しく氷河を持つ。山頂付近の左側の広い部分は氷河スキーができる。
 実はこの写真を撮っている場所から途中の岩の連山を乗り越えて、あの氷河までリフトを乗り継いで行くことができるのだ。
 
アルタバディア
◆アルタバディアのコース
 高原部の圧雪は、「全部できやしないけど、とりあえず初心者用にやっておくね」という感じだ。
 レースコースと比べると大味な圧雪だが、このおかげで初心者でもアルタバディアの景観をお楽しみながら滑ることができる。
 
アルタバディア
◆ワールドカップコース
 男子ジャイアントスラロームのコース。圧雪は丁寧だが、人気のあるコースなので午後には荒れやすい。それでも20度後半から30度前半の強力な斜度(日本だったらすぐにコブ)が非常に長く続いているのがさすがイタリアだ。黄色いゴンドラがよく映える。
 
コルチナダンペッツォ
◆コルチナダンペッツォからクリスタッロの夕焼け
 谷間の町なので、対岸の山の夕焼けは山の上部だけを赤く染めて消える。赤っぽい岩山がまるで火山のように赤くなる一瞬だ。
 
コルチナダンペッツォ
◆コルチナダンペッツォから西側のBecco di Mezzodi (左、2602m)と Croda Da Lago(右、2716m)
 西側なので夕焼けが逆光になる。この光がクリスタッロの上部だけを照らすことになる。
 
TIP
 赤く染まるクリスタッロは、最もいいシャッターチャンスは数分しかない。ガイドにだいたいの時間を聞いて、それを逃さないように町にでかけよう。
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コルチナの概要    (タウンガイド) 
スキー日記:1日目  ファローリア、クリスタッロ
スキー日記:2日目  トファーナ
btn-arrow スキー日記:3日目  アルタバディア
スキー日記:4日目  セラロンダ
スキー日記:5日目  アルタ・プステリア
スキー日記:6日目  チンクエトーリ

 

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