八甲田、鯵ヶ沢、大鰐温泉、岩木山スカイライン、森吉、阿仁 |
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知られざる樹氷群
八甲田 |
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テレカ |
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ロープウェイと山麓駅 |
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ロープウェイの山頂駅前で |
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日本海と青森市が見える |
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前の山は樹氷だらけだ |
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そろそろやばい。右の棒が目印 |
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もういかん。目印が見づらい |
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やれやれ、ここまで来れば |
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あなたは「八甲田」と聞いて、何を連想するだろうか。スキー板の八甲田? 新田次郎の小説の八甲田? 私は後者の方なのだが、そのせいか山岳オフピステの世界というイメージがとても強いスキー場だった。
実際に行ってみた。12月末、青森まで飛行機で、空港からはレンタカーで八甲田に入る。天候は晴れ。ここのロープウェイは1回1150円だが、5回の回数券を買う。ロープウェイで山頂へ。びっくりするような樹氷が並んでいた。樹氷といえば、蔵王が有名だが、私は蔵王はGWにしか行ってない。だから、樹氷は志賀横手山の怪しい樹氷しか見たことがなかったので、これだけでも感動ものだった。ロープウェイの駅員の人は、昨日までずっと吹雪いており、今日、今シーズン初めて晴れたという。すごくラッキーだ。青森市と日本海まで遠望することができた。
ここからは、林間主体のフォレストコースと、急斜面のダイレクトコースがある。まずはフォレストコースを滑る。樹氷を顔じゅう、いっぱいにつけた山が正面に見える。東京から来たらしいスキーヤーたちが、「こんなの初めてだ」と歓声を上げていた。私はこの時点で、カナダに行った経験が2回あったが、モコモコした樹氷は湿気の多い雪の日本ならではのものではないだろうか。外国では、あまり見たことが無い。
ところが、2本目のロープウェイで天候が怪しくなる。急に風が強くなり、地表の雪が舞い上がり、先が見えなくなってきた。まずい。以前から持っていた、八甲田のイメージが頭をよぎる。赤いポールが下山ルートの標識になっており、それをたよりにダイレクトコースを滑る。ロープを丹念に張っているわけではないので、うっかり変な方向へ行くと、遭難しそうだ。地元のボーダーの後をついていく。下のコースに出ると、風は無いが、ガスっていた。3本目はさらにまずい。フォレストコースではコースが分からなくなると思い、ダイレクトコースを滑る。このコースは2本目なのだが、時々、前が見えない。やばい。後ろから時々追い越していく地元ボーダーが頼りだ。何とか下にたどり着く。すると、強風のため、ロープウェイは休止とのこと。下にはリフトを使う1kmもないコースがあるが、そこをリフト券3回分を買って滑る。リフトで隣に座った地元のレーサーの女の子は、「今日は朝焼けだったので、午後には悪くなると思った。初めて来た人は、こういう時、よく遭難する」と言っていた。
結局、運転再開のめどが立たないので、ロープウェイの回数券を払い戻してもらう。1回券3枚分の料金を差し引かれて戻ってきた。
帰りがけ八甲田遭難碑に立ち寄ろうとしたが、冬期は雪のため行き着くことは出来ないことが分かる。無理に行くと遭難して自分が碑になりそうなのでやめた。
いったん山を下り、幸畑の陸軍墓地の隣にある八甲田山遭難の記念館に立ち寄り(TIPに詳細)、その日は鰺ヶ沢の民宿へ。そして次の日は鰺ヶ沢を滑ってから大鰐温泉の旅館に泊まるのだが、そこで新聞を見て驚いた。私が滑った翌日、東京から来た年配のスキーヤーが遭難し、死亡したのだ。 |
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テレカ
3枚も買っちゃった |
テレカ
日本とは思えない景色だ |
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ロープウェイから振り返る
モコモコしているではないか |
遠く青森湾は青々としている。
不思議な景色だ |
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さて、天気のいいうちに |
おい、行くぞ
中央の案内板もすっかり氷が |
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映画のようだ |
吹雪いたらこの赤いポールがたよりだ |
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樹氷は荘厳ですらある |
この真中のシュプールがコースだと!?
吹雪いたら、迷子になるぞ!! |
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ホッとする |
下には普通のロコスキー場が |
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ロープウェイは狭い |
おい、やばいぞ
(4段上の写真と同じ場所) |
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木が立ったまま死んでいるようだ |
あの赤いポールが無かったら、
恐くて引き返していたかも |
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初めてのスキー場でガスったり、天候が悪いときは、まず目印をたよりに下山する。次の目印が見えない場合は、むやみに滑らず、地元の人間が滑るのに付いていく。単に強風だけで視界が悪い場合は、しばらく風がおさまるのを待とう。そして、悪天候の中を滑っても楽しくも何ともないので、早めに切り上げよう。
いかに勇気や体力があろうと、慎重さを欠いていては何にもならない、ということを忘れないで欲しい。(スーパーエッセイ「マッターホルン物語」へ)
帰りがけ、八甲田山遭難の記念館に寄る。閉館時間間際に飛び込み、見学させてもらった(200円)。昔の雪中行軍の装備を見ていると、びっくりする。軍服の上に、サラリーマンの通勤コートのようなものを羽織っただけだ。車と時間があれば、立ち寄ってみるといい。 |
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延長してくれてありがとう
ございました |
わあっ!おどかすな!
映画「八甲田山」使用の軍服だとか。 |
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生き残った人で五体満足
な人はいなかったらしい |
通勤コートみたいだ |
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みんな若くして死んだ |
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ファミリー向けリゾート
鰺ヶ沢 |
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テレカ |
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遠くには日本海が |
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もうちょっと晴れていれば |
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岩木山は美しい山だ |
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ずっとむこうのリフトが見える
のは平坦な証拠 |
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鰺ヶ沢(あじがさわ)はプリンス系のスキー場で、日本海に面した、スキーリゾートである。私が青森に遠征した最大の理由は、この年の夏にオーストラリアでご一緒させていただいた、沢田敦・元デモンストレーターに挨拶を入れるためであった。私は2級と1級合格のために、沢田デモのビデオを何十回も視聴しており、私淑していたのだが、せっかくだから話題になった鰺ヶ沢に行ってみる気になったのだ(詳しくは「海外スキー」の「オーストラリア」を見て)。
夜、車を飛ばして鰺ヶ沢の「尾野旅館」に宿泊する。1泊2食とリフト1日券とのパックで9,000円だった。
翌日、鯵ヶ沢へ。ゴンドラに乗って山頂へ。日本海が見える。海を見ながら滑るというのは、経験が無かった。いい感じだ。ところが、滑ってみて、結構、平坦なのに驚く。出だしは期待を持っていたのだが、すぐに斜度がゆるくなり、いまひとつ、スピードに乗れない。調べてみると、なんと、コースの60%が初心者コースだというのだ。後で分かったことだが、私の会社の上司が青森市出身で、鯵ヶ沢には子供たちにスキーを教えるボランティアで時々、行くことがあるというではないか。施設はきれいだし、ゴンドラは寒い日でも安心だから、ファミリースキーやボーダーにはすばらしいだろう。富良野のようなコースを想像していたので、ちょっと残念だ。上級コースのコブ斜面は雪付きが悪く、閉鎖していた。
もう少し天気が良かったら、日本海に突っ込むようにして滑ることができたはずだが、残念だ。
昼休みに沢田先生に挨拶を入れた。実に気さくな人である。今度は、家族で来れるように、がんばります! |
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「鰺ヶ沢スキー場」行きの看板は、青森市街から始まっている。そして、スキー場まで迷うことなく到達できるよう、十分にあるのだが、スキー場から弘前市に行く道は、ほとんど何も無い。ゲレンデガイドに地図が付いていたが、ランドマークになるものが無いので、さっぱり分からない。そろそろ看板があるころだと思ったが無いので、弘前ナンバーの車2台の後について行ったら、迷ってしまった。車で行く人は、道路の分岐などをよく確認しておこう。「弘前市への分岐まで○Km」という看板が1枚も無かったのだ。 |
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つ、つぶれんでくれ
大鰐温泉 |
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テレカ |
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下の方はファミリーゲレンデだ |
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センター内にはスキー神社が。
ありがたや |
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青森県と秋田県の県境近くに、ワニの棲む町がある。町じゅうにワニがある。駅前にはスキーを担いだ大きなワニがいる。スキー場の駐車場にもいる。それが大鰐温泉だ。施設内にもやたらとワニのマークが目立つファンキーなスキー場だが、実は、質実剛健を絵に描いたようなコースが多い。
雨池国際というFIS公認コースがあるが、むしろ、あじゃら高原にある、ゴンドラ沿いにあるキングスバレー(テレカにあるコース)のような急斜面のロングコースが多く、競技をする人には、八甲田や鰺ヶ沢よりも、この大鰐の方が適しているといえるだろう。アルペンの木村公宣もこのバーンで鍛えたという。
雨池側のスキーセンターの中には、スキーに関する資料もあり、なかなかクロウト好みであるともいえるだろう。
しかし、この大鰐温泉スキー場も経営不振や経営母体の他への投資の失敗により、毎年、倒産の噂が絶えないのは心配なところだ。もしスキー場がなくなったら、周囲の宿泊施設や交通利用者・温泉客が減り、地元にも打撃を与えるだろう。なんとかつぶれないようにがんばってほしいものだ。
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駐車場にはワニのVサインが
歓迎してくれる |
受け付けにもワニが |
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喫茶室の入り口に |
パトロールの入り口にも |
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大鰐の駅前にも |
町なかの看板もワニの警察官が
「事故は瞬間ベルトは習慣」だと |
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あじゃら高原側に駐車して、キングスバレーを朝イチに滑るのがお勧めだ。圧雪もよく、思いっきり飛ばすこともできる。その他のコースは、スキーヤーの数が増えてからでいい。いったん、山頂ツアーコースで雨池側に行ってしまうと、ゴンドラコースには戻りにくい。 |
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リフトの無いスキー場
岩木山スカイライン |
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これが雪上車だ |
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さあて、行くか |
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車内(20mm広角)本当はとても狭い |
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みんなで降ろす |
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さあ、滑るぞ |
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おいおい、どこへ行く!?
地元ボーダーは腰までつかって・・・ |
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日本でただ一ヶ所、リフト(ロープウェイ、ゴンドラ含む)の無いスキー場がこの岩木山スカイラインだ。春夏は岩木山に登る普通の有料道路なのだが、冬は雪上車で八合目くらいまで登り、そこから今来た道を滑るという、変り種のスキー場だ。
何としても見ておかなければ!年始だったので、さぞ混雑しているかと思いきや、それほどではなかった。雪上車は3回券が3900円。待合室で時間を過ごし、出発の声がかかると雪上車の屋根に板やボードをのせて、坂道をトロトロ登る。車内は狭く、まるでヘリの中のようで、車の音以外は何も聞こえない。
30分以上かけて、8合目くらいまで登る。そこには展望台らしき広場があり(もちろん、誰もいない)、全員車外に出ると、屋根から板やボードを下ろすのを手伝う。何ともいえない結束感がある。
板を履いて、ストレッチをやる。雪上車に揺れていると体が固くなっているのが分かる。雪上車は、下りはすごいスピードであっという間に走り去ってしまった。
さて、今来たコースを戻るように滑るわけだが、ボーダーたちは腰まで雪につかりながら、コース外を滑り出して行った。コースを知っているのだろう。とてもついて行けたものではない。道に迷ったら、命は無い.。かったるいけど、有料道路を滑ることにした。
ところがこの道、なかなかNiceなのだ。前日までの大雪と、今日の雪もあってか、フカフカなのだ。雪上車が通ったくらいで、ちょうどいい。小回りをやると、まるでトランポリンの上を跳ねているようで、ものすごい反発力を感じることができる。私の経験では、ウィスラーで大雪の翌日、圧雪車の後ろを小回りでついていった時以来の感覚だ。すごい愉快だ。いやあ、来てよかった。すばらしい。
2本目はオフピステに行こうかとも迷ったが、やはりルートを知っている地元の人間でないと無理だろうし、人が少ないのも心細いのでやめた。パウダーでは、スキーよりもボードの方が有利であり、変な場所で板を外して行方不明になろうものなら、えらいことになるので、やはりスカイラインを下る。それにしても考えてみれば、1回滑るごとに圧雪し直してくれるのだ。いやあ、来てよかった。すばらしい。ウェーデルンのきれいなシュプールが深く刻まれるのも、軽くて柔らかい雪のおかげだ。
3本目はとにかく、最初から最後までウェーデルンで通す。ううむ、5回券くらい買っておきたかったが、雪上車なので、1本滑るのに1時間くらいかかることだし、まあいいか。
いろんなスキー場に行き飽きて、「スキー場はどこも同じだぜ」と言うあなたにお勧めしたい。
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おっと、前から雪上車が・・・ |
ばく進する雪上車 |
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こんなコースも爽快に |
もう、一直線のウェーデルンだ! |
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このコースはパラレルで飛ばすのは間違っている。写真の通り、コースは2車線幅しかないし、ウェーデルンで雪の感触を楽しむのが正解である。ウェーデルンを覚えてから行くのがいいだろう。
なお、近くに岩木山神社がある。ここはひどい所だ。1月2日で初詣客が多いというのに、参道の雪をほったらかしているので、参拝客がこけまくっていた(実は私も)。
普通は何か敷いたり、おが屑とかを撒いたりするものだ。受験生とかを滑らせてどうすんだ。こんな呪われた神社を参拝するくらいなら、このサイトをじっくり閲覧する方が御利益はあるのである!。 |
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これが岩木山神社
行かない方がよい |
滑りまくりの参道だ |
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機能的なパウダー天国
森吉 |
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なんか、八甲田に似てるな |
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いい写真じゃないけど、こんな感じ |
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センターハウスに向かって
右の建物は宿泊施設 |
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下はボーダーが多い |
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森吉は、秋田県の中央あたりの山中にあるスキー場で、阿仁と並んで、プリンス系である。この森吉と阿仁はとにかく交通の便が悪いので、東京のスキーヤーは、秋田に親戚でもいない限り、行ったことが無い人が多いのではないだろうか。
こんな所にスキー場があるのかと疑いたくなるような山道を登る。実際に、マタギ(熊撃ち)で有名な山なのだ。すると目の前に、近代的なスキー場が現れる。
ここはクワッドが2基しかない。しかし、この高速クワッドのうち、1基だけで全コースをカバーできるように効率的にレイアウトされている。
下部の初心者コースのためには、短いクワッドが補助的にあるのもいい。吹雪いた日の翌日、雪の日に行ったのだが、圧雪のおかげで柔らかめの雪を楽しむことができた。実に効率が良く、雪質が良かった。そういえば、朝、車の雪を払うとき、息を吹いただけで雪が飛んだので驚いたほどだ。こんなスキー場が東京の近くにあればいいと思ったが、近かったら雪質は悪くなるだろうから、やっぱり遠くに来ないとだめなんだろうなあ。
それとびっくりしたことを一つ。昨夜、森吉の手前20kmくらいの町で、自宅の除雪をしていた人に道を尋ねた。翌日、クワッドに乗った時に隣の人にいつもこんな天気かと尋ね、自分が東京から来たことを言うと「そういえば昨日、東京から来た人に道を訊かれたなあ・・・」なんと、それは昨日道を訊いた人であり、その人はシーズンパスを持って森吉スキー場に通っているそうだ。実に世の中は狭いものであり、油断はできないものだと思った。
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もしも森吉に行くなら、トップシーズンに行こう。圧雪はコース中央を圧雪車2台分の幅くらいしかしていないので、端を滑ると、手軽なパウダーを楽しめる。 |
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ぺったんこな迷惑コース
阿仁 |
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こんなレイアウト |
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これがその問題のコース。ずっと
先が上り坂になっている |
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下は平坦だ |
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クローチングでないと
スピードが落ちる |
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やっとセンターハウスが
見えてきたぞ |
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阿仁は森吉と共通のリフト券を持つ、同じプリンス系のスキー場だ。ここは、長さ3473mという長いゴンドラで登り、狭いロングコースを滑ることになるが、上部には1kmほどの長さのペアリフトに沿ったコースが1つある。
さて、ここは雪が多くて、上部ではフカフカのコースを楽しめる。フカフカのコースとは,初心者向けではないが、心得があれば、楽しめるものだ。しかし、根本的にいうと、このスキー場には構造的な欠陥がある。それは、だらだらのロングコースの中腹に、上り坂があるということだ。滑っていると、先に上り坂が見えて、そこではボーダーたちがボードを外して、コースの真中を歩いて登っているではないか。危険だ。とにかく登りはイヤなので、勢いをつけて直滑降で滑る。そして、上り坂は漕ぎながら滑り上がったが、力尽きて、逆ハの字で登った。疲れた。
これにそっくりなコースは、以前にも経験したことがある。苗場の隣にある、かぐらスキー場のかぐらゴンドラ沿いのコースだ。長いゴンドラ沿いの長いだらだらコースを滑っていると、先の方に上り坂が見えるので、勢いをつけて上りきろうかとするが、坂の下が初心者コースの合流点になっていて、人が溜まっているのだ。しかも、コースをさえぎるように板を横にして談笑しているアホウまでいた。なぜか、それととてもよく似ているのだ。ちなみに、かぐらも阿仁もプリンス系である。
景観そのものはたいしたことが無い。パウダーを味わえないならば、あえて東京から行くスキー場ではないと断言できる。
せっかくの長いコースではあるが、富良野のような滑走感は無い。
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上記の通り,上り坂があることに注意して。 |
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北海道 |
岩手 |
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