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キルナ・スキー日記:概要

キルナ

オーロラ・スキー
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■概要
 スウェーデンは北部は北極圏に属する部分を含む寒い国だけに雪が生活に大きく入り込んでおり、小学校の授業にノルディックスキーがあるくらいだ。もちろんアルペンも盛んで、あのステンマルクを生んだ国でもあるのだが、おしなべてスキー場そのものはスイスやフランスのように巨大なのがたくさんあるというほどでもない。せいぜい日本のゴンドラ級の規模であり、北米やヨーロッパアルプスよりも小ぶりだ。じゃあ日本からわざわざ行く意味があんのかよと聞かれれば、実は大ありなのだ。それはヨーロッパアルプスには無い観光要素、オーロラ観光があるということだ。だからキルナのスキーは一言で言えば「オーロラ・スキー」と言えるだろう。
 実は今回、管理人はかあちゃんを連れて行ったのだが、雪の降る県出身だというのにスキーはあまり得意ではない。スイスなんか行こうものならえらいことになるのだが、スウェーデンならば昼間はゆるめのスキー、夜はオーロラ観賞としゃれこむことができる。相方があまりうまくないカップルの場合の海外スキーではおすすめだ。
■場所とアクセス 
北欧 地図
スウェーデンはここだ!
  
キルナはここだ!
  
時差:8時間(スウェーデンの朝7時は日本の午後3時) ただし夏時間では7時間差
通貨:デンマーク・クローネ(SEK)  2009年3月17日クレジットカード決済のレートで11.83円だったので1SEK=12円 でいこう。ちなみにガイドブックの2008年8月31日のレートは18円とあるから大助かりだが、原油価格の記録的高騰による燃油サーチャージが痛かった。
キルナ
機内では食事の時間以外でも、おにぎりや
カップラーメンを食べることができる。
左はトナカイの肉をパンにまいたもの、右はチーズだ
 ヨーロッパスキーは飛行機の時間が長いのは覚悟だが、キルナには問題がひとつあった。
 北欧のオーロラツアーはフィンランドとスウェーデンが双璧だが、フィンランドの方が人気がある。なぜならフィンランド航空を使ってヘルシンキへ行き、そこから
イヴァロやロバニエミに行く乗換え1回のパターンだが、スカンジナビア航空を使うスウェーデンはまずデンマークのコペンハーゲンに行って、そこからスウェーデンの首都ストックホルムに行き、そこからキルナに行くという乗り換え2回のため、深夜に到着というパターンになる。高齢者にはとにかく辛いだろう。しかしスカンジナビア航空とフィンランド航空はサービスの良さでは世界1、2位を争う会社で、昔に比べるとアメニティもいいし、快適なフライトであった。
 
キルナという町
 キルナの名前を聞いたことがあるという人は、地理の授業をまともに聞いていた人だろう。本来は「鉄鉱石の町」としてあまりにも有名だ。エリバレと並んで古くから世界最高品質の鉄を産出し、「スウェーデン鋼」というだけで良質の鉄鋼を意味する。ところが露天掘りもできるほどの豊かな鉄鉱石も100年以上掘りまくっていることから、地下には巨大な空洞ができており、このままではキルナの町はドッカンと陥没してしまう恐れが出てきた。それでも鉄を掘り出すのはやめられないということで、2004年には、30年後を目途に町がまるごと北へ(駅や市庁舎、一般住宅などすべて)まるごと移転してしまうというモノスゴイことが決定した。キルナはとにかく鉄の町なのだ。なお、スウェーデン大使館に地名の正しい発音を問い合わせたら、「キールナ」と伸ばすのが正しいらしい。しかし日本ではキルナで通っているのでこれでいくことにする。
キルナ  
キルナから北の方角を見る。
すぐ近くに低めの雪山が連なる
 
■イチオシ
 何と言ってもオーロラだろう。ただしオーロラはむやみに北極圏に行けば見れるというものではなく、見たい場合はいくつか注意点がある。オーロラは強い光ではないので、そもそも昼には見えない。キルナは6-7月には白夜(びゃくや)といって、日が沈まない日があるくらいの時期もあれば、1月は極夜(きょくや)と言って、日が昇らない日がある時期もある(北極圏の定義は1年間に少なくとも24時間以上、こういう現象になる地域を指していたが、厳密には色々事情があって、今では北緯66度33分39秒のラインより北の地域を指す)。だからあまり明るい時期に行っても意味が無い。また、雲がどんよりしていたら、当然見えない。後述するが、行った日の夜、飛行機の窓からオーロラが見えたが、その日は地上では「曇っていて見えませんでしたよ」とのことだった。だから晴天率が高い時期を狙うことだ。次に満月の明るい夜よりも新月の暗い夜がいい。当然ながら光るものは地上のものでもだめなのだ。私が行ったのは満月から数日経過していたので、もうちょっとというタイミングだった。なお、キルナではオーロラに遭遇するチャンスは3日に1.66日とからしいが、このあたりのデータはエリアごとにあるので、あなたが行く場所については事前に調べてみるといいだろう。
オーロラの観測については後日の日記で詳しく述べる。
■旅行費用とツアーの選び方
キルナ  
行きがけの飛行機の窓から。
夕暮れが近いころ、幻想的な景色が見える
 高い。北欧は高い。さらに、燃油サーチャージがどえらい高くて、まいった。しかし、諸事情で行くなら今年しかなかったのだ。原油価格は急落していく最中だというのに、ガッポリ取りやがって・・・。
 それでも、円高だからまだましだ。昨年同時期の客はアクティビティには1.5倍くらいは払っていたのだから。
 今回はJTBの通常のオーロラツアーにした。添乗員無しの自由行動で、スキーの際のスキー、ブーツ、ストックはレンタルにする。本当は自分の板をもって行きたかったが、タダだと思っていた持込料金がどえらい高くて、初めてレンタルにした。昔はタダだったのになあ。また、行動はレンタカーで、2-3日目の2日間を借りた。借り方やドライブの注意は日記でお話しよう。
■物価
 高い。おしなべて高いが、スイスほどではない。しかしこれは円高の恩恵だろう。去年のレートで考えるとたまげるほど高い。
■気温
 低い。とにかく低いが、季節によるので自分が行く時期を決めたら、現地情報をよく集めよう。ちなみに12月ごろに行くと1日じゅう太陽が昇らない極夜があるうえ、平均気温でマイナス8度くらい、オーロラ観測の深夜はマイナス20度もある。だから防寒はしっかりすべきだ。靴はスノーブーツを持参した。夜はスキーウェアで下にいっぱい着込めるのがいいだろう。なお、JTBでは防寒服(スノーブーツ付)をレンタルオプションで4日間(到着日の夜含む)17,000円としていたが、現地のリパンホテル(ノルディックジャパンが受け付ける)に直接申し込めば初日150SEK(
1800円)、以降1日につき130SEK(1560円)とずっと安い。JTBも結局ノルディックジャパンに丸投げなので、JTBを通す必要はないだろう。
ただし、私とかあちゃんは持参のスキーウェアに着込むだけで問題無かった。耳まで覆う帽子は絶対必須だ。
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キルナ 地図
キルナの地図(中心部周辺)(米国Yahoo!の地図を加工)
※今回宿泊したのはリパンホテルだが、スカンディックホテルはランドマークとして
位置を覚えておくと行動しやすいだろう。また、レンタカーの受付カウンタもある。
スウェーデン大使館
スカンジナビア政府観光局(日本語)
■タウンガイド
キルナ 小学校   
これが小学校の校舎だって!  
スウェーデン 小学生
カメラを向けたら、笑顔を返してくれた
 町は空港から近く、5〜10分で到着する。私が宿泊したのは上の地図の右上にあるリパンホテルだ。ここは日本人の女性スタッフがいて、日本人が安心して泊まれることと、町のはずれに位置していて周囲が暗く、オーロラ観測に適していることなどから、人気があるホテルだ。食事は現地の人が食べにくるほどおいしいと評判だが、値段は高いので覚悟だ。
町に出るには小学校の横を通って行くのだが、建物の立派なこと!。大学の研究機関かと思ったら、小学校と聞いて、さすがは税金が高いだけのことはあると思ったものだ。小学校からキルナ駅に向かって歩くあたりはパステルカラーの家が多く、デザインの国、北欧らしさがよく出ている。Adolfhedinsvagenの通りは交通量もあり、信号を渡ることになる。そしてインフォメーションへ。ここは広場になっているので分かりやすい。インフォメーションでは資料その他情報を入手できる。また隣のスカンディックホテルはレンタカーの受付もあるので借りる予定のある人は覚えておこう。このあたりはレストランやスーパーもあるから何度か来ることになるだろう。
トナカイ   
リパンホテルの隣で
飼われていたトナカイ 
犬ぞり
犬ぞりに乗って凍結した湖の上を走る
キルナ
スキー場のあるルオッサヴァーラ山は鉱山だ。
左の斜面がスキー場
キルナ 鉱山
スキー場トップから見たキルナ山の鉱山。
まるで豪華客船のようだ
アイスホテル
アイスホテルの中にあるバーのカウンター。
コップも氷でできている
 比較的時間のある人は観光やアクティビティを考えておくのがいい。
ガイドブックや個人のサイトなどいろいろ調べたが、3日間の滞在ならばおおよそ決まっている感じだ。
(1)キルナ市内観光
 (1−1)キルナ教会
 何といっても有名な教会なのでぜひ行こう。1912年までキルナには教会が無かったので、先住民であるサーメ人の小屋のデザインに倣って建造したものらしい。さすがデザインの北欧というところだが、これが観光資源になることも読んでいたのではないだろうか。歩いていける場所なので、ぜひ行ってみよう。
(1−2)市庁舎と駅
 市庁舎はカリヨンで有名なレンガ造りの建物だ。外観を見るだけでも面白い。駅に行くと鉄鋼の町のなごりがあちこちにあり、鉄鋼を運ぶ労働者の銅像などが見られる。
(1−3)サーメゴーデン
 ラップランドの先住民族であるサーメ人の生活、風俗などの展示や手工芸品の展示がある。私は最終日に寄ったのであとで詳しく述べる。
(1−4)LKAB(エルカーベー)
 鉱山ツアーなど。ただし冬場は催行していないので、私は行っていない。行く人はよく確認して行くこと。

(2)近郊
(2−1)ユッカスヤルビのアイスホテル
 あまりにも有名な氷でできたホテル。これを見たくて(泊まりたくて)キルナを選ぶ人がいるほど。近くの川から切り出された氷だけを使ってホテル全体を作ってしまったが、オープンは1996年というから最近の話だ。マスコミなどでもよく報道されるので聞いたことがある人も多いだろう。往復ツアーの他、路線バスで行くこともできる。見学は10時〜18時までだが、氷の教会や氷のベッド(宿泊者はトナカイの毛皮の上に寝袋で寝る)は見るだけの価値はあるだろう。

(2−2)ナルビク
 電車で一気にノルウェーのナルビクに行くもの。往復で1日がかりと思った方がいい。車窓の景色、特にノルウェー側のフィヨルドは見ものらしい。私は車で通過したので十分に堪能できたわけではないが、国境付近のとんでもない景色の中を延々と走ることができた。

他にも夏場はハイキングで有名なアビスコなどもあるので調べてみよう。

(3)アクティビティ
(3−1)犬ぞり
 人気なのが犬ぞりツアー。一度は乗ってみたいという人も多いのでは。ただし料金は3時間くらいで途中休憩のティータイムがあって、1人970SEK(1万1640円)だから、覚悟だ。昨年のレートで行った人たちはすごいなあ。

(3−2)トナカイ
 トナカイのそりで走り回るツアー。気分はサンタクロースだ!。しかしツアーは7時間で2300SEK(2万7600円!)だから、このトナカイがやりたくて来るだけの根性とお金がなければだめだろう。

(3−3)スキー
 ここまで来てスキーをやる人は珍しい方だ。いちおう、キルナ市を見下ろすルオッサヴァーラという鉱山の斜面にスキー場があり、往復の送迎だけという安いツアーが催行されている。ここはナイターのみという変なスキー場で、昼は仕事や学校という人たちが夜だけ滑りに来るようだ。これは日記で詳細にレポートする。
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ええと、ここはどこかな ブルーベリーのジュース。
ブルーベリーは北欧ではよく食べることになる
空港にはオブジェが多いのは北欧ならでは? 北欧デザインの家の塔だ
キルナに到着したのは深夜だ キルナ空港はとても小さいが、
レンタカーのカウンタもあるぞ
ホテルの玄関前にあったオブジェ 北欧はこんな家が多く、色彩は
もっとあざやかだ
インフォメーションが入っているビル これが市庁舎で、塔は時計だらけだ
キルナ教会 キルナ教会の塔
道路には、鉄鉱石のトロッコを
運ぶ労働者のオブジェだ
打上ちゃいます!
なんかホッとするデザインだ キルナ駅にもオブジェだ
レタス、高いなあ! コーラはまあまあだ
ドゥンドレットにも行ったぞ
手前は借りたレンタカー
小学校の授業にノルディックが
あるらしい
【ギャラリー】
ドゥンドレット
◆ドゥントレットのコース。湖を見ながら、いい感じだ。滑っているのはかあちゃんです。
◆ビヨルクリーデンは湖めがけて滑るスキー場だ。遠くの右奥にU字型渓谷が見える
◆3日目に現れたオーロラ
TIP
 オーロラ狙いの時は、とにかく情報を集めて、最適な時を狙おう!。
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