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キルナ・スキー日記:3日目

ビヨルクリーデン

 王様スキー
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北欧 ヨーグルト
朝のヨーグルトはバイキング形式。
アンズ、ブルーベリー、ラズベリーは基本で、松の実、ヒマワリの種、
パンプキンの種、クルミなどつまみ系も多い
キルナ
道路わきに細い雪の道路。
自転車道ではなく、スノーモービルコースだ!
 3日目の今日は、リクスグレンセン(Riksgransen)またはビヨルクリーデン(Bjorkliden)に行く。両方ともノルウェーとの国境に近いが、リクスグレンセンの方がより国境に近いというか、スキー場の一部がノルウェーの領土内に入り込んでいるというスゴイスキー場だ。「札幌国際」「上越国際」「白樺国際」といった、○○国際の名前を冠するスキー場は日本に多いが、本当のインターナショナルとはこういうのを言うのだ。アメリカのレイクタホのヘブンリースキー場が2つの州(ネバダとカリフォルニア)にまたがっているだけで感動していた私は、ぜひとも行ってみたいと思っていた。そのリクスグレンセンより少しスウェーデン側のビヨルクリーデンは氷結したトゥーネ湖を見下ろして滑ることができるうえ、夏場はハイキングで大人気のアビスコ国立公園にあり、特にU字型に削れた山、ラポーテンは大変フォトジェニックでよろしい。この2つのハシゴは十分にありえるのだが、スキー1色の一日にするとかあちゃんに悪いし、それぞれでレンタルスキーとブーツを調達しても大変だし、せっかくだから国境を越えてノルウェーのフィヨルドも見てみたいものだ。そういうわけで、本日はスキー場1ヶ所とノルウェー観光とし、スキー場は午前にリクスグレンセンに行くことを最優先とすることにした。
キルナ ナルビク 地図
キルナ  
これがモヒカン山。邪悪そうな山の向こうは
いきなり猛吹雪が待っていた
 
ノルウェー国境
ノルウェーとの国境。
申告するものがなければ、黙って直進だ
ノルウェー フィヨルド
ノルウェーのフィヨルド。
いきなり大きな川が現れたように見えるが、海だ。
  キルナ市内のガソリンスタンドで給油してから、8時30分に国道(E10号線)に入り、ひたすら北上する。なかなかいい天気だ。このE10の道路わきには歩道とは別にびっしりと雪道がある。これは自転車専用道路ではなくて、スノーモービルの道路なのだ。さすがはラップランドだ。いい感じでドライブを楽しんでいたら、前方にモヒカン刈りをしたような山が見えてきた。自然に出来たとは思えない、どこか邪悪な雰囲気を持った山容だが、こんなのがいっぱい見えるといいなあ。ところがそのモヒカンの脇をちょっと曲がったところでいきなり天候一変、目の前が見えなくなるようなすごい雪が降ってきたのだ。魔界の扉を開けてしまったかのような変わりようだ。道路は雪煙がゆらゆらと這うようにこちらに迫ってきて、実にキモチワルイ。速度を落として慎重に走った。やばい、こんな調子だとスキーなんかできないし、ノルウェーどころじゃないぞ。暗い気分で10分ほど走るといきなり眼前に湖が広がり、さらに前方にスキー場が広がっているのが見えた。ああ、助かった。これがビヨルクリーデンだ。でも今日のスキー場はリクスグレンセンだ。雪もやみ、さらに山の上へと走ると、やっとリクスグレンセンのスキー場が見えてきた。やれやれ。10時13分だった。
 ところがリフトが動いていない。誰も滑っていない。うう、やばい。ゲートをくぐって駐車場に来たが、強風でリフトが止まっているようだ。ゲゲッ、しまった!。電話でもしておけばよかったかな。キルナのホテルでテレビを見ていた時、天気は悪くなさそうだったが、このあたりはノルウェーの影響が強いようだ。空は一面の雲で、こりゃあまいったわい。ちょっと考えてから先にノルウェー観光を先にして、その間に少しでも天候回復することに期待し、午後にスキーにすることにした。
 スキー場ゲートからちょっと走るともうノルウェーとの国境だ。10時26分に通過した。そこから数キロの道路のすごいこと!。荒涼とした風景が広がり、一面の氷の世界だ。生命の気配を感じさせない、まるで地球外の惑星に迷い込んだような感じだ。景色を楽しみながら走っていると渓谷沿いの道路脇に大きな川に見えてきた。実はこれ、川ではなくて海だ。そしてナルビクに降りるつもりが間違えてビヨルクヴィックに降りた。もともと市内観光の時間は無いので、同じことだ。軽い食事と給油だけ行い、11時40分には出発した。12時30分にはスウェーデンに入ったがリクスグレンセンは閉鎖のままだ。山はガスっているし、行っても意味がないだろう。仕方なくビヨルクリーデンに向かう。すると、ビヨルクリーデン側は空が明るく、遠くは日が差しているようだ。しばらく走るとU字に削れたラポーテンが見えるではないか!。おお、これは期待がもてるなあ。13時過ぎ、ビヨルクリーデンスキー場に到着した。
◆ビヨルクリーデンのゲレンデマップ
(Web地図を加工)
ビヨルクリーデン 地図
ビヨルクリーデン
湖が凍結しておる
ビヨルクリーデン
景色のいいコース。
右にU字のラポーテンが見える
ラポーテン
上の写真のラポーテンを
望遠でアップ。実に美しい。
キルナ
キルナに戻ってきた。
最初に滑ったルオッサヴァーラだ
 ベースエリアに着いたが、レンタルは少し上がった場所にあるというので移動した。ここでレンタルの話だが、もし荷物に余裕があるのなら、ブーツは日本から自分のものを持参するのがいい。欧米人とは足の形が違うのか、横幅を合わせようとすると縦がブカブカになりやすく、初日のルオッサヴァーラではバックルで無理に締めたものだ。しかしここはブーツの種類が多く、なんとかなじむという感じで助かった。
 レンタルからベースへ戻るコースに出る。ここは非常に景色がいい。眼前に湖が広がり、遠くにはあのU字のラポーテンが見える。実に絵になる。このコースを少し滑って足慣らしをしてから山頂に向かう。ところがここでかあちゃんがブーたれて、私が一人で行くことにした。長い長いTバー(確かに、腕が疲れる)を使い、山頂へ。ここでは予想通り、別世界だった。大きな凍結した湖を挟んで真っ白な山が並び、実に素晴らしい。ただし気温はマイナス10度くらいだが、風が強いのと景色に圧倒されて寒い。ビデオカメラを使うときは手袋を外すが、かなり痛いくらいだ。ただしここからはあのU字のラポーテンが見えないので、やっぱり下の方がいいのかな。
山頂付近は1本だけにして、かあちゃんの待つベースエリアに戻った。
このあと初心者コースの方がいいかなと、上の地図の右側にあるコースに行ってみた。ぬいぐるみを雪に埋めて、いかにも子供向けという感じだ。ところが驚いたのは、スノーモービルのコースがあって、小学校低学年くらいの子供がブルンブルン飛ばしていたことだ。ううむ、モンゴルの子供が小さいうちから馬を乗り回すように、スノーモービルが生活に密着しているのだろうなあ。16時10分ごろ出発し、キルナに戻る。例のモヒカン山を通過したら、突然空が晴れだした。なんだか映画館から出てきたような気がした。
17時50分にはホテルに戻った。スキー場の情報についていろいろ教えてくれた現地係員の小原さん(ノルディックジャパン社の所属だが、色々な旅行会社の現地丸投げを受けているようだ)に報告したら、まあ山の天気は分からないしガス一色だけでなくてよかったですねとのことだった。
 さて、本日は最後のリパンだ。最終日のディナーではちょっと奮発したがえらい高かった。やっぱり夜は事前によく調べて市内の安い店を狙うのがいいかもしれない。
 そしてオーロラタイムだ。昨日よりも大きくてハッキリしたものを期待していたのだが、なんだかチロチロとした便所の明かりみたいなのが見えて、「あれはオーロラでしょうか」「さあ〜」みたいな会話ばかりだった。出そうで出ないオーロラを待つのも釣りの楽しみに似ているが、なにしろ寒い中でやらなければいけないのがつらい。そしてやっぱり12時くらいでギブアップしてしまった。まあ、昨日見れたからいいか。
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キルナ キルナ
朝、ノルディックスキーで
学校に通う子供たち
ガソリンスタンドの売店。
コンビニ並の品揃えだ
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
北に向かう。遠くの天気はあまり
良くなさそうだ
猛吹雪を抜けたら、
ビヨルクリ−デンが見えた
アビスコ リクスグレンセン
アビスコは静かでいいところだ リクスグレンセン、行ってみたが
滑ることができなかった
キルナ キルナ
国境付近の荒涼とした
風景の中を延々と走る
ずっとこんな感じだ
国境 滝
スウェーデン方面は晴れているみたいだ 滝が凍り付いているよ!
ノルウェー ノルウェー
念のためガソリン給油だ
ガソリンスタンド内の雑誌売場。さすが北欧、という
類のコーナーだが、拡大してお見せできないのが残念
風力発電 キルナ
風力発電の装置みたいだ
夏は何かやっているらしい
アビスコ アビスコ
スウェーデン側は時々晴れ間が見える U字のラポーテン、最初は
下だけ見えた
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
ビヨルクリーデンの入り口だ レンタルスキーのお兄さん。
みんな、普通に英語を話すなあ
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
トナカイの毛皮は定番だ。
ヘリの模型が吊るされているが、ヘリスキーもやるらしい
Tバーの長いこと!
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
屋外の椅子もトナカイだ トナカイの毛皮が無造作に掛かっていて、
みんな勝手に椅子に敷いているようだ

ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
Tバーであの山の上まで! 最高地点から湖を見る
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
幻想的な景色だ はるか下の駐車場と湖だ
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
リュックのポケットのジュース、
シャーベットになっていた
このゲートを立ってくぐれるのが子供だ
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
子供コースにはポールのかわりに・・・ トナカイは人気だ
ビヨルクリーデン ビヨルクリーデン
スノーモービルで爆走する子供だ 行け、負けるな!
ビヨルクリーデン キルナ
なぜかメキシコ風のおじさんが案内している。
帰りの時も雪が降っていた
キルナ山のエントツもホッとする。
キルナのあたりは天気は実に良かった
   
【ギャラリー】 
ビヨルクリーデン
◆ビヨルクリーデン
 湖に向かって滑り込むコース。右奥にU字のラポーテンが見えるが、上部に雲がかかっている。
ラポーテン
◆夕暮れのラポーテン
 そろそろあがろうかと思った夕暮れ、雲が晴れてラポーテンがはっきりとU字を見せてくれた。夏はハイキングで人気のコースだ。
キルナ
◆不気味な山を振り返って
 来るときはここから上り坂が始まり、あのモヒカンのような山の脇を越えてからいきなり猛吹雪となった。
 帰りは夕暮れ時になってしまったが、この山を越えると空は晴れ渡っていた。 
TIP
 山の天気は平地と違うことを思い知ろう。天気予報ではスウェーデンのキルナは良好だがノルウェー側は良くないとのことだった。この場合、スウェーデン領のビヨルクリーデンであってもノルウェーの天気に合わせるのがよいだろう。
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