スキー写真の撮り方(1)
− 撮影方法(Part1) −
作者の、スキーに行った時の写真の撮り方、そのコツを伝授しよう!
基本姿勢は、「この写真を人が見たら、どう思うか」という立場で撮影すること。
(1)大きさが分かるようにするには、人を入れろ! | |
作例(1)は山形蔵王の最上部にある、雪に埋もれた地蔵である。上の写真を見ただけでは、知らない人は、どのくらいの大きさなのか、分からないものだ。 この場合は、あえて人を入れるのが有効だ。その方が大きさが分かりやすい。ただし、条件がある。 ・写される人は、こちらのカメラを意識していてはいけない。あるいは、レンズを見ていてはいけない。 ・写されてムッとして、殴りかかってこられてはいけない。(リサーチ会社の知り合いが、繁華街で通行人にカメラを向けたら、殴られた) よって、こういう時は子供を入れるのがよろしい。(作例2)これなら、地蔵がどのくらいの大きさか分かるだろう。 |
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作例(1) | |
作例(2) | |
作例(3)は青森の八甲田のモンスター。もしボーダーがいなかったら、どの程度の大きさに見えるだろうか。モンスターのような非日常的なものは、1回でも見たことがある人はいいが、そうでない人は見当がつかないだろう。 ここでは、あらかじめモンスターにレンズを向け、後ろからボーダーが通過したところを狙って撮影した。 |
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作例(3) |
(2)大きさが分かるようにするには、モノでも入れろ! | |
作例(3)はオーストラリアのスレドボで。キッズガーデンでは、子供が滑らないように、木のチップを撒いていた。これにより、板を履ける場所まで、なだらかな斜面を子供でも安全に歩けるわけだ。 このチップをいきなり接写しても、初めて見る人には大きさは分かるまい。こういうときは、ブーツでもいいからあると、分かりやすい。 |
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作例(4) |
(3)距離感を表現するには、近景と中景と遠景を入れろ! | |
ただ広い場所を写しても、その広大さは分からない。そこで補助的に、近景を中景と遠景を入れることにより、奥行きを出して、距離感を出す。 |
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作例(5) | |
これも、手前のボーダーがアクセントになっている。Tバーの行列と山全体を入れるにはここまで引かないとだめだったが、ボーダーがいないと(手で隠してみてください)距離感の無い、間の抜けた写真になる。 | |
作例(6) | |
白馬栂池の鐘の鳴る丘ゲレンデ。日本有数の広大なバーンをどう表現するか。 やや高いリフトの上から、リフトを左側にいれつつ、奥行きを出してみた。 |
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作例(7) | |
ピラタス蓼科から見た御嶽山。手前の木をじゃまだと思って写さないでいると、奥行きが無くなり、迫力が薄れるだろう。この方が遠くにあるという深みが出る。 | |
作例(8) | |
バレブランシュから見たダン・ドゥ・ジェアン。氷河を見慣れていない日本人に分かるように、この広大さを表現するのは難しい。HPのミニ写真ならなおさらのことだ。 このスキーヤーの列を指で隠してみよう。とても狭く感じるはずだ。しかし、この広大さは肉眼で見ないと分からないものだが。 |
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作例(9) |
(4)雪面のみの場合は、スキーヤーを配置せよ | |
いいバーンがあると写真を撮りたくなるだろうが、実際にプリントしてみると、ただ真っ白なので、思いがけないほど無味乾燥に見えるものだ。とくにパソコンの画面では、なおさらだ。 作例では、スキーヤーを配置して、画面がだらけるのを防いだ(つもり)。 画面のスキーヤーを指で隠してみて、比較してみよう。のっぺらぼうのようなバーンになってしまう。 |
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作例(10) |
(5)雪面の質感を出すには、低いアングルで撮れ! | |
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いつでも目の高さで撮影するクセはついていないだろうか?。いくらレンズの性能が良くても、目の高さからでは、雪面が白く飛んだりしやすく、質感が分かりにくいものだ。たまには腰を落として、雪面スレスレで撮ってみよう。雪の質感が伝わるだけでなく、新しい発見があるかもしれない。 |
作例(11) |
(6)夜景の露出は3段階で | |
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夜景を写してみたいと思った時の注意点。まず、遠景などの場合は、ストロボなどたいても光は届かないので、無意味だ。 この場合、スローシャッターにしなければならないわけだが、オートのカメラで普通に撮影すると、思いがけないくらい、明るく写ってしまうものだ(作例12)。 これは、カメラとは、明るすぎるときはシャッタースピードを早くして適性露光にする代わり、暗いときは遅くして人間の目で見たよりも明るく(つまり適正露光で)写そうとするからだ。しかし、実態と異なると違和感がある。 こういう時は、思い切ってフィルム3枚くらい使用して、露光を押さえ気味(シャッタースピードを1段階早くしたものと、2段階早くしたものを撮影し、合計3枚で気に入ったものをテイクするというものである。 ホームページのデジタル画像の場合は加工できるので、あまり気にしなくてもいいが、フィルムの場合は「ここ一番」という景色では、有効な方法だ。 カメラに露光の補正機能がついていない場合は、撮影時にフィルムの感度の設定を変更するという手がある。ASA100のフィルムならば、ASA2000、ASA400に設定すれば、カメラは高感度フィルムと思い込んで露光時間を押さえ気味にしてくれる。 |
作例(12)補正なしは明るめになる | |
作例(13)1アンダー適正 | |
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作例(14)2アンダー暗すぎるか? |
(7)暗い場所では、カメラを固定できるものは何でも使え! | |
暗い場所では、露光時間が長くなるため、スローシャッターとなり、手ぶれをしやすくなる。街中では、電柱にカメラを横に押し付けるとかして、撮影するのがいい。 では、固定できるものがない雪の上では?。その場合は、ストックを立てて、その上にカメラを乗せて撮るのだ。これだけでも全然違う(作例15)。ちなみに、上の作例12〜14では、右下に見えるレストランの手すりにカメラを固定して、シャッターを切っている。 |
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作例(15) |
(8)夜のショーウィンドウの注意 | |
外国などでは、ショーウィンドウを撮影するだけでもいい思い出になるものだ。しかし、注意が必要だ。 一般に、ショーウィンドウの中は明るいものなので、普通にカメラを向けると露出(明るさ)は店内に合ってしまい、外観は暗くなってしまうのだ(作例16)。 そこで、外観に露出を合わせて撮影したのが(作例17)だ。しかし、外観を明るくする露出では、店内は明るすぎて飛んでしまった。 大切なのは、主題はどこか。つまり、自分が写したいのは、店内の商品なのか、店の外観なのかをはっきりさせること。そして外観が目的ならば、(17)のように、店内の露光に合わせないようにして撮影することだ。 |
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作例(16) | |
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作例(17) |
スキー場のマーケティンク(Part2)![]() |
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