<黒ベエ>
「チェス」のルールは万国共通。それに将棋のように、漢字が書かれているのではなく、形で駒が解かるので、世界共通のゲームなのです。だから言葉が通じなくても世界中の誰とでも楽しめるのです。そんなところも、「チェス」の魅力だと清水さんはいいます。「チェス」を通していろいろな世界を見ることも出来たし、いろいろな知り合いも出来たそうです。清水さんは「チェス」を通して世界にふれたんですね。
「国際大会の思い出は語り尽くせないほどたくさんありますね。『ナショナル・オープン』の時にはサミュエル・レシェフスキーや天才少年カムスキーの試合を見ましたが、やっぱり強かったですね〜。『ニューヨーク・オープン』なんてスゴイですよ。もう、街を挙げてのイベントですからね。集まって来る選手たちも強豪揃いで、私なんか吹き飛ばされるかのように負けてしまいました(笑)。だけど、いい思い出です。ニューヨークもロンドンと並んでチェスが盛んなので、ワシントンスクエアの公園では、皆気軽にゲームを楽しんでいるんですよ。チェス・ショップも覗いて来たんですが、物凄い品揃えでした。余談ですが、そのワシントンスクエアの近くにあるチェス・ショップは、チェス好きにとっては、まさに聖地といっても過言ではありません。(笑)。
ロンドンに行った時もそうでしたが、チェスが街に根付いていてとてもうらやましいなと思いましたね。
意外に思われるかも知れませんが、旧ソビエト連邦や東南アジアのほうも、チェスが非常に盛んなんですよ。ひと昔前はモスクワは"チェスの首都"って呼ばれていて、旧ソ連は小学校の授業でチェスを教えていたくらいなんです。子供の頃に集中力や忍耐、そしてさまざまな幅広い考え方を養うのに非常に適しているからです。特にコーカサス地方では、嫁入り道具にチェス・セットを贈るほどなんですよ。フィリピンなども盛んで、マニラで『世界チェスオリンピック』が開催された時なんて、ホテルの受付の脇に大きなボードを用意して、グランドマスターの試合を中継していたほどなんです。
チェスというのは、本当に国際的なゲームなんですよ。私が対戦して来た選手たちにも、アラブやインドやマレーシアといった英語すら通じない国の選手たちもいました。でも、チェスは言葉がいらないんです。外国人とコミュニケーションを取る上でも、そして教養としても、チェスを勉強することは良いことなんです」
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レシェフスキー
天才少年カムスキー
ニューヨークオープン
公園で気軽に
チェスを楽しむ
市民。
チェスの聖地、
ワシントンスクエア
のチェス・ショップ。
マニラで開催された
世界チェスオリン
ピックの風景。
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