神様が降りてきた | |||||
2009年レポート(7) 札幌-3 | |||||
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スノークルーズオーンズスキー場 (Webパンフを加工) スノークルーズオーンズ スキー場(公式サイト) |
クワッドは一気に最高地点に運んでくれるので大変機能的だ。しかしガスがうっすら広がっていて、景色どころではない。普通にスピードを出せばあっと言う間に滑り降りてしまう。うーん、なんとかならんか。もう1本乗って様子を見ることにした。天気は悪くても人は多いなあ。まあ地元が多いだろうから、慣れっこなのだろう。クワッドに乗って降り口のある山を見ていた。すると、1本目よりもよく見えるのに気づいた。やれやれ、晴れてくれるといいなあ。すると上空の風が強くなったのか、雪を降らせていた雲がスススッ〜と流れていき、うっすらとガスを残して青い空が出てきたではないか。なんだか手品を見ているみたいだ。ふと横を見ると青空をバックにナイター照明がテカテカ光を放っていて、どこか間が抜けている。おい、もう照明はいい、消しなさい!。もしやと後ろを振り返ると、おおおお、海だよ!。青い海が広がっていた。いやあ、びっくりしたなあ!。リフトを降りると狂ったように写真を撮りまくった。 海を見ながら滑るスキー場は今までに何度か体験した。ニュージーランドのマウントハットではカンタベリー平野のはるか彼方に太平洋が見えた瞬間、感動したものだ。八甲田山では遠くに陸奥湾が見えて、それでもこんなに近くに見えるのかと驚いた。しかし本州のスキー場はおしなべて海から遠い。山の標高の高い場所にあるのだから、仕方がないことだ。広い海を見るためには海の近くに急な高い山があることが条件になってしまい、これには鳥取の大山(だいせん)や香川の雲辺寺などがあてはまる。しかし北海道は緯度が高く、海の近くの小高い山(標高200mくらい)でもスキー場が造れるから、簡単に海を見ながら滑るスキー場の条件がクリアできるわけだ。 羅臼では根室海峡を挟んで国後島を見ながら滑ることができた。ウナベツでは流氷を見ながら滑ることができた。しかし、大山や雲辺寺、羅臼では写真を撮ると完全パノラマではなく、手前にじゃまになる山、尾根があったりするので撮影には気を使うものだ。ウナベツは海に向かって斜めなので、斜面に正対するのは海岸線だ。じゃまするものがなく、ほぼ視界いっぱいに海が広がるスキー場には富山の牛岳温泉もあるが、海との距離がだいぶある。 ところがこのオーンズはパノラマコースの上から見て左側から見ると海がいっぱいに広がるので、海の雄大さを存分に味わうことができるうえ、海との距離も近い。いやあ、すばらしい、来て良かったなあ!。いろいろ苦闘が続いたが、神様はちゃんと降りてきてくださったようだ。いや、降りてきたのだ。そうとしか説明がつかん。海の登場があまりにも劇的なので(さんざんじらしを入れやがって)、しばらく感動して動けなかった。 その後、何度も写真や動画を撮ってからダウンヒルコースもまわってみた。こちらは札幌方面の海岸線を見るかたちになり、斜度も急で幅も狭めなので、注意しながら滑る。それでも平野部の広がりと海が美しい曲線で境界を作っているのはオホーツクの海岸線を彷彿とさせてくれた。もし札幌連泊で札幌国際やニセコに行くなら、最終日の半日はこういうところで滑ってみるのも、本州スキーヤーには新鮮でいいだろう。「標高が低くてもスキー場ができるので海も見える」というのは緯度の高い北海道ならではだ。 名残惜しいが、奇跡的に晴れたことに感謝しながら12時50分にオーンズを後にした。 |
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中山峠スキー場 (現地の看板を撮影して加工) 中山峠 スキー場(公式サイト) |
晴天のオーンズからちょっと山の中にはいったとたん、雪がモリモリ降ってきた。うわ、なんじゃこりゃ。周囲に車も無く、寂しい限りだ。降雪の中をコッコと走っていたら、13時30分、忽然と多くの車が並ぶ駐車場にでくわした。これこそ札幌国際で、ほとんどの人は逆の札幌-定山渓から入ってくるのだ。猛烈な雪だが、よくこんなにいるなあ。 定山渓温泉に出たところでニセコ方面へ。そこからまた登り続けて、14時24分に中山峠に到着した。 かなりガスが強く、羊蹄山は見えたもんじゃない。ううむ、それでも滑ってみるか。でも、羊蹄山が見えないのでは、わざわざ来た意味も半減だが、まあオーンズが晴れてくれたのは値千金だから、よしとしよう。2本ほど滑ってあがることにした。景色がよければファミリーで遊びにくるのもいいだろうが、上の地図にある1と5のコースが閉鎖だと初心者にはちょっと厳しいかな。まあ、そのへんは道産子の根性でなんとかなるだろう。15時30分、帰ろうとしたらえらいことになった。猛烈な吹雪だ。ホテルから出ると国道沿いの峠のサービスエリア(道の駅)の駐車場に出て、そこから国道に出るのだが、前が見えない。ワイパーを最高速で回しても降雪とガスで見えないのだ。うわ、まいった、視界は1mくらいで方向も分からなくなってきた。国道に出るのに駐車場の中でナビを見ながら徐行運転するという、まるで潜水艦の中みたいな気分だった。危険なので落ち着くまで5分ほど待った。もし降雪が続いたら、閉じ込められそうな勢いだった。 ニセコ方面はもちろんやめて、ひたすら札幌方面へ。高速に乗るころは小雪になり、18時20分にはレンタカーを返却できた。いやー、天気の変わりようには驚いたが、でもあのオーンズを仕留めることができて、サイトの管理人としては大満足だ。また、いいスキーができますように。 |
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スキー場とは思えない安さだ |
内側から外側を見たところ。 これって、逆なんじゃない? |
ヘルメットに引っ張るストラップ。 英才教育のようだ |
おおい、晴れてきたから消していいんだよ |
最初と全然違うじゃないか! | 海に吸い込まれそうだ! |
雪面ギリギリで撮影。すばらしいパノラマだ | 300mmの望遠効果がきいている |
すばらしい海岸線だ |
なかなか急な斜面だ |
なだらかコースでは子供に注意だ | 途中、札幌国際にて |
中山峠のホテルだ | ホテルのフロントには売店もあるぞ |
すすきのビールだ | 帰りごろ、吹雪に見舞われた |
札幌で雪運びトラックを発見しました! | 生キャラメルは今や北海道名物だ |
【ギャラリー】 | |
視界いっぱいの海だ | |
魚が飛び跳ねているのが見えそうなほど近くに海があるのがいい | |
札幌方面にも美しい海岸線が伸びる |
空港ではやっぱり最後ということでカニで締めてみました。カニのちらし、これが北海道の最後にふさわしい!。 | |||
羊蹄山 (羊蹄山博物館) 中山峠 (道の駅) |
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