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雲辺寺、井川スキー場腕山

      うどんよりも白く
 雪だるま 2008年レポート(7) 四国-2
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雲辺寺 スキー
スキー場の駐車場で。遠くに瀬戸内海が見える。
この下も駐車場だ

 
 四国2日目の空は・・・とりあえず晴れているが、午後は雨が降るかもよ、という予報だ。うわ、じゃあ雲辺寺へ急がなくちゃ。ここは瀬戸内海の青い海を見ながら滑ることができるという、聞いただけでもワクワクするスキー場なのだ。
 7時12分に松山市のホテルを出発。高速道路はほとんど車が走っていない。みんなお金のかからない国道を走っているみたいだが、私には時間の方が大切なので高速道路をかっ飛ばす。途中、左手に瀬戸内海が見える。スキー旅行では見たことが無いほど明るく、空も海も鮮やかな「青」で、今は真夏かと錯覚してしまいそうだ。すばらしい。サービスエリアに入ってゆっくり眺めたくなるのをガマンし、8時40分には雲辺寺に到着した。9時営業開始だからちょうどよかった。
四国 地図
雲辺寺 ロゴ スノーパーク雲辺寺 
(配布パンフをスキャンして加工) 

スノーパーク雲辺寺 公式サイト
地図 雲辺寺
雲辺寺
すばらしい「青」だ。小島もいいアクセントだ
雲辺寺 スキー
四国中央の方面を望む。
エントツの煙モクモクなのが興ざめだが
雲辺寺 スキー場
この1枚だけだが、
初心者にはつらいのでは
雲辺寺 スキー場
展望台から。瀬戸内海が一望だ
 

 スキー場の駐車場からでも瀬戸内海が見える。客も早くからそこそこ集まっていて、始発のロープウェイは満員に近かった。
 もともとこのロープウェイは山の上の寺、雲辺寺に巡礼するために昭和62年にできたものだ。雲辺寺は四国霊場66番目の札所で、標高927mは霊場ではもっとも高い。また香川県と徳島県の県境に位置し、寺は香川第1の札所だが、実際の位置は徳島県側になるという複雑な事情を持つ。ただしスキー場は海に面した香川県側になるので、香川県は「スキー場のある県」になった。
 ロープウェイはやたらと「支柱間の長さは日本一」とアナウンスしていたが、まあよしとしよう。それよりもスキーヤーが使うロープウェイは山奥が相場なのに、こんな海を見ながら乗れることこそ自慢になるんじゃないかなあ。
 ロープウェイで後ろを見ながら乗っているとワクワクする。刻一刻、どんどん景色が良くなるからだ。ああ、本当にいい天気だ。悪そうだなんて脅かしやがって。ところが降車してみたら、徳島側は変な雲がモコモコしている。早く写真撮らなくちゃ。
 とにかく景色がいい。日本中、いろいろなスキー場に行ってきたが、こんなに美しい青い海が見られるスキー場は初めてだ。このあいだのラウスは寒々しく、どんよりした「北の海」だったが、目の前はまるで南国のような、海水浴でもやってんじゃないかと思える「青い海」だ。小さな島がアクセントになり、その「青」を引き立てていた。
 さらにアンマッチなのが、すごく寒いことだ。降車場所の温度計は-7℃という寒さだが、風が強い。そのため体感は軽く-15℃を下回っていたはずだ。写真を撮るためにグローブを外すと、冷たくていつまでも素手でいられないのだ。写真からは想像もつかないだろうが、とにかく寒い。係員に景色を見るために東京から来たと言ったら、今日は天気がかなりいい方で、運がいいと言われた。そう、こんな小さなリフト1本のスキー場に何しに来たかを考えれば、天気図を見ながら一発必中で来たのだから、こうでないと困るのだ。
 スキーコースとしては、事実上、中級斜面が1つしかない。だから初心者には厳しいスキー場ということになる。それでも(ここしかないからだろうが)小学生くらいのスクールが開催されていた。みんなうまくなって、どんどん北海道や本州の本当の冬景色の中で滑ってみて欲しい。数本滑って、施設を見てから雲辺寺を見学し、ロープウェイで降りる。そばやで昼食をとってから井川スキー場に向かって出発した。
腕山 カード

スキー場のメンバーズカード
井川スキー場腕山 
(配布パンフをスキャンして加工) 

井川スキー場腕山公式サイト
地図 井川スキーランド 腕山
雲辺寺 スキー場
これがかいなっ子だ。
いっぱい出てくるぞ
雲辺寺 スキー場
瀬戸内海は見えなかった
雲辺寺 スキー場   
幅もまずまず
雲辺寺 スキー場
ナデシココースは狭くて初心者が多いので注意だ
 徳島に入り、いよいよ井川スキー場腕山(いかわスキーじょうかいなやま)に向かう。腕(うで)と書いて「かいな」と読ませるのはレベルが高いが、相撲技の「かいなひねり」で聞いたことがあるだろう。
 ところでここ、アクセス路がものすごく狭い。昨日のレポートで天狗高原スキー場の西回りの道をスキー人生の三大悪路とか書いたが、これらはみなメインのアクセス道路ではなかった。ところがここはアクセスするには1本しかなく、それがこんなにどえらい狭いのだから話は全然違う。逃げようが無いのだ。午前中で切り上げてくる車に会ったらどうしよう。道端にはスキー場のキャラクターの「かいなっ子」が何度も現われ、あれこれコメントが書かれた看板ではげましてくれるのだが(写真見て)、かまっている余裕はない。するとむこうから車が来た。う、やばい。ところがすぐに向こうはバックし、脇の退避エリアによけて、私を通してくれた。よく見るといくらか間隔を置いて退避エリアがあり、「自分の方が退避エリアに近いな」と感じたら、率先してバックするのだ。強引にエゴをむき出しにして自分が通ろうとするよりも、近い方が率先してバックすれば結局自分も早く通過できる。つまりこういったことを通じて「大人の対応」というものを身をもって覚えていくことになる。そしてすれ違う時にちょっと会釈を交わしたりするのだが、このあたりのコミュニケーションやかけ引きは東京あたりのスキー場には無い、いいものだ。
 それにしてもとんでもない山の中だ。この調子だとセンターハウスは汲み取り式のトイレかと思いきや、到着してみるとスキー場は思いがけないほど立派だ。特にメインのパノラマコースは斜度、幅、距離ともにファミリーの域を超越していて、事前に集めた情報や写真よりもいい感じだ。高知の天狗高原を見た時は、スキー場がたった1つしかない県のスキー場はこんなものかと思っていたので、ちょっとした驚きであった。
 ここのスキー場には、ポイントカードのメンバーズカードがあるというので作ってみた(地図の左見て)。県で唯一のスキー場というならば顧客は独占に近いものだが、そこであえてファンサービスを行っているのは良いことだ。施設も道中の山道からは想像もできない立派なものだ。コースは雲辺寺と同じ事実上リフト1本分の構成なのだが、迂回などのバリエーションがとれるので、初心者、初級者、中級者に分かれている。またパノラマコースの狭いラインはコブ斜面にして、そこは上級コースということになっている。立地を考えれれば、よくできたスキー場といえるだろう。ただし雲がどんよりしていて、遠くが見えない。瀬戸内海は見えたもんじゃないが、雲辺寺を晴天で滑れただけでもよしとしよう。
 滑るならパノラマコースがいいが、荒れやすい。一方でナデシココースはゆるやかでオススメだ。ただし韓国のドラゴンバレーのようにガニ股で滑る初心者でごった返しているので、ぶつからないように注意だ。
 さて、どうしよう。帰りがけ、石鎚山も寄れるかなあ。しかし天気は悪くなりそうだし、あがることにするか。帰りがけ讃岐うどんを食べて松山に向かう。山の方はずっと雲に覆われっぱなしだ。また四国に来ることがあれば残るのは石鎚山くらいだろうが、ここはまた晴天の時を狙って行こう。その時は道後温泉もゆっくり楽しむか。それまでスキー場が無事でありますように。
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雲辺寺 スキー場 雲辺寺 スキー場
あれがロープウェイの駅だ 仲がいいのは良いことだ
雲辺寺 スキー場 雲辺寺 スキー場
ロープウェイの中だ マイナス7度!。ほんとだよ!
雲辺寺 スキー場 雲辺寺 スキー
ロープウェイ内で振り返ると、
瀬戸内海が広がっていた
手が出ているぞ!。
どうやらベンチらしいが、座りたい?
雲辺寺 スキー 雲辺寺 スキー
寺は徳島側、スキー場は香川だ。
レイクタホのヘブンリーみたいに県境をまたがっている
場末の寺だ。蓮の上には千手観音、毘沙門天、
ボードやっているクマ・・・
雲辺寺 スキー 雲辺寺 スキー
すばらしい景色だ 徳島側は天気がおかしいんだよなあ 
雲辺寺 スキー 雲辺寺
手前の山が邪魔だが、とりあえず
瀬戸内海をワイドに見ることができる
初心者にやさしいローディングカーペットだ
雲辺寺 スキー 雲辺寺
瀬戸内海の太陽をいっぱい浴びてうまくなるんだ! 落っこちてきそうなメニュー板だが、
どこかで見たような・・・
雲辺寺 スキー 雲辺寺
雲辺寺の参道はすごい数の羅漢があったが、
どこか趣味が悪い
ロープウェイ駅近くのそば屋。
四国はうどんだけではない!
腕山 スキー 雲辺寺 スキー
えらい狭い山道だ これは方言ですか?
雲辺寺 スキー 雲辺寺 スキー
下は登っていく人用、上は帰る人用だ パウダーは本気にしない方がいい
雲辺寺 スキー 雲辺寺 スキー
こっちはボーダーだ 「いんでな」は「帰ってな」という意味だ
雲辺寺 スキー 腕山 スキー
あの細い道の上とは思えない
立派なセンターハウスだ
こういうのは写真に撮るだけだ
腕山 スキー 腕山 スキー
そういえば西日本は座敷の
休憩所が多かったなあ
こういうの、いいねえ!!
腕山 スキー 腕山 スキー
初心者が多いから初級コースは注意だ 食堂といいつつ、うどんは基本だ
腕山 スキー 井川スキーランド腕山
コブのコースを確保し、上級者コースとする ちびっ子ゲレンデは入場料500円だ
腕山 スキー 讃岐うどん
こういうのも好きだが、動いているともっといい 讃岐うどんは、もはや絶対必須だ
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【ギャラリー】
瀬戸内海 スキー
後ろ向きにリフトに乗りたくなる風景だ。
この写真だけを見せると、合成のように見られるだろう
瀬戸内海 青い海
瀬戸内海の青い海が広がる。
手前の白いのがスキー場の人工雪だ
砂浜 スノボ
この写真だけを見ると砂浜の風景に見えるだろう
(北向き斜面なので、ゲレンデと海の明暗差が大きいのに注意)
腕山 スキー場
【井川スキー場腕山】 本当は瀬戸内海が見える? 
メインのコースはかなりの斜度だ
 
スキー
腕山 スキー 時間が無かったので松山空港で夕食としたが、とりあえず名産っぽい「伊予牛の焼肉定食:1500円」を食べてみた。最近の産地偽装(それも「まさか」と思うような所でよくやっているが)が多くて空港でも油断のならないところだが、伊予麦酒牛とやらはとても柔らかくておいしかった。
スキー
スノーパーク雲辺寺(公式サイト)
雲辺寺
讃岐うどん
井川スキー場腕山(公式サイト)

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