やっと会えましたね | ||||||||||||||||||||||||
2008年レポート(3) 山陰-2 | ||||||||||||||||||||||||
今回の遠征ではどんな基準でスキー場を選んでいるかというと、それは景色だった。このサイトの常連さんはご存知の通り、管理人は高校時代は写真部にいたこともあり、スキーに行くときでも一眼デジタルに交換レンズ2本とコンパクトデジカメを持って何万枚も写真を撮っているくらいで、写真にはうるさい方だ。そのため天気は一発必中を狙っているし、どうせ行くなら景色のいい所に行くようにしている。大山にひきつけられたのも景色が大きい。そのため、たとえ小さなロコスキー場でもすばらしい景色、あるいはきれいな山が見えるとかいった要因があれば、敬意を払って行きたくなるものだ。だから付近に候補がいくつかあると、スキー場に電話をかけて「景色、どうですかね」「何かきれいな山とか、見えますかね」というかなり奇抜な質問をしたりしている。今回のひろしま県民の森はどちらかというと、ここまで来たらとりあえずついでに広島のスキー場を見てみたい、ということなのだが、花見山はここから大山がきれいに見えるという案内に期待して選んだ。 |
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朝早く起きて、松江の宍道湖(しんじこ)を散策した。松江は学生時代、自転車で山陰を走った時にユースホステルに泊まったことがある。真夏で蒸し暑く、すごく汗をかいた記憶があるが、今、寒い時にスキーのために再び訪れるのも一興だ。朝イチリフトに乗れるように出発。山の中へとトットコ走る。全然車が走っていなくて寂しいけど道路は立派で、さすがは元総理大臣の竹下登の地元と思った。すると眼前に忽然と「おろちループ橋」という、土建屋が見たらうっとりするようなすごい橋が現れて、思わず車から降りて見入ってしまった。谷間をぐるぐる回転しながら上がっていく、長野市から飯綱高原に行くときにあったような道路だ。ううむ、油断ならん。そしてここまでくればもうすぐ広島県だ。そう思った矢先、今度は道路の左側にスキー場が現れた。三井野原(みいのはら)スキー場と書いてある。実はこれ、ノーチェックだった。もし島根のスキー場に行くならばその時はずっと西部にある「瑞穂ハイランド」や「テングストン」かなあと思っていたのだ。ううむ・・・どうしよう・・・。見たところ人の気配は無い。ロープトウが動いているのが不気味だ。でも振り切って通過した。と、思ったらまたスキー場がある。よく見たら右側にも。距離はちょっと離れていて、つながっていないようだ。小さなロコスキー場の部落みたいだ。ううむ、時間もあるし、思い切って、ここで島根のスキー場に挨拶しないのも悪いし、一本いくか!。自然とハンドルを切り、スキー場に向かっていった。 |
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三井野原(みいのはら)スキー場 (Web地図を加工) 三井野原スキー場公式サイト |
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ゲレンデトップからの眺めといえば、人の気配の無い集落も見えて、何となくのどかな雰囲気だ。リフトからよく見ると、すぐ隣にも怪しいロープトウのゲレンデがある。しょぼいロープ1本だけのコースのようだ。せっかくだから、行ってみようか。板を担いでちょっと歩いたら、「ヤマシゲスキーグランド」という看板があり、どうやら別の経営母体のようだ。「スキーランド」ではなく「スキーグランド」という名称にしびれてしまった。だがロープはまだ動いていないようだ。付近にはロープトウを動かす動力機の燃料のポリタンクが並んでいて、おじさんが何か作業をしていた。「ん〜、あんたやるの?もうちょっと待ってね」「いえ、あの、いいです、ゆっくりやっててください」逃げるようにして最初のゲレンデへ。のんびり客が集まってきたみたいだが、係員とかの姿は無く、豪雪には耐えられそうにも無いスクールの建物は営業している気配も無い。仕方なくリフト券を売っていた係員(たぶんアルバイトの地元のおばちゃん)にいろいろ聞いてみた。それによると、このあたりには小さな個人経営のスキー場が集まっていて、その総称が三井野原スキー場とのこと。だから経費の安いロープトウだらけで、営業時間はそれぞれ(その日の経営者の気分で)異なるが、このアシハラのペアリフトは町営なのでまだまともらしい。ううむ、そうであったか。スキー場を経営しようという意志は同じだけれども、烏合の衆で結束は弱く、規則などはバラバラ。しかし個々が持つ素朴さはどこか愛すべきものがある。なんだか百姓一揆みたいなスキー場だが、ひさしぶりに感動させてもらった。ロコスキー場もあなどれませんなあ。すぐに広島県に入り、国道のわき道を登るとひろしま県民の森スキー場だ。 |
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ひろしま県民の森スキー場 (ゲレンデガイドをスキャンして加工) ひろしま県民の森スキー場公式サイト |
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さて、車は一路花見山へ。山の中をトコトコ走り、途中で少し開けた場所になったかな、と思ったら、目の前に巨大な猫の横顔の看板が現れた。猫山スノーリゾートとある。そういえば、そんな名前のスキー場があったが、時間が無いだろうから寄らないことにしていたのだ。ところが、この巨大看板にはそそられるものがあった。どこかふてぶてしい、人間をあざ笑っているようだが目を向けようとしない、生意気な猫の横顔だ。ううむ、自宅近くに出没する野良猫も、昔は2、3歩近寄っただけで逃げたものだったが、今では「どうせ来やしねえんだろ」と、斜めを向いて無視しやがる。まさにその面構えだ。ここで看板の猫になめられては、200 SNOW REPORTSの管理人など務まるわけがない。行かないはずのスキー場を看板のデザインが理由で突然行くなんて初めてだが、とにかくシュプールで引っかき傷の2、3本も入れておかねばなるまい。 |
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猫山スキー場 (ゲレンデガイドをスキャンして加工) 猫山スキー場公式サイト |
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猫山を切り上げ、花見山へ向かう。ここでちょっとえらい目に遭う。カーナビは花見山への近道である県道を勧めてくれたのでそれに従ったのだが、これはちょっとした峠越えをするルートであった。そのためしばらくすると急に雪がフカフカのままで、轍が1台分しかない道路となったのだ。しかし借りているのが一番安い小型自動車だったので轍のサイズが合わず、車両が軽いこともあってハンドルが左右にフラフラしてたまらん。対向車が来てすれ違う時は、轍から外れるのが難しいくらいだ。いや、対向車が全く来ないのも不安だ。もし道路脇に見えない溝があったりて、落ちたりしたらどうすんだ。まるで泳ぐようにして登る。バックしようにも切り返せる場所が無く、戻れない。ちょっと遠回りしても183号で生山(しょうやま)に出たほうが絶対に早い。南無阿弥陀仏、どうか無事に切り抜けられますように・・・。1秒たりとも気の抜けない格闘の末、峠を越えて、ようやく路面の雪が無くなり始めたころ、地元民とおぼしき軽自動車とすれ違った。運転手のおじさんと目が合い、お互いニヤッと笑ったのが忘れられない。 |
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花見山スキー場 花見山スキー場公式サイト (パンフレットをスキャンして加工) |
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ベースから見上げるスキー場はところどころに土が露出していて、目を覆いたくなる。右端のホワイトロングコースは大山がきれいに見えるというが、どうだろう。コースは悪そうで、景色が目的みたいなものだからとりあえず1回券2枚だ。リフトに乗ってみた。 ところでこの第3ペアリフト、ボ〜ッとしているとドキッとすることがある。リフト下の木が伸びていて、板に触る場所があるので注意だ。これを知らない一見客は板が引っかかって落っこちるんじゃないかと思って驚かされるという、オチャメなリフトだ。 さて、リフトを降りると・・・なんと、ホワイトロングコースは雪不足で閉鎖だと。な、なんでえ、来た意味ないじゃん。と、よく見回すと、いたいた、いました、遠くに見える御岳がスリムになったような岩山、見まごうことなき大山じゃありませんか。手前の木がじゃまでスカっというわけではないが、見えるのはありがたい。しかもきれいに晴れ渡っている。よし、やっぱりもう一度大山に急いで行かなきゃ。そそくさとスキー場を後にした。 2時40分ごろ出発して一路、大山へ。181号を抜けて桝水へ一直線の道になると、突然富士山のように見える大山が真正面に見える。雪が山のちょうど上半分を真っ白に塗りつくしていて、下半分には白い部分が。よく見たら、桝水スキー場だ。3時25分には桝水に到着した。運動靴のままゲレンデに入ってみた。子供が多く、当然ナイターの時よりもずっと混雑していた。夜は全く見えなかった山容も眼前に広がっていたが、道路から遠望したときよりも白い部分が小さくて、ここが斜面の途中であることがよく分かった。写真を撮りまくり、急いで大山豪円山に向かった。 ほんの10分も走れば豪円山だ。しかし、駐車場は14時以降は700円で17時以降でも500円だという。頭に来て近くの大山情報館前に停めた。交番からそう遠くない場所なのだが、土産物屋に寄る車が多いみたいだ。もちろん運動靴とリュックのまま、車のハザードを点けっぱなしにして豪円山の無料リフトに向かった。リフトから降りると・・・昨日、美しく見えた日本海は夕暮れ時で、かすんでいた。ボワ〜ッと青いのだが、空との境界線がよく分からない。昨日の海を見た者はがっかりする景色だ。で、肝心の大山は・・・振り返ってみたら、おおお、出た、出た、出ましたよん、まさしく大山の山並みだ。夕日で赤味がでているとはいえ、見事な景観だ。手を伸ばせば届くような、ほんのすぐそこにあるのに、昨日は頑として姿を現さなかったのが意外だった。昨日は海、今日は山を見に来たのだと思えばわざわざ今ここにいる意味もあるものだ。 岩壁がスキー場に迫るのは白馬や中央アルプス千畳敷、立山山岳があるが、これらはみな2500m超クラスだ。中国地方の、海に近い、1700m台の山には見えないのがいい。ちょっとしたヨーロッパアルプス気分だ。写真を撮り、大山の夕暮れを見ながら30分以上を使ってしまった。昨日、きれいに見えていたら本当はここには寄らずに花見山からまっすぐに境港へ行って水木しげるロードへ行っていただろう。だがそれはゼイタクというものだ。わざわざ無理して立ち寄った甲斐があったものよ。名残を惜しみつつも、宿題を残さずに大山を後にしたことに満足した。 飛行機は最終だったので、境港を1時間くらい見学する時間ができた。2日間で8ヶ所、しかも2日目は2ヶ所の観光付きという、延べ10ヶ所のハードスケジュールだったが、中国地方の4県を回れて、大山を見られたことで十分だ。 余談だが、3日後、上蒜山、ベアバレー、花見山は雪不足で閉鎖となった。一度オープンしていても油断はできないのだ。読者のみなさんも天気と積雪については事前のチェックを忘れないでほしい。 |
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三井野原にもSAJの手は伸びていた! | 廃墟と化した食堂みたいだが・・・ |
ボードパークみたいなのがあるが | ゆっくり滑ろう |
のどかでいい感じだ | ヤマシゲスキーグランドだ |
木造のリフト小屋だ | 【ここからひろしま県民の森】 ベースは広い |
ストーブの暖房は雰囲気がいい | 2階は座敷になっていて、すごくいい |
第3ペアリフトから第2の乗り場を見る | いいねえ! |
かっこいいバイクだ | 猫山のレイアウト。 いっそのこと、山頂からやってみたら? |
センターハウスへの上り口だ | インフォメーションも充実だ |
雪は・・・んん・・・ | ゲレンデからピラミッドを見下ろす |
正面が道後山で、左にスキー場が見える | スフィンクスコースが人気だ |
【ここから花見山】 雪がないな〜 |
や、やばいぞ |
木製のベンチに灰皿の缶。なごんでいる | ゲレ食はまずまず |
いたぞ!よし、行くからな! | 上でさえ融けた跡がある |
下山に困るなあ | 大山が美しい。 電柱を避けるためあぜ道に入って撮影 |
桝水近く。大山はすぐそこだ | 【大山スキー場】 昨日は見えなかった山頂部分 |
大山を背に。右側の岩、五竜の武田菱を彷彿とさせる | 装甲車を改造したバンだ。 おじさん、カメラ目線ありがとうございます! |
無料リフトの上の駅。大山が美しい | これが下山リフト。管理人の足が見える |
大山情報館。このあたりに駐車した | 道路から大山全体を見る |
なんだ?キャタピラ付きの車だが | バックミラーも運転台も無い。 牽引してもらうのかな? |
境港駅前、水木しげるロードにある 鬼太郎の郵便ポスト |
目玉おやじの街灯だ |
妖怪豆腐小僧だ。 こんなのがいっぱい並んでいたぞ |
米子と境港を結ぶ鬼太郎電車だ |
分かりづらいかも知れないが、 タクシーの頭もめだまおやじがいた |
カニ丼と釜揚げそばのセットは1,490円だった。 米子空港で |
境港は松葉がにでも有名だ | 米子空港内で。また来ようかな!? |
【ギャラリー】 | |
【ひろしま県民の森スキー場】 雪は良かった。毛無山がカワイイが、乳首が並んでいるようにも見える |
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【猫山スキー場】 雪が少ないが、中上級コースはすいている。 | |
【桝水スキー場】 富士山のように見える | |
【大山スキー場】 夕暮れの大山。こんなだったとは・・・ | |
【大山スキー場】 上の写真を望遠で。ド迫力の岩山だ |
今回は1月上旬としては雪が多かったので山陰を選んだが、やはり場所によっては積雪量が少なくて一抹の不安があった。飛行機やホテルの予約を入れたあとで気温が上昇してクローズになる可能性があったので、もし各地がメロメロだったときのために場合によっては境港市や松江市でも丸一日の観光に使って時間を無駄にしないようにした。トップシーズン以外のシーズンでは、常にそういう場合を想定しよう。 | |||
三井野原スキー場 おろちループ ひろしま県民の森スキー場 猫山スキー場 花見山スキー場 桝水高原スキー場 豪円山・上の原スキー場 雪上車 大山観光(鳥取県文化観光局) 境港市観光協会 水木しげるロード |
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