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上蒜山、ベアバレー、大山、桝水高原

      たのむから晴れてくれ
 雪だるま 2008年レポート(2) 山陰-1
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 2007/08年は狭山のレポートで話した通り、身内に不幸があってスキーに行く気になれないシーズンだった。しかし、いつまでもシケシケしていると自分までまいってしまいそうだ。そして思いついたのは、「遠くのスキー場に行く」ということだった。それは飛行機でいくような、ちょっとした旅行のようなスキーを意味する。気分転換にはそれくらいがいいだろう。そういうわけで雪が早かったこともあり、一度は行ってみたいと思っていた大山(だいせん)に行ってみることにした。ここは山陰地方を代表するスキー場として知られるが、ある写真を見たらヨーロッパアルプスのような岩山がドドンと背後に控えているのにも関心を引かれた。よし、どうせ行くなら天気がいい時に景色を見に行こう。大山のすぐ横には桝水というスキー場もあり、ここはイエティから見る富士山のように大山を眼前に見ることができるという。ナイターでは米子(よなご:コメコではない)の夜景もきれいだという。完璧ではないか。3日前まで天気予報とにらめっこし、晴天ということでいきなり飛行機とホテルとレンタカーを予約し、土曜日の早朝、羽田から米子へ向かった。
山陰4県スキー場地図
米子空港
米子空港から大山方面を見る

 米子空港が近づき、飛行機が降下を始める。日本海は冬の晴れ間にキラキラと青く光っている。すばらしい。そろそろ大山が見えるころ・・・のはずが、なんと山の方は雲がどんよりとしている。大山らしき方面は雲に覆われて見えない。そしてなんと、米子空港に降り立ったときは小雨が降っていた。いったい、これはどういうことかね?。寒いからそれでもスキー場は雪だろう、と思って電話を入れたら、「雨降ってますねえ」だと。しかも「大山?。昨日は良く見えましたが、今日はだめです」と悲壮なことをいいやがる。ううむ、どうしよう。しかし今まで雨天でも強行突入したらやんでくれた、ということが何度もあった。日頃の徳の積み方にものをいわせて、行ってみるか。万が一の場合はすぐ近くの境港にある水木しげるロードに見学に行こうというオプション計画を持っていたのだが、やはり私はスキーに来たのだ。9時に米子空港を出発した。そして車を走らせて大山へ。ところがスキーにはゴーグルが苦しいくらいの雨が降っている。それ以上に、大山が見えないのだ。無料駐車場にはけっこうな数の車があって、それなりの客がいたが、私はこういう時のためのオプションとして用意していた岡山の上蒜山(かみひるぜん)スキー場に行くことにした。岡山側は雨は降っていないという。こんな時でないと岡山県のスキー場なんて滑る機会がないだろうし、今日の宿は松江なのでどうせ帰りがけににいったん大山に戻るので、その時晴れてくれればラッキーだ。そういうわけで駐車場を出て高速道路に向かい、岡山県の上蒜山スキー場に向かった。
上蒜山(かみひるぜん)スキー場 
(Web地図そのまま。パンフレットをスキャンして裏面が
透けたままサイトに載せているのがたまらない) 

上蒜山スキー場公式サイト
上蒜山 地図
上蒜山 スキー場
イチョウの葉のように広がるゲレンデ。
方角によっては空が暗い
蒜山 スキー場   
白い三平山が光っている
 さて、高速道路を走って岡山県側に入ってみると、雨は降っていない曇り空だ。しかも右手にかなり本格的な斜度を持ったスキー場が出現!。おお、かっこいいじゃないの!。ところがカーナビはインターから反対方向に誘導していく。このかっこいいのは「ひるぜんベアバレー」というスキー場のようだが、上蒜山はずっと鳥取県境に近い山の中だ。
 土がむき出しの駐車場から、長い上り坂を歩かされてやっとゲレンデへ。着いてみて驚いた。ソコソコの数の家族連れがいるではないか。どうなっちゃうんだという、ありがちな悪い予感が大ハズレだ。リフトは1本だけだが斜面は広い。扇型の1枚バーンは子供が迷子になることもないだろう。またゲレンデの割りにレストランなどの施設はまずまずで、家族連れが安心して来やすいようだ。1回券を3枚だけ買って滑ってみよう。リフトに乗ってふと振り返ると、後方には白くて丸い山が見える。おお、これはあなどれない、カッコイイ!。モンブランに似ているじゃないか。ひょっとしてブランシュ・ド・ヒルゼンなんて名前じゃないかしらん。リフト係に聞いてみたら、三平山と書いて「ミヒラ山」だって。いっそのことサンペイ山でよろしい。想定外であったが、とりあえず岡山県のスキー場を滑ることができて、管理人としてはまあいいかという感じだ。それよりも心は来る途中にあったベアバレーに傾いている。ゲレ食で聞いたら、若い人はみんなそっちに行って、ここは子供づればかりだという。なるほど、ちゃんと狭いエリアですみわけができているということね。さっそくベアバレーに向かうことにした。
ひるぜんベアバレースキー場 (Web地図を加工)
ベアバレー キャラクター

ひるぜんベアバレースキー場公式サイト
ベアバレー 地図
ひるぜんベアバレー
熊が吠えておる
ひるぜんベアバレー
遠くに三平山の頭が見える
フォックスロックコースで
天ざる
そばの館で。天ざる大盛1130円だ
 ICに戻るように走ると、途中にベアバレーへの道がある。ここは駐車料金500円をとりやがるのだが、ドロの上に駐車する上蒜山と比べれば仕方ないか。このころ雲がだいぶとれて空が明るくなってきた。シメシメ。
 ちなみにベアバレーとは、地名の熊谷を直訳したものだが、それ以外に美しく(Beautiful)、どきどき(Exciting)、冒険(Adventure)、リゾート(Resort)をテーマにしたスノーリゾートという意味も込められているらしいが、もちろん後付けだろう。
 先に施設内部を見たが、センターハウスも休憩所もなかなかきれいでいい。特に休憩所は分煙されていて、喫煙エリアには空気清浄機もあり、もしかしたら家族連れへの配慮かもしれない。
ゲレンデはというと、ペアリフト1つにたよる形だが、うまく強い斜面と緩い斜面が組み合わさってバランスのとれたスキー場となっている。地図にある左側のベアーズバックコースが最も滑りやすい。雪の量が多いせいでもあるが、比較的均一斜度で滑るとだんだん幅が広がっていくのがいい。座り込んでいるボーダーが多いのが難点だ。逆に右側のフォックスロックコースはすいてはいるものの、斜度が強くて雪付きも悪く、新品の板の人はくれぐれも注意だ。またこのコースの途中にはきつね岩と呼ばれる巨岩があり、斜面の下から見ると岩の下に小さな祠があるのがいい。それにしてもきつね岩があるからフォックスロックという、直訳が好きなスキー場だ。遠くに三平山が見える。手前の山がじゃまして上部の白い部分だけがちょこんと見えるのがセクシーでいい。
 さて、1時過ぎだが遅い昼食を蒜山IC近くの「味覚工房そばの館」でとる。蒜山産の石挽き手打ちそばの店というので、もし岡山のスキー場に来た場合のランチに予定していたのだが、なかなかうまくて正解だった。もし鳥取が晴天だったら来ないはずだったのだが、ちょっとした雨宿り感覚の観光スキーであった。高速道路に乗って鳥取県へ戻る。
 鳥取側は雨はやんでいたが、途中の道からでも、大山は雲に覆われてさっぱり見えなかった。桝水(ますみず)を通過するころは米子市方面は日本海が見えるほど空も明るくなっているのだが、山の方はさっぱりだ。それでもこの調子なら日暮れまでに大山も見えるだろう、という薄弱な根拠に基づく確信を持って大山へ向かった。
大山スキー場 (Web地図を加工) 
大山国際スキー場  中の原スキー場 上の原スキー場、豪円山スキー場
大山 地図
大山スキー場
豪円山スキー場。
遠くに日本海が見えるが手前の山がじゃまだ
大山スキー場
あの中の原スキー場の向こう側に
大山が広がっているはずなのだが・・・
大山スキー場
大山の斜面が見える。
ううむ、もうちょっと上を見せてくれ・・・
大山の豪円山(ごうえんざん)に到着。ここには無料の駐車場は無いのだが(朝立ち寄った無料駐車場はスキー場から離れていて往復200円の送迎バス利用で、時間がもったいない)、午後からでも1000円もとりやがる。3時以降は700円というが、もちろん時間優先で泣く泣く1000円払う。連絡リフト(無料)で豪円山へ。
 この豪円山からいきなり、米子市と弓ヶ浜の海岸線が見えるのだ。おおお、すばらしい。来た甲斐があったなあ!。しかし手前にじゃまな山があって、バッチリ見えるほどでもない。この初心者だらけの豪円山を1本だけ滑って、急いで上の原へ向かう。ここのトップは大山国際のトップと並んで「絶景ポイント」としてパンフレットにうたわれているではないか。いや、このスキー場のキャッチコピーが「絶景スキー場」なのだ。ワクワクして上の原のトップへ。おお、すばらしい、さらに海岸線がくっきりだ。海の方はきれいに青空が広がっていたが、山の方はどんよりとした黒ずんだ雲が大山を覆っていた。天気予報の米子は晴れというのは当たったでしょ、と言わんばかりだ。しかし大山の雄姿、見たかったなあ。大山国際へ移って再び最高地点へ。ここからも海岸線はきれいだが、コースは斜度が強く荒れているので注意だ。
ところでこのスキー場、それぞれ経営母体が異なるのはモロに分かるのだが、連絡路はしょぼいので覚悟だ。また地図を見ての通り、ロングコースは無くて雑然とした印象が強いのだが山陰としてはこれ以上望むのはゼイタクというものだ。
 豪円山へ戻る。途中、中の原でもう一度トップへ。夕暮れ時刻になり、空が赤く焼けはじめた。海岸線のかすむ景色も美しいが、最後の最後まで大山が姿を現さなかったのは本当に残念だ。
 日が暮れてしまったので、桝水(ますみず)に移ることにする。この桝水は桝で量ったように正確に水が湧き出るからその名が付いたという。なかなか実直でよろしい。しかも大山と同じく米子の夜景を見ながらナイターを滑ることができるという。いろいろ調べたら、ナイターは桝水の方が良さそうな感じなのでちょっと走ってみることにする。とりあえず夜景は見られそうだな・・・。
桝水高原(ますみずこうげん)スキー場 
桝水 キャラクター
桝水高原スキー場公式サイト
(Web地図を加工) 

桝水スキー場
桝水 ナイタースキー
海岸線がきれいだ
駐車場は結構すいていた。それでも客数は10名くらいか。ベースからゲレンデ上部を見上げると正面に大山がアップで迫っているはずだが、漆黒の闇だ。期待しながらリフトに乗ってゲレンデトップへ。すると・・・・おお、夜景がきれいだ。弓ヶ浜の海岸線に沿って明かりがきれいな曲線を描いており、それが闇夜に浮かんでいるようでなんともいえない。昔、木曽福島にある新和木曽駒スキー場のナイターに行ったら、山の中なので逆に真っ暗闇にゲレンデが浮いているようで、まるで地獄の底で滑っているようで不気味だった。やはりナイタースキーは夜景が重要だと思った。ここはナイターが人気なのか、だんだんと客が集まりはじめた。ここからの大山も見たかったなあ!。明日は島根と広島を滑る計画なのだが、もし花見山スキー場から大山がきれいに見えたら、帰りがけに景色だけ見にきてやろうか。数本滑ったあと、松江のホテルに向かった。明日こそは晴れますように・・・。
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上蒜山 駐車場 上蒜山
上蒜山スキー場。
駐車場からゲレンデまで、この直線を登っていくのだ
広々としている
上蒜山 上蒜山
きこりの小屋みたいだ 休暇村らしく、券はちゃんと印刷して
通し番号を入れている
上蒜山 三平山
振り返れば三平山 なかなか優美な曲線の山だ
上蒜山 上蒜山スキー場
食堂はしっかりしている あの輪で滑る練習をさせていた
上蒜山 上蒜山
ささやかなジャンプ台が 三平山に向かって!
ひるぜんベアバレー ベアバレー
【ここからベアバレー】
施設はいい
だいぶ晴れてきた 
ベアバレー ベアバレー
雪降ろしの最中 こちらも食堂は充実
ベアバレー ベアバレー
休憩室もいいぞ 休憩室の奥には喫煙所があり、
空気清浄機まであったぞ
ベアバレー ベアバレー
改札は立派だ このリフト1本しかないので混雑だ
ベアバレー きつね岩
ベアーズバックコースは
斜度がマイルドだ
これがきつね岩だ
キツネ岩 ベアバレー
きつね岩を下から見ると
祠があるのがわかる
ここで直してちょうだい
ベアバレー ベアバレー
キャラのお出迎えだ リフト乗車位置でボーダーが手をかける棒の先には・・・。
思わず「うゎ」とか言いそうだ
ベアバレー ベアバレー
ちょうどいい斜度だ 下は広いバーンだ
桝水高原 豪円山スキー場
【桝水高原を通過した時】
大山の上だけ見えない!
大山豪円山ではお地蔵さんのお出迎えだ
キャタピラの雪上車 雪上バイク
おお!戦車を改造した宅配車だ!! これ、雪の上を遊ぶためにあるのだろうか
大山スキー場 大山スキー場
ペアリフトでもローディングカーペット
をつけるのは、初心者が多いから?
手をつきやすく!。初心者向け
の大切な配慮だ
大山スキー場 大山スキー場
日本海がきれいだ 見渡しもいい。空も青いんだが・・・
大山スキー場 大山スキー場
大山の方は相変わらずどんよりだ リフト前にチケット売場とゲートがある二段構え。
白馬八方尾根みたいだ
大山スキー場 大山スキー場
センターフォーとよんでちょうだい。
なかなか味わいのある木造だ
フード付きペアリフトだ
大山スキー場 大山スキー場
リフトの下には小回りの跡が 大山国際側のトップはコブ斜面もある
大山スキー場 大山スキー場
このカッチョイイ雪上バイク、左はカワサキで右はヤマハだ 同じことを言っているのだが、木の標識も渋くていい
大山スキー場 大山スキー場
この飛行機の管制塔みたいなところから監視しているのだ 大山の7割くらい見えてきたが、時間切れだ
大山スキー場 大山スキー場
宮城蔵王すみかわでも見た、
三角おにぎりキャタピラタイヤの車だ!
こうやってちゃんと曲がれるのだ!
桝水スキー場 桝水スキー場
【ここから桝水スキー場】
ナイターはよさそうだ
センターハウスは素朴だ
桝水スキー場 桝水スキー場
ビニールハウス?
いいえ、休憩所です
ストレートなバーンだ
桝水スキー場
雪質はまあまあだ
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【ギャラリー】
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大山スキー場
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【大山スキー場】 日本海がすばらしい
大山スキー場
【大山スキー場】 夕暮れの大山。遠くに弓ヶ浜の美しい海岸線が映える
桝水スキー場 ナイタースキー
【桝水スキー場】 ナイターに海岸線の夜景が浮かぶ
 
スキー
 今回、天気については想定外の状況が起きたが、「万が一○○だったら、※※する」といった計画をいくつも持っていたので、うろたえて時間を無駄にすることは無かった。自分の思い通りになるだろうと世間を甘くみてはいけない。このサイトの読者のみなさんには、事前に多くの情報を集て準備しておくことをお勧めする。その多くは結局実現しないわけだが、その収集過程がまたスキーの楽しさだと思って楽しむようにしよう。
スキー
上蒜山スキー場

ひるぜんベアバレースキー場
蒜山観光協会
味覚工房&茶房 「そばの館」
大山国際スキー場
豪円山・上の原スキー場
中の原スキー場
桝水高原スキー場
大山観光(鳥取県文化観光局)
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