こりゃあ面白い | ||||||||||||||||||
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今回の山形遠征で一番ドキドキだったのは、山形蔵王だった。何が何でも一発必中で樹氷を見てみたかったからだが、初日にしてあっけなく達成できたので、あとは余裕だ。さて、当初予定は黒伏高原ジャングルジャングルと面白山をペアにして、1日でまわろうという計画であった。黒伏高原は比較的新しくできたスキー場で、デモの粟野選手がいたことで有名だ。面白山は電車でないとアクセスできないという、珍しいスキー場で、そういう個性の強いスキー場はぜひおさえておきたい所だ。ところが、この遠征のちょっと前に知り合いがなんと山形県出身で、技術選の山形県予選に参加したくらいの人だということが分かったのだ。話を聞くと、やまがた赤倉というすごいスキー場があって、行かなくちゃダメだとか言う。ううむ、どうしよう。せっかくここまで来たのだから、早起きして行ってみるか・・・。かくして3ヶ所めぐりという、かなり強引な2日目になってしまったのであった。 | ||||||||||||||||||
やまがた赤倉温泉スキー場コースガイド(Webパンフ)を加工 やまがた赤倉温泉スキー場公式サイト |
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尾花沢から道に気をつけながら9時過ぎに赤倉温泉スキー場へ。ほぼ一山越える感覚だ。峠を降りたすぐのところにそのスキー場はあった。 びっくりした。どうせ田舎のスキー場だ、ちんまりしていて、温泉前にちょっと運動するのにいいくらいだろう、なんて思っていたら大間違いだ。まるで八方のリーゼンのような堂々としたコースがデンと立ちはだかる。よく見ると、初心者コースだのファミリーゲレンデみたいなのが無くて、いきなりメインディッシュが出てきたという感じだ。しかも、ちょっとアンタ、レースのタイムと順位を掲示する大きな電光掲示板まであるじゃないの。斜面にはポールが張られていて、どうやら今日はレースがあるみたいで、ヘルメットをかぶった子供が何人もいる。もう、まるで見てはならない虎の穴を見てしまったという心境だ。なにはともあれ、最高地点まで行ってみよう。ちんたら登るペアリフトを乗り継いで最高地点へこれまた思いがけなく立派なスタート小屋があって、ワールドカップで使われても遜色ないというか、アルタバディアの男子W杯大回転コースのスタート小屋よりも立派なものだ。小屋からは次々と選手が気合と緊張の中で滑り出していった。そういうわけで国体コースは貸切状態だ。 となりはナント海和コースという名前のコースだ。実は海和俊宏(日本人で初のFISワールドカップアルペンスキーで第1シードになったスキーヤー)がこの山形県最上(もがみ)町出身であることに由来する。それを初めて知って、ものすごく納得してしまった。やはり海和選手が沖縄に生まれていたら、まずW杯に出場はしていなかっただろう。人が育つには環境がとても重要だ。 ただし、圧雪は大味で(国体コースのレースに時間をかけたせいか?)、かっとばそうという気になる斜面ではなかった。それにしても、なかなか強烈なスキー場だ。 ちょっと気になったのが、駐車場で赤いランプをくるくる回したパトカーが駐車してあったこと。スキーヤーの中に容疑者が紛れていて、逮捕しにきたのかな?。そうではないらしい。リフト乗り場には、「車上荒らしが発生しています!!。車内に貴重品を置かないでください」という注意書きがベタベタ貼ってあり、思い当たる人は駐車場に戻れ、という勢いだ。係りの人に聞いたら、このあいだ、車上荒らしが発生してかなりショックだったらしい。今日はレース大会でもあるので、パトカー出動で警戒に当たっているという。ううむ、弟の住むマンションでは3台の車がカーナビ強盗に遭っているという東京から見ると、どこかのどかな気もしなくはないが。よほど平和なところなのだろう。ゲレ食も値段が安くていい。どこかホンワカした雰囲気の中にも、オリンピック選手をもっと輩出してみせるぞという野心が感じられる、あなどれないスキー場であった。 |
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黒伏高原スノーパーク ジャングルジャングル コースガイド(Webパンフ)を加工 黒伏高原スノーパーク ジャングルジャングル 公式サイト
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このスキー場はマップにあるとおり、限られた面積にいくつものコースを縦横に設定してコース延長をかせいでいるというつくりになっている。特徴的なのは、ボーダーが遊ぶような人工のジャンプ台、ウェーブなどをスキーヤーにも開放しているということで、これはスキー場内でいくつも見ることができる。そういう意味でスノーパークと呼ぶにふさわしい内容にしているようだ。 もうひとつ、このスキー場を特徴付けているのが、眼前に見える黒伏山だ。これは黒い岩山が断崖になっていて雪が付かないので、冬でも真っ黒に見えるものだ。まるで、スイスのアイガー北壁を見ているかのようだ。ううむ、いいんじゃない?。これが実にいい感じだ。また、この山がどこからでも見えるので、自分の位置を確認するのが簡単だ。 厳密にはこのスキー場は白髪山山系の水無山の中腹に広がっているのだが、対岸の黒伏山の名を冠するにふさわしいくらい黒伏山は印象的で、重要な役割を果たしているといえる。(苗場スキー場は、かなり離れた場所にあって道路も無い苗場山の名を冠しているが、スキー場があるのは筍山(たけのこやま)だ。山そのものは国道沿いで地形がスキー場に向いているのだが、「たけのこプリンスホテル」なんて名前だったら、客は激減するだろう。) ここは1回券3枚しか滑らなかったが、時間さえあれば1日券で滑っても楽しめそうなスキー場だ。 とりあえず1時20分には黒伏高原を出発した。 |
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面白山高原スキー場 コースガイド(Webパンフ)を転載 面白山高原スキー場 公式サイト ![]() |
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ただしJR面白山駅はスキー場の目の前、というか、中にあるので、降りて1分も歩けばセンターハウスに到着となるという。このあたりは越後中里もそうだが、やはり電車でしかアクセスできないというのはここだけだ。 もうちょっと電車のことを話すと、電車に乗らないと行けないスキー場は何回か経験していた。オーストラリアのブルーカウは国道沿いに地下鉄駅があり、電車に乗ってペリッシャーまたはブルーカウの駅にアクセスする(両者はつながっているが)。また、ツェルマットのゴルナグラートやスネガには電車でアクセスして滑り出す。ただし、乗客は全員スキーヤーだ。ところが面白山は一般の客と一緒であり、地元客は慣れているものの、観光客はスキーヤーがブーツをはいてウェアを着たまま板をかついでドコドコ入り込んでくるのにびっくりするらしい。 山寺には2時ごろ到着。いちおういろいろ調べていたので、まず駅前の「おのや」に駐車した。このペンション兼食事処はスキー場の経営母体でもあるらしい。ここで14:54の仙台行きに乗ることを決めて、食事にする。電車は1時間に1本くらいしかないので、時間をうまく使うには時刻表が不可欠だ。 さて、14:54の仙台行きに乗って、15:05には隣の面白山に到着した。この時間はまだ空は明るいものの、山間なので日陰はことさら広がって斜面は沈んだ感じだ。 とりあえず最高地点まで。ところでこの面白山スキー場は正確には南面白山の北斜面にあり、面白山はスキー場の正面に、上部が白く見える山だ。つまりスキー場の名前は近くのよく見える山の名前をとっているわけだ。そういう意味で黒伏高原と似ている。 それにしても9合目あたりまで木があって、てっぺんだけいきなり白いとタコ入道みたいで愛嬌がある。またコースも笑いをさそうようなスキー場名とは異なり、なかなかクロウト向けのバーンで、ファミリー向けという印象はない。それでも、いつでもすいているというから上級者の練習にはいいかもしれない。 ところで気になることがひとつ。私は最初、このスキー場の名前は最近になって客寄せのためにつけたのではないかと思っていた。しかしもともと存在する山の名前に由来すると聞いて、ではなぜそんな名前を山の名にしたのか、に興味を持つようになった。 すると駅のホームには面白山の由来があって、「南面白山の山中には滝があり、その中ほどからは水流が3本吹き上げるように流れていて、その様子が面白いということで里人はこれを権現として面白権現と名付けたのが山の由来です」とあった。しかしスキー場の下部には大きな看板があって、「冬山の雪の美をとらえ、面の白い山、すなわち面白山とした」とある。そう、interestingではなくて、white face という意味なのだ。異なる説の看板が近い場所に立っているというのも面白い。どちらが正しいのか謎だが、私は後者が正しい気がする。いかがだろうか。 |
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ゴール付近 | レモンティーの振る舞いがありました。 ごちそうさまでした! |
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パトカーが赤色灯だけ点けていた。 なにごとかと思いきや・・・ → |
「車上荒らしが発生しております!!」の3連打だ。 そうとうショックだったようだ |
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左側のコースにはボードパークもあったぞ | 圧雪は部分的で、全体的に固めだ | |||||||||||||||||
緊張感がただようスタート小屋前だ | いい感じのスタート小屋だ | |||||||||||||||||
スタート前はここで神頼みだ | 遠くの景色もいい | |||||||||||||||||
レースが始まったぞ | エンジン付きのチョウチンを背負っているのかと 思ったら、硫安を撒く機器のようだ |
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こんなに低いリフトは韓国にもなかった。 危なくないかなあ? |
電源があれば、ワックスがけの アイロン台にも使えそうだ |
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レースコースの脇を滑らせて もらいました |
最上名物あげまんじゅうは栗が入っている。 手前のたくあんは自由につまんでいい |
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9インチミックスピザ600円、ミートソース、ナポリタン450円、 チョコレートケーキ、チーズケーキ200円・・・絶句した。 |
【ここから黒伏高原】 ニギニギしい、怪しいバスが・・・ |
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バスの内部は休憩室だ。 自動販売機もあるぞ |
換気扇、喫煙器具もある | |||||||||||||||||
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山全体がコースといった感じ | いたるところにウェーブがある | |||||||||||||||||
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正面にボワっと月山が見える | コースはどれも狭くはない | |||||||||||||||||
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黒伏し山とセンターハウスだ | いいねえ!! | |||||||||||||||||
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男子トイレは右らしい | 玉こんにゃくは山形では必須だ | |||||||||||||||||
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いい感じのレストラン内部だ | スキー場の名がついた名物はこれ。 時間があれば食べたかった。 |
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毎度しつこいですが | きっと、こけしの影響を受けているに違いない | |||||||||||||||||
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センターハウス前は広い | これもスキーヤーも使っていい | |||||||||||||||||
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トイレであり、タンクローリーではない | 山寺駅の前から。正面の断崖や山の上に お寺の建物がある |
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これが「おのや」だ。隣でペンションもやっている。 面白山スキー場の経営母体らしい・・・ |
ええと、おもしろやまは・・・ | |||||||||||||||||
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この時間から面白山方面に向かう スキー客は少ない |
ちんまりしたセンターハウス | |||||||||||||||||
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リフトからゲレ食の窓を見ると・・・ 「安くておいしい店、パラダイス。 いってらっしゃい、お待ちしております」 |
コースは広々としていて、なかなかいい | |||||||||||||||||
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正面が面白山だ。上部が白くなっている。 三角形の立派な建物にはスキースクールが入っている |
暮れなずむゲレンデ | |||||||||||||||||
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駅員はいないようだ | 単線だから両方面を1つの ホームでやりくりする。これは山形行き |
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【ギャラリー】 | ||||||||||||||||||
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【やまがた赤倉温泉】 レースの様子。どんな気持ちでスタートするのか・・・ | ||||||||||||||||||
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【やまがた赤倉温泉】 海和バレー下部あたり。斜度もコースも景色もいい | ||||||||||||||||||
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【黒伏高原】 ミニ・アイガーといった感じの黒伏山。 標高が高くなくとも、威厳を保っているようだ。 |
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【面白山】 面白山スキー場最上部より面白山を望む。 なかなかチャレンジングなバーンだ |
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![]() 山寺駅周辺は有料駐車場だらけだが、ここで食事するとタダで駐車場を使わせてくれる(キーは預ける)。食事をしないと相場の500円を取られるから、精進プレートは600円で食べられることになる。また、自分が乗る電車を伝えて、作るのに時間がかからないかも念押ししておこう。 そしてさらに、あなたが行くときは以上を再度確認してから行こう |
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![]() 赤倉温泉スキー場 (公式HP) 黒伏高原スノーパーク ジャングルジャングル (公式HP) 面白山スキー場(公式HP) 「おのや」と同じ 精進プレート |
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