こんなにすごかったんだ | ||||||||||||||||||||||||||||||
2007年レポート(4) | ||||||||||||||||||||||||||||||
2007年の1月は年明けの仕事が忙しかったのと、2月にイタリアに行くことが決まったので、その分の仕事の前倒しとかも重なり、結構慌しかった。さらには暖冬がはっきりしてきて、「よし、スキーに行こう」という気がしないのだ。こういう時に足慣らしと気分転換を兼ねてスキーに行くとなると日帰りしかないが、日帰り圏は行き尽くしている。それでも日帰り圏でどうしてもリベンジすべきとなると、それは水上にある谷川岳天神平しかない。 ここは雪が早いので、スキーを始めて3年目くらいの12月ごろに行ったことがある。当日は悪天候が分かっていたのだが、練習できれば関係ナイワイと思ってシーズンはじめの足慣らしのトレーニングに来た。結構混雑していたし、景色なんか何も見えないうえ、ゴンドラ駅まで降りる田尻沢コースはまだ閉鎖されていたので、スキー場の持ち味の半分も経験できなかったが、そのときは板を履けたことだけで満足していたものだ。 今回は天気が悪かったら何の意味も無いわけだが、なかなか良さそうだし、じゃあ行ってみるか!。 |
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谷川岳天神平コースガイド(Webパンフ(スキー&スノー)を加工) 谷川岳天神平公式サイト |
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リフト券は午後券はあるが午前券は無く、1日券は4000円だ。ゴンドラは1回券だと片道1200円なので、田尻沢コースを2回もやれば午前中におつりがくるだろうから、1日券を買った。 さて、フニテルに乗ってみると、おお、こりゃあいい感じだ。沢に沿ってグングン登る。ほどなく天神平に到着した。 この天神平はコースガイドにもあるように、山の上にある平坦な部分を指す。斜面もスキーに向いている斜度が広がっている。 到着したら最初に、ゴンドラ駅から左に歩いていったところにあるリフトに乗り、高倉山に登るのがいいだろう。ここからの谷川岳の眺めは抜群だという。後ろを振り向かずにリフトに乗り、降車してからもドキドキしながら振り返ってみると・・・おおおお!、すごいじゃないの!。真っ白になった谷川岳がモロだ。高い樹木がないためか雪で真っ白だ。しかもゴツゴツした荒々しい岩山としての貫禄は格別だ。さらに距離的にも大変近いので迫力がある。東京からこんなに近くて、これだけの景色が見られるとは、200 Snow Reportsの管理人としても脇が甘かったと反省しきりであった。 谷川岳は群馬県と新潟県の県境にある1977mの山だ。なんだ、志賀高原より低いじゃないのと思うだろうが、実は遭難死者の数ではダントツ世界一という山だ(統計がとりはじめられた1931年から2005年までに781名が遭難死、これはエベレストの4倍以上)。もっとも遭難死者の多くは写真の裏側にある一の倉沢などの岸壁でのロッククライミングによる死亡事故が多いのが原因だ。リフト係の人から聞いた話だが、以前、若者の山岳熱が高まった時代、多くの首都圏のクライマーが押し寄せていたらしい。しかし最近は若者も他にやることが増えたのか、遭難事故はほとんど聞かなくなったとのことだ。 さて、高倉山の斜面はかなり圧雪が乱暴だが、傾いていなくて、スキーに非常に適したバーンになっている。ここを谷川岳に飛び込むようにして滑る。いや、気持ちいい。そして天神ペアで最高地点へ。このあたりは圧雪していないのでパウダー天国のはずだが、最近は晴天続きで、ホコホコに耕された状態だ。まあ、パウダーを食いに来たのではないからいいだろう。 山頂には以前に来た時にもあった、首まで埋もれた鳥居のある神社があった。うん、やはりここは以前来た事のある天神平なのだ(と、納得するくらい前回と景色が違う)。それにしても谷川岳以外にも景色のいいこと!。武尊(ほたか)連峰を眼前に、頭をぴょこんと出した皇海山(すかいさん)、遠くには見まごう事なき赤城山、そして榛名山と一望できる。浅間山もかすんではいるが遠くに見える。とても標高1500mとは思えない、なかなかすばらしい景色だ。 とりあえず天神峠中級Cを滑る。ここは圧雪が良く、大変滑りやすい。ゴリゴリやるなら、高倉山かこのコースだろう。それ以外の天神峠から出るコースは、非圧雪で初心者には難しいだろう。ただ、降雪直後はパウダーを経験しに来るのも面白いだろう。 しばらくして、スキー場内に放送が入った。あと1時間で田尻沢コースを開放するという。よし、ちょっと休憩して英気を養うか。 天神平にあるビューテラス天神はなかなか立派だ。1年を通じて観光客が来るのだろう。また天神平から谷川岳山頂まで、夏場は天候が良ければ2時間くらいで登れてしまうという。その基地として設備は整っている。どれ、名物がなにかあったら食べようかな。すると「谷川汁」というのがある。300円もしないし、なんか具沢山の味噌汁みたいだけど、食べてみるか。で、出てきたのは・・・トロトロ、ツルツル、ヌルヌルのなめこやキノコやらがいっぱいはいった味噌汁であった。味も濃い。係員にこれ、すべてこの辺で採れたものですかと聞いたら(やな客だ)、きのことかは新潟産が多いが、このあたりでとれたものもある、というアヤシイ返事であった。 よおし、いよいよ田尻沢だ!。ゴンドラのコース沿いに滑るコースで、開放の合図と同時にボーダーたちがすっ飛んでいった。まあ、私は写真でも撮りながら落ち着いていこう。 上級者コースということだが、圧雪がしっかりしているので初心者でも大丈夫ではないだろうか。しかし川の右側や左側を滑るわけだが、直線的なので、スピードコントロールは大切だ。頭の上をゴンドラがヒュンヒュン登っていく。そこを時折遠くに見えるゴンドラ駅を目指しながら、ゆっくり滑っていった。 なかなかのロングコースでそれなりに面白い。しかし、もう1本やろうと(1日券なら何回でもゴンドラに乗れる)ゴンドラ駅に行くには、下で結構歩かないといけないので覚悟だ。 2本目のゴンドラに乗ったときは大阪から来たという60歳くらいの夫婦と一緒になった。スキーではなく、ただの観光で来たという。そう、ここはスキーをしなくても、お金を払ってでも登る価値がある景色の山なのだ。だから谷川岳に来るときは天気のチェックは絶対だ。特にテレビやネットでやっている各地の天気とは関係ないと思っていい。必ず現地のスキー場に聞くことだ。 2本目は高倉山に登って、そこからスタートする田尻沢コースに入った。ところがここ、さっきのコースと合流するまではコブの急斜面だ。これは初心者ではたまらんだろう。しかしそれ以外は圧雪がいいのでなんとかなるだろう。 滑り降りたら立体駐車場に直行し、谷川岳を後にした。 車で来た人は、駐車場からカーブを1つか2つくらい曲がったところにある、トンネルの左手前に遭難者の慰霊碑があるのを見るといいだろう。そして谷川温泉は以前行ったことがあるので、湯檜曽(ゆびそ)の温泉に立ち寄って明るいうちに帰った。それにしても東京からこんなに近くに、まるで「ヨーロッパに行ったかもしれないような気分になりかねない」スキー場があったのだ。みなさんもぜひ、好天の日を選んで、朝早く行ってみていただきたい。 |
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ゴンドラ駅内部。紅葉シーズンは混雑するのだろうが、 どこかの港の待合所みたいだ |
ゴンドラ乗車口への通路。両脇には 谷川岳の四季やロープウェイの歴史の写真展だ |
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昔、こんなリフトを使っていたらしい | CWAにオマケでもらっちゃいました! | |||||||||||||||||||||||||||||
フニテル、横から見るとこんな大きさ | 内部だ(超広角レンズで) | |||||||||||||||||||||||||||||
ゴンドラ下には田尻沢コースだ | すれちがうゴンドラを見る | |||||||||||||||||||||||||||||
高倉山山頂から天神峠中級コースを見る | 天神峠から高倉山を見返す | |||||||||||||||||||||||||||||
天神峠にある鳥居 | 高倉山を下から見上げる。 いい斜面だが、圧雪が縦じまがバリバリだ |
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群馬限定!。 下仁田(しもにた)ねぎのポテトチップスだ!。 |
ビューテラス天神の内部。 山の上のゲレ食とは思えないほどおしゃれだ |
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これが谷川汁。おい、大丈夫かと 聞きたくなるほどヌメヌメのネバネバだ。 |
巨大な雪だるまがありましたとさ |
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田尻沢コースの下の入り口。なかなかの人気だ | 大変景色もよろしい | |||||||||||||||||||||||||||||
急斜面だが、圧雪がよければなんとかなる | もちろん、思い思いのコースで滑る | |||||||||||||||||||||||||||||
頭上で交差中だ | 荷物を運ぶ専用搬器かな? | |||||||||||||||||||||||||||||
高倉山より、浅間山を望む | 2本目の高倉山からの田尻沢。 コブの急斜面ががあるから注意だ |
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ショッピングセンターのような 立体駐車場だ |
トンネル脇の慰霊碑 | |||||||||||||||||||||||||||||
【ギャラリー】 | ||||||||||||||||||||||||||||||
高倉山より谷川岳 | ||||||||||||||||||||||||||||||
またまた水上IC近くのそば屋に寄った。坪の庵(つぼのあん)というが、めんは太い田舎めんだ。 |
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おみやげは温泉まんじゅうが無難だ。湯檜曽のあたりの道路わきにも工場直営店がいくつかあるぞ |
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谷川岳ロープウェイ (公式HP) 谷川岳(Wikipedia) フニテル フニテルに喜ぶ谷川岳 |
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