がんばってくれえい | |||||||||||||
2007年レポート(3) 信州津南-3 | |||||||||||||
遠征3日目、もう帰る日だ。本来、今回の遠征がリベンジツアーというのなら、妙高杉の原に行きたいところだ。ここは日本屈指の「標高差を伴う」ロングコースがあるスキー場だ。昔行った時はまだ2級直前でその豪快さを満喫できるほどうまくはなかったし、天候もガスっていたので、とてもロングコースを滑ったという実感が無いのだ。しかし、今日はまた天気がくずれそうだというので、杉の原はまたの機会にしよう。またガスられては意味がない。 で、どうすんのかというと、来たときとは別の「野沢温泉〜石打山越えで関越自動車道」というルートで帰るプランだ。しかし野沢温泉や戸狩は行ったことがあるので、ルート上の2つの小ぶりのスキー場に立ち寄ることにした。まずは「さかえ倶楽部」というスキー場だ。 車で長野市から飯山市へ北上して野沢温泉方面へ。このあたりには、飯山国際とか信濃平というスキー場があったのだが、いずれも閉鎖してしまった。この2つは強い特色があるわけではなく、全国スキー場ガイドに載っていた規模のスキー場の中では行ってみたいという優先順位は低かったため行きそびれてしまった。それでも木が伐採されたままのスキー場の跡を国道から見ると、しまった、臨終に間に合わなかったか、というつらい気持ちになるものだ。昨年の豪雪でちょっとカンフルを打たれたスキー場も今年の大暖冬で息もできなくなってそのままご臨終となったところが増えているのではないだろうか。いや、このまま暖冬がひどくなって営業期間が数ヶ月しか見込めなくなったら、スキー場もホテルもスクールも採算が合わなくなって廃業するところが増えるかもしれない。東京の初心者はザウスが無くなったことだし、上達するにはシーズンが短すぎるからスキーをやめちゃうとか、スキー用品にお金をかけなくなって産業そのものがすたれていくという悪循環にはまって、スキーがスポーツ、レジャー、産業として成り立たなくなるんじゃないかと心配になってきた。 (20年後の私と新入社員の会話) 「君ぃ、わたしはスキーの1級を持っておるんだよ」 「はぁ?1級のウイスキーを持っているんですかぁ?」 地球温暖化は真剣にやばい問題だ・・・。 |
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さかえ倶楽部コースガイド(配布パンフをスキャンして加工) さかえ倶楽部公式サイト |
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さて、来てみたはいいが・・・。ううむ、まあ心配していたほどの客の少なさではない。どうも本日は何かの大会かスクールがあるみたいだ。雪の全く無いコンクリートの駐車場は無料なのがうれしい。ただし車のナンバーはほとんど地元だ。そうだろう、東京からここまで来たら野沢温泉がほとんどで、それ以外はあっても戸狩だ。長野市の人も近場優先で行くなら飯綱リゾートあたりか。 さて、ここは1日券3000円、午前券2000円、1回券300円だが、1回券4枚かなあ。駐車場左手脇にはプレハブ小屋が立ち並び、レンタルや着替えもできる。この並びのチケット小屋で券を買い、ゲレンデに入った。するとびっくり、右手奥に立派なセンターハウスがある。普通、センターハウスは駐車場とゲレンデの間に立っているものだが。ここは夏はこれといったことをやるわけではないというから、設計ミスなのだろうか。 ゲレンデはがらんとしていたが、どうも団体のチビッコ軍団がいるみたいで、ベースの緩斜面は込みそうだ。なにはともあれ、最高地点にいくことにした。 最高地点からの景色はというと・・・山、山、山・・・。これといって絵になる山があるわけではない。ただ手前に千曲川(ちくまがわ)が横たわっているが、だから何だという感じだ。ううむ、面白くもなんとも無いが、しかたあるまい。 曇天で見晴らしも良くない。まあ、いいや。圧雪はいまひとつだが、人が少ないので荒れないのがいい。 とりあえず一通り滑ってみたが、上部は千曲川に向かって飛び込む感じ。下部のコースは子供向けスクールがさかんなのであまり飛ばさない方がいいかもだ。 1日じゅう練習したいチビッコには、野沢温泉の高い1日券はこたえるだろう。どうせ野沢の全コースを満喫できもしないのならこういう場所の方がいいかもしれない。特に天気があまり良くないときはなおさらだ。地元民の修練所と思えば意義があるのかもしれない。 施設をちょろちょろ見てから出発した。ここも危なそうな気がするが、なんとかがんばってもらいたい。 |
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マウンテンパーク津南コースガイド(Webパンフを加工) マウンテンパーク津南公式サイト |
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ここはペアリフトの番号が飛んでいるが、きっと新設と廃止を繰り返して歯抜けになったのだろう。しかし、縦長でシンプルなレイアウトだ。とりあえずリフト券を買おうと中腹にある駐車場から下へ滑ったら、第2ペアリフトでは売っていないから駐車場脇で買ってくれというのでタダで載せてもらった。さすがに下は平坦で、滑るなら中腹より上だろう。1回券(ここでは1発券というが、先シーズンに印刷したものの残りを使っていたのがなんともいえない)を3枚買ってみた。コースとしては第3ペアリフト脇がそこそこの斜度があり、検定バーンとしても使えそうだ。ただし、圧雪は丁寧ではなく、また斜面も左右に揺れているみたいで、クセがある。小回りもベンディングでないと滑りづらいくらいだ。 ところでこのスキー場では施設や看板によくKAGAN(カガン)というわけの分からない名称を良く見るが、これは河岸段丘(かがんだんきゅう)のことだ。河岸段丘とは地殻変動や海水準の変動が原因で、川に沿って階段状になる地形をいう。ここ津南の河岸段丘は9段になっていて、日本最大の規模だという。最高地点まで登ると分かりやすい。等高線を利用して作られた地形の模型を誰でも見たことはあるだろうが、まさにその通りになっている。平らなところと急斜面が何層にもなっていて面白い。だからどうなんだ、と言われたらそれまでだが、ここでしか見れないものでもあるので、とりあえず見落とさないようにしよう。またこのコースの脇に小さな池があり、そのあたりはノルディックの滑走コースになっている。おお、一度やってみたいのだが、疲れそうだ。 一通り滑って、スキー場を後にした。しかし、雪が重かったなあ。ここ津南は日本有数の豪雪地帯で、先シーズンの豪雪時には陸の孤島を作ってしまったことで有名になってしまったが、今年はまるっきり正反対だ。屋根という屋根は雪落とし用のとんがりがあったが、ちょっと寂しげだ。 JR津南駅にある温泉に入り、山越えをして石打へ。中野屋でそばを食べて遅くならないうちに帰宅した。 |
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プレハブ長屋だ | ちょっと登るのがつらい | ||||||||||||
圧雪の間引き(手抜き)も多いなあ | トイレはドライヤー付きで清潔だ | ||||||||||||
地元の手作りのお菓子も売っていたぞ | チョコまん棒を買ってみました! | ||||||||||||
Aコース、Bコースと味気ない名前だ | センターハウスに向かって | ||||||||||||
下はスクールで人が多かった | KAGANとは河岸だ | ||||||||||||
モミのデザインの看板だ | この掲示板の板、 わずかに傾斜しているのがいい |
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最上部のコースだ | ノルディックをやっていたぞ | ||||||||||||
スキーセンター内に河岸段丘の 模型があったぞ |
この腰つきがたまらん | ||||||||||||
方言を使うと温かみがあっていい | この雪落としのとんがりは 大変普及していたぞ |
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津南駅。2階に温泉があるぞ | 津南はSLが走っていた。 階段ではミニ博物館が |
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【ギャラリー】 | |||||||||||||
さかえ倶楽部。千曲川を見ながら | |||||||||||||
マウンテンパーク津南の第3ゲレンデ。河岸段丘の様子と、遠くのグリーンピア津南スキー場が見える | |||||||||||||
最後に寄った中野屋は石打の近くで、手軽にへぎそばを食べることができる。本店は越後湯沢駅前にあるが、車で石打方面に行ったときは国道沿いにあるので、すぐ寄れる(上り車線側)。 写真は天ざる1,260円だが、数人で行ったときは名物へぎそばを食べてみよう!。 中野屋 http://www.umaisoba.com/ |
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長野県栄村 (公式HP) 新潟県津南町観光協会 (公式HP) 河岸段丘はなぜできるのか 信濃川と千曲川(Wikipedia) |
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