リベンジの甲斐あって | ||||||||||||||||||||||||||||||
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2006年レポートの書き出しは「今年は記録的な大雪で・・・」という感じで始まったものだが、今シーズンはまるでその逆で、とんでもない暖冬のシーズンとなった。とにかく雪が降らなくて、スキー場では例によって人工降雪機やらICSやらで強引に1本のコースを作って「はい、オープンしました」とかやっていたようだが、客もそろそろその手にのらなくなってきたようだ。ツアーキャンセルが相次ぐなか、私は今回の年末年始の遠征はどうするか大変迷っていた。今回は長い日数が取れないので、今までのような遠いところに行きづらい。そんな年の瀬になっていきなりバクダン低気圧と称された大雪が降り、多くのスキー場が一斉に全面滑走可能となった。しめた、これで近場でもだいじょうぶだ。 今回はあたためていた企画の「行った事はあるけど、不満足だったスキー場へのリベンジ」と相成った。それは菅平(初心者のころ行ったが、オオマツ・ツバクロエリアを見ていなかった)、戸隠(1級受検時代にスクールのために行ったが、吹雪で景色は見えなかった)であった。そして帰りがけに、行ったことが無いスキー場が固まっている津南エリアを経由して帰ってみるか。というわけで、まずは遠征初日、菅平へと向かう。 |
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菅平高原コースガイド(公式パンフを加工) 菅平高原公式サイト ![]() パインピークエリア(オオマツ、ツバクロ)の拡大図 ![]() |
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駐車場はちょっと場末のスキー場といった感じで、土の上に並べる駐車だ。大松山は山頂あたりが雲で覆われているが、まあよしとしよう。さて、今日はハシゴじゃないし、広大な菅平だから、1日券でゴリゴリいくかい。ここでは1日券は4000円だが、ランチ800円相当とパックで4300円というのがある。これでいこう。 リフトで中腹まで登ってみたが、今日はあまり天気は良くないようだ。目の前の太郎山も山頂が雲に覆われているし、根子岳は見えたもんじゃない。しかしこの一帯が標高の高い山の上だというのにあたりは平坦な平野のようで、「高原」と呼ばれるにふさわしい地形だ。最上部へいくリフトが動き出すのに時間があるので、下をゴリゴリ滑る。あまり急な山ではないから、直線的にコースを作っても大丈夫なようだ。また、あちこちに人工降雪機が並んでいて、必死になって造雪している。もう大晦日だというのにまだ雪がついていないバーンをいくつかあきらめて放置し、脈のあるバーンを生かそうと必死に雪を吹いているのを見るとどこか悲壮感が漂うが、なんとかこの暖冬を乗り切ってもらいたいものだ。 最上部へ登るリフトが運行開始となったので、乗ってみる。ところが山の上はガスりまくりでさっぱり見えない。ただ、ガスの中にレースのスタート小屋らしきものがポツンとあったのは、ここがクラブの合宿などでよく使われる体育会系のスキー場であることを思い出させてくれた。とにかく景色が見えないのでは意味が無いので、ツバクロに移ることにする。本来はツバクロへの連絡路があるのだが、コースが閉鎖されているので、車で移動だ。 ツバクロに移ったころ雲がス〜ッと消えて、青空が見え始めた。駐車場からゲレンデに上がると、そこは虎の穴だ。最新のレース用板がズラリと並んでいて、どんなのが集まっているのかと思いきや、斜面はポール張りまくりになっている。1つの斜面に何重にもポールを張っているから、間違えて隣のコースのポールに飛び込んで追突事故とかないんだろうか、なんて心配までしてしまった。 さて、ここでまた新しい発見があった。菅平からは、真っ白になった神々しい浅間山が見えるのだ。初めて来た時は気がつかなかったが(気にもとめなかったが)、こうしてみると白いプリンをさかさまに伏せたような浅間山は頭から噴煙をポコポコあげたりしていて、見ようによっては愛嬌があるものだ。もしスキーをやっていなかったら、山に興味など持っていなかっただろう。 ツバクロはポールコースは貸切で入れなかったが、迂回コースが快適でちょうどよろしい。ここは雰囲気だけ楽しんで数本滑ってから、スクールの思い出がある太郎山へ向かった。 太郎エリアはオオマツ・ツバクロエリアと車で3分くらいの距離だ。さて、先にランチにするか。1日券のパックで800円相当のランチが食べられるので、800円のカレーを注文してみたが驚いた。根性の抜けた玉ネギと疑惑のカケラほどの肉しか入っていなくて、これが800円だ。1日券パックはオトク、とかいっても、300円相当のカレーしか出てこないのなら、オトクとは言わないのだ。こういうことがあるから油断はならないのだ。 リフトで太郎山の山頂へ。ここでの楽しみは、シーハイルコースにある。昔、2級も持っていなかったころ、初めてSIAのセッションスキースクールの合宿に参加したのだが、使ったゲレンデはほとんどこのバーンだった。あの時はビデオ撮影があり、できもしない小回りをやらされて、1、2、3で転倒したのだ。今見てみると、やはり2級前のスキーヤーが練習するにはつらいかもしれない。1級検定のバーンのような斜度だが、傾斜面で、均等な回転弧で滑るのはそれなりに難しいだろう。とりあえず滑り降りてダボスへ向かう。最初のリフトを降りたあたりは、写真撮影にいい場所だ。樹氷のモコモコした根子岳を真正面に、浅間山の角度もいい。 このあたりはダボスの丘と呼ばれていて平坦な地形だ。もともとこの菅平が標高の高い山の上に広がる平坦な高原になっている。志賀高原よりも初心者にやさしいのが菅平高原だ。振り返るとオオマツ、ツバクロの斜面がきれいに見える。また、ここには「ダボスの塔」「シュナイダー記念塔」がある。 ダボスといえばスイスのサンモリッツの近くにある高級なスキーリゾートだ。なぜここをダボスというかというと、オーストリアのスキー王、ハンネス・シュナイダーが昭和5年に来日して菅平を滑った時に、「まるでダボスのようだ」と言ったことによる。そりゃいい、イタダキということで「日本ダボス」という名称を使い、塔のあたりを「ダボスの丘」と命名することと相成った。そういえば飛騨山脈も明治初期にイギリス人の鉱山技師がヨーロッパアルプスに似ていると「日本アルプス」として紹介したのが広まったものだ。今では日本本来の呼び名である飛騨山脈なんて呼ぶ人を聞いたことが無い。まあ、利用できるものはどんどん利用しようではないか。 ここからダボスのクワッドに乗り、最高地点へ。ここからは太郎山、オオマツが一望できるだけでなく、根子岳も手に取るように見える。また山の西側は長野市で、早くも暮れだしていて、南向きの飯綱高原スキー場が浮かび上がっているようだ。 昔来た時は合宿制のスクールで同じ場所ばかり滑っていたが、こうして再び滑ってみるとやはり新鮮な発見が多かった。まあ、来てみた甲斐があったものよ。 時間はたっぷりあったが、温泉に行きたかったので表太郎に戻り、4時ごろにはあがった。車でそのままよませスキー場近くの「遠見の湯」という温泉に入った。ここは夕暮れが有名な露天風呂で、ぜひ行ってみたかったところだ。さて、明日の戸隠もいい天気でありますように・・・。 |
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オオマツの木造のリフト券売り場。 託児所もあって、どこか温かみがある |
直線的なコースだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||
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ちょっと晴れたかな? | なぜか、神社が | |||||||||||||||||||||||||||||
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腰、曲げすぎだよ | この煙突にしびれました | |||||||||||||||||||||||||||||
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僕たち3兄弟でーす | そこそこの人入りだ | |||||||||||||||||||||||||||||
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だいぶ晴れてきたぞ。 | オオマツを振り返って。 山頂部分はガスだ |
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ガスの中、スタート小屋が たたずんでいた |
ツバクロ。 なぜかレース板が並べられていた |
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浅間山が見えるぞ | 浅間山に向かって。 ツバクロの迂回コース |
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左に太郎山、奥に根子岳。 選手の目に入っていないだろう |
迂回コースもいいぞ | |||||||||||||||||||||||||||||
800円カレーだぁ? | 太郎山では晴れ渡っていた | |||||||||||||||||||||||||||||
シーハイルを上から | 望遠で根子岳の山頂付近を撮影 | |||||||||||||||||||||||||||||
ダボスの塔だ | シュナイダーのレリーフがある | |||||||||||||||||||||||||||||
オオマツとツバクロが見える | ダボス、奥ダボスゲレンデへ | |||||||||||||||||||||||||||||
根子岳山頂の樹氷を望遠で | 太郎山のむこうにオオマツ・ツバクロが見える | |||||||||||||||||||||||||||||
日本アルプスが遠望できた | 浅間山をバックに | |||||||||||||||||||||||||||||
月が出たでた〜 | あの連絡路、一方通行で分けられていた。 衝突事故でもあったのかな? |
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【ギャラリー】 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ツバクロゲレンデから裏太郎、ダボス方面 | ||||||||||||||||||||||||||||||
浅間山がきれいだ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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菅平からいったん長野市に下りて北志賀へ北上するので、東京から菅平へ日帰りの人には無理だが、長野市に宿泊する人や北志賀のスキー場に行った人で早めにあがった人にはおすすめだ。夕日が見えそうな日にはぜひ行ってみよう! |
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![]() 菅平観光 (菅平高原公式サイトと同じ) ハンネス・シュナイダーってこんな人 (Wikipedia) スイスのダボスはこんなところ(スイス政府観光局) |
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