代打ホームラン | |||||||||||||||||||||||||
2005年レポート(6) 信州-1 | |||||||||||||||||||||||||
最近、どうしても気にかかるスキー場を発見した。それは山田牧場というスキー場だ。なんのことはないロコスキー場なのだが、ここにはタコチコースというすごいコースがあるらしい。それはずっと下に位置する山田温泉スキー場とを結ぶ13kmのコースで、そこにはもちろん圧雪車は入らず、自然の中を滑り続けることができるらしい。また、スキースクールの先生がガイドをするタコチツアーが毎日開催されているという。ううむ、そんなコースが日本にあったのか。もう、200
SNOW REPORTS の管理人として行かないことなど許されまい。日程を決め、あれこれ情報を集め、万全の態勢で臨んでいた。願わくば、十分な積雪があることだ。 ところがなんと!。今年は雪不足であったはずなのに、1月後半になってから記録的な雪が降ったのだ。おお、これはすばらしい、神様の御加護かと喜んだが、それでも油断はできないので金曜日に山田牧場に電話を入れたら「雪が凄すぎて、タコチツアーはお休み!」とか言う。なんだそりゃあ。でも自分が行くときには大丈夫だろうという根拠の無い確信をもって出発することにした。ただし、念のために本当にダメだった時のためのオプションとして飯綱高原を選んでおいた。タコチコースが滑れないのであれば、山田牧場に行く意味はほとんどないからだ。 さて、決行当日は5時半に家を出て6時に練馬ICへ。いつもより遅めであったせいか、渋滞気味であった。そして8時、千曲SAで確認の電話を山田牧場に入れてみたら、「雪は弱まったが、連日の積雪でタコチツアーはやらない。でも、コースを知っていて、自分の責任で滑るならいいよ」とのことだった。しかし八甲田のような原生林を滑ることを想像していたので、不安があった。通常なら早朝にスノーモービルでコースをつけるのでなんとかなるらしいが、それができる状態ではないらしい。もし誰もいなくて迷子になったら、発見されるのは雪が融けてから、なんてことになりかねない。ううむ。1分くらい迷った末、今回はあきらめて飯綱高原に行くことにした。 |
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飯綱高原スキー場 (頒布用ゲレンデマップをスキャナで入力後加工) |
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ただし、注意すべきは雪質だ。標高はベースで1000mを超えているものの、どちらかというと南向き斜面なので周囲のスキー場と比べてシーズンが短い。新聞に掲載されているスキー場積雪情報でも、真っ先に▲マークが付いてしまうのだ。だから東京からわざわざ行くならトップシーズン限定スキー場だ。 さて、スキー場に入っていきなりで迎えてくれたのはここが冬季五輪競技の会場であったことを高らかに宣言した看板であった。ご存知の人は多いと思うが、ここではモーグル競技が行われ、日本の里谷多英が女子の金メダルを取った場所だ。そのモーグルバーンはその時の興奮した勢いのまま、里谷多英コースと名づけられた。 ゲレンデガイドを見てみると、このスキー場の設計は役人がやったような気がしてならない。リフトは第1、第2、第3と順番に名が付いているし、コースはAコース、Bコース、Cコースとこれまた順番に付けられている。管理する側には管理しやすいのだろうが、実に味気ない。囚人の名前を番号で呼ぶ刑務所みたいだ。だから、この里谷多英コースという名はスキー場でも特異な存在のようだ。よし、あとで行ってみよう。 駐車場の近く、Hコース脇の第4ペアリフトに乗り、クワッド側へ向かう。ペアリフトを降りたばかりのところから松本方面を見るときれいに晴れ渡っていた。雲海が広がっていて、2500m級の山の上のようだ。ここからEコースを滑り降りた。 このコース脇を含めて、このスキー場には「なんちゃってスノーパーク」という設備がある。これはやさしいポールコースを作ったり、緩斜面にコブを造成してやさしいモーグルコースを作るなどして、「なんちゃってクロス」「なんちゃってモーグル」など、数種類の競技を疑似体験できるようになっている。なかなかいいではないか。子供たちにスキー競技を身近に親しんでもらうための施策だろうが、それでこそ五輪会場となったスキー場の使命ではないだろうか。ただし、このパークで遊ぶためには誓約書を書いてシールをもらわないといけないらしい。さっそく発券所で入手した。 さて、実際に滑ってみると面白くない。簡単すぎるのだ。でもよく考えたら、ピンクのノボリが立ち並ぶ「なんちゃって」コースを1級スキーヤーが滑って「つまらん」というのは大間違いだ。コブなんか滑ったことがない子供たちは大興奮だ。ポール脇を滑るのも貴重な体験だろう。初心者や子供たちへの配慮を考えると、かなり力を入れていると思える。戸隠や飯綱リゾートが近くにあり、正面には志賀高原がある立地でやっていくには、こういった差別化も必要だろう。 さて次はクワッドでCコースへ。ここはチビッコスクールが盛況だ。大勢の子供たちがスクールに入っている。練習にもいい感じだ。ここを何本か滑り、Aコースから里谷多英コース側へ。ここの上級コースであるAコース、Gコースはお勧めだ。大雪の後なので、とにかくパウダー状態だ。ホコホコしていて気持ちがいい。雪質もまずまずだ。 そしていよいよ第5ペアリフトから里谷多英コースへ。ところが「雪不足でコース閉鎖」だと。ありゃりゃ。大雪の後、何も手を入れていないかららしい。ううむ。とりあえずあきらめて、コース下へ行って写真だけ撮ることにした。 いや、それにしてもいろいろあって面白いスキー場だ。今日はタコチが本当の目的であったが、だめだったときの代打の飯綱高原、なかなかやるではないか。来た甲斐があったというものだ。ただし、行くならやはりトップシーズンだ。 4時間券めいっぱい滑り、1時半にすきっ腹をかかえて車で20分の戸隠へ。ここで戸隠スキー場の目の前にある神告げ温泉、湯行館(ユニーク館)に入る。そしてここ戸隠まで来たら、そば屋へ行くしかないだろう!。中社のそば屋で食べたことがなくて、駐車場が開いていた店に入った。中社はどこもうまいから大丈夫だろう。ところが、そばはそばの味がしないし、つゆはすっぱさが強い。な、なぜだ!?。ここで初めて、自分が鼻かぜをひいていて、鼻がきかないことに気づいた。私はめったにかぜをひかなくて(幼稚園から高校まで無遅刻無欠席だった)、熱を出したことはほとんどないのだが、なぜか鼻は弱い。で、そばの味が全然しないというか、鼻をつまんで食べるのと同じ状態であった。ううっ、楽しみにして戸隠まで来たというのに!。タコチをあきらめた時の決め手も、「飯綱に行ったら戸隠まで足を伸ばしてそばを食べよう」というのがあったのだが、最後になってがっかりしてしまった。 ううむ、やむをえん。それより、明日のタコチコース、だいじょうぶだろうな。 |
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第4ペアリフトだ | リフトの支柱のおじさん、 ご苦労様です |
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突然の大雪、スキー板が接触 しないように掘ってくれていた |
上部は晴れていた | ||||||||||||||||||||||||
Eコースはいいコースだ | 圧雪はされていた | ||||||||||||||||||||||||
ここで誓約書にサインだ | このシールを貼って、 なんちゃってコースを滑ろう |
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おい、火気厳禁の上に何かあるぞ | うわ、出た | ||||||||||||||||||||||||
ちびっこが多い | ヘルメットが普及しつつある。 でもちゃんとかぶらないと |
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Cコースはいい感じだ | 「ちびっこスキー教室」 は盛況だ |
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もっと晴れていたら 景色もいいだろう |
古いガイドブックには載っている第6リフト。 スキー場のマップからは外されている |
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上級コースはホコホコだ | パウダーをうんと楽しもう | ||||||||||||||||||||||||
これがなんちゃってモーグルだ | ヒョイヒョイ滑ろう | ||||||||||||||||||||||||
いろんなコースがあるぞ | すいていて練習にもいい | ||||||||||||||||||||||||
なんちゃってクロスだ | 明日、雪合戦の選手権があるらしい | ||||||||||||||||||||||||
休憩所が充実している | ゲレ食内には五輪選手の記念品が | ||||||||||||||||||||||||
山のてっぺんだけ雲がかかっている | 一瞬、ぱっと志賀高原方面が見えた | ||||||||||||||||||||||||
ここが神告げ温泉だ | いい湯だ | ||||||||||||||||||||||||
ここがそば屋だ | そばの味がしない! | ||||||||||||||||||||||||
自然を相手にするスキーは常に油断はならない。大切な時間とお金を無駄にしないためにも、行く場所を決め打ちしないで、複数のプランを持つようにしよう。 | |||||||||||||||||||||||||
里谷多英コースは2007/08シーズンをもって閉鎖となりました。 |
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飯綱スキー場(公式サイト) 里谷多英 里谷多英2 神告げ温泉 戸隠そば(戸隠観光協会) |
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