大逆風の中の復活 | |||||||||||||||||||||||||
2005年レポート(4) 盛岡遠征-4 | |||||||||||||||||||||||||
さて、今日は今回の遠征でもひとつのハイライトである岩手高原へ行く日だ。 岩手高原は1998年9月3日に発生した岩手山南西地震でレストハウスなどに被害を受け、その後の岩手山の火山活動が沈静化しないことなどからそのまま営業を休止してしまったスキー場だ。休止期間中はスキー場ガイドや地図などに掲載されなくなってしまったため、知らない人も多いだろう。そして企業やら地元やらがああだこうだを続け、昨年6年ぶりに営業を再開した。スキー産業全体が大逆風にあり、スキー場の倒産・破産・営業譲渡その他と、殺伐とした話しか流れない今日こんにち、よくぞ営業再開に踏み切ったものだと感心していたのだ。なにはともあれ行かないわけにはいくまい!。 岩手高原は網張の近くにある。盛岡からもすぐだ。 |
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岩手高原のゲレンデマップ (配布ゲレンデマップを加工) |
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板を担いで登ってみると中もいい。インフォメーション他、みやげ物屋やトイレ、ロッカー、レンタルといった一通りの設備はどれも広くてきれいだ。トイレには洗面台の1つ1つにドライヤーまであったのには驚いた。 ゲレンデに出てみたが、コースはゲレンデガイドにある通り直線的で、先日の八幡平リゾートによく似ている。しかしこちらの方が斜度とその安定度は中上級者好みに思える。下から見上げる直線コースはなかなかよさそうだ。さっそく、ゴンドラに乗ることにした。 このゴンドラは非常に機能的で、これ1本だけですべてのコースにアクセスすることができる。そこから滑り降りるコース名は「シャモニー」「スコバレー」「カルガリー」「グルノーブル」と、外国のスキー場名をつけているので、懐かしくなってしまった。どれどれ、じゃあカルガリーから行って見るかい。滑ってみたが、これまたとてもいい。パラレルで飛ばすにはいい斜度だ。多少は大回りを入れてスピードコントロールすれば快適なクルージングができるだろう。富良野よりちょっと斜度が強く、距離が短いという感じだが、実にいいではないか。 「ゴンドラで繰り返し滑るには、いちいち板を外して乗るのが面倒くさい」という人には、なんと高速ペアリフトがある。デタッチャブルの高速はクワッドがほとんどだが、ペアで高速デタッチャブルは岩鞍や池の平などで見たことがあるが、まさかここでお目にかかるとは思わなかった。しかしそれ以上に感心したのは、従業員の教育であった。ペアリフトを降りるところでは従業員が降りる客一人一人におじぎをしていたのだ。地震から復活してこれから逆境の中、がんばろうとする意気込みが感じられて仕方なかった。客を大切にするのは、基本中の基本だ。とにかくがんばってもらいたい。 コースとしては大きく4本しかない。すべて同じ斜面なので景色も似ており、人によっては飽きやすいかもしれないが、パラレルでクルージングができる人には何日いても飽きないだろう。それはパラレルのクルージング特有の充実した滑走感が非常にあるからだ。これも圧雪の良さだと思われる。板の食い込みもいいし、ヌケの良さも実感しやすい。近くの網張温泉とは一線を画した、共存できるスキー場といえるだろう。すいているのが信じられない。もし沼田あたりにあったら、人気No1のスキー場であったはずだ。 しかし、これから苦難にも直面するだろう。ちょうど目の前には雫石というワールドクラスのスキー場がある。岩手高原から見るともう目の前で、女子ダウンヒルという名コースをちょうど真横から見ることになる。それはまるで美しい脚を伸ばして、「こっちの方がいいわよ〜ん」と岩手高原の客を誘惑しているかのようだ。い、いかん。強力な雫石に対抗するにはこのスキー場の持ち味をもっと引き出すしかないだろう。 (注:このレポを作成中、コクドのリストラの一環で雫石をやめるとかの情報が流れた。もし営業そのものが休止となれば逆にエリアとしての吸引力が弱まると思われる。ここはひとつ網張と協力して、首都圏向けにハシゴツアーとか考えたがいいかもしれない) |
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田沢湖高原アッスルスキー場のゲレンデマップ (スキー場ゲレンデマップを加工) |
@霧氷コース(初級) A林間コース(初級) Bプロムナードコース Cメインゲレンデ Dアーチコース Eダブルヒルコース Fセロウコース Gファミリーゲレンデ |
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来てみたはいいが、どうもしょぼい。入り口にいきなり変な字で「ようこそ」と看板があり、素朴なのはいいが、岩手高原と落差がありすぎだ。最初のリフトに乗ると右側に変な監視所のような鉄塔がある。聞いてみたらドコモの電波等らしい。ちょっと殺風景だがいいだろう。隣のたざわ湖スキー場が見えるが、規模の違いがモロだ。 ところがそんな評価もぐっと変わる。最上部の霧氷コースに入ると景色が一変し、きれいな霧氷になっているのだ。看板に偽りなし!。なかなかいい感じだ。新雪が降った後だが、圧雪がされているので初心者や子供でも霧氷のコースを楽しむことができる。隣のたざわ湖では上部の霧氷地帯は初心者や子供では難しい斜面だったので、これはいいかもしれない。また、レストランアッスルではスリッパの貸し出しをしていた。これはいいサービスだ。ブーツを脱いでくつろいだりすれば、もう滑るのがいやになっちゃうので注意だ!。その他、ファミリーゲレンデはペットと遊べるようにペット専用ゲレンデとして開放されていた。たざわ湖スキー場の隣で生き延びていくためには必死のようだ。ただゲレンデ内を見る限りでは努力は報われている気がする。小さな子供連れのファミリーが多いからだ。大きなたざわ湖スキー場を滑りきれないファミリーには、アッスルがいいのかもしれない。 2時半くらいにあがり、乳頭温泉へ向かう。ここで先日行かなかった「鶴の湯」へ。乳頭温泉といえばここが宣伝用に撮影されたりする、乳白色の湯だ(本物らしい。私は信じる)。露天風呂は混浴だがもちろんバスタオルまで巻いていて、写真をパチパチ撮り合っているのが多く、完全に観光地だ(私もそうだが)。しかし一方では歴史のある温泉として守り続けているものもあり、訪れてみて面白いところであった。もしあなたが1回だけ乳頭温泉郷に行くのであれば、それは鶴の湯がいいだろう。 帰りは夕暮れの中、田沢湖沿いに走り辰子像経由で角館に降りた。明日は帰る日だが、千畑に寄るので、角館で泊まることにした。 東北遠征ももうすぐ終わりだ。 |
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岩手高原のセンターハウス内部。 とてもきれいだ |
トイレにはドライヤーまであった | ||||||||||||||||||||||||
どれも直線的だ | 背中合わせ6人乗りゴンドラだ | ||||||||||||||||||||||||
はやく滑りたい | 行くぞ! | ||||||||||||||||||||||||
いいねえ! | なつかしい名前だ | ||||||||||||||||||||||||
レストランもきれいだ | このリスがマスコットだ。 会津高畑に似ているかも |
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名産の機織の実演も・・・ | その実演販売、どうしてすみっこの 奥まったところでやってんのよ? |
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ゲレンデのどこからでも雫石が見えた | 【ここから田沢湖アッスル】 のんびりやってくれ |
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最初のリフト | メインゲレンデ付近 | ||||||||||||||||||||||||
鳥の巣箱かと思ったら、ボーダー 用のイスであった |
霧氷コースだ!。 | ||||||||||||||||||||||||
下界はガスが晴れておる | ペットボトルの再利用だ | ||||||||||||||||||||||||
足跡を見て、何の動物か当ててください | 大変滑りやすい | ||||||||||||||||||||||||
ドコモの電波塔に向かって! | 突然、晴れだした | ||||||||||||||||||||||||
スリッパ貸します! | 秋田に来たら、稲庭だ! | ||||||||||||||||||||||||
ここがペット専用 | またきてたんせ! | ||||||||||||||||||||||||
鶴の湯は観光客が多い | 女の子もいるぞ | ||||||||||||||||||||||||
この川の向こう側が露天風呂だ | 辰子像と田沢湖。 たざわ湖スキー場が見える |
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秋田に来たら、きりたんぽを食べよう!。居酒屋みたいなところなら、どこでもやっている。 角館ならば、土間人(どまにん)という店が手軽で安くていい。 |
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岩手高原スキー場(公式サイト) 田沢湖(田沢湖観光協会) 角館・土間人 |
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