イチマルキュウ! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2004年レポート(1) 北陸遠征-1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
せっかくの長期休暇だから遠征でもするか。しかし問題なのは雪だった。2003/2004年シーズンはとにかく雪不足で始まったシーズンだ。当初は東北遠征と北陸遠征を計画していたが、直前の雪の量で迷わず北陸へ行くことにした。 さて、車で行くとなると行くだけで1日かかる。新幹線や飛行機で行ってレンタカーで回るにはちょっと近いので、結局途中で寄り道しながら北陸へ行く事にした。 前置きが長くなったが、そこで1日目に選んだのが白馬八方尾根だ。ここは2級を取る前に行ったことがあるが、2月10日建国記念日がらみの1年で最も混雑する時で、ゴンドラ50分待ちであまり滑れなかった。さらに強風でリーゼングラートのリフトが止まり、私はあの有名なケルンを見ていないのだ。白馬エリアは行き尽くしたし、八方で滑ったことがあると言うにはおこがましいくらいしか滑っていない。こうして八方尾根行きは決定した。 4時半に家を出て、関越自動車道へ。白馬方面なら通常は中央高速自動車道で豊科ICだが、今回は長野ICからオリンピック道路を白馬まで山越えをするコースを選んだ。以前の会社で同僚のFが推薦していたコースだ。途中休憩をはさんで7時10分に長野ICを通過した。ほとんど迷うことなくオリンピック道路へ。途中、トンネルを通るとばからしい料金を取られるので、わき道をちょっと走り、8時前には八方に到着。ここは無料駐車場が少ないので、最初からあきらめてゴンドラすぐそばの1000円の駐車場にとめた。 八方尾根はリフト券はICチップだ。遠征の初日に疲れたくないのと、あとで温泉とジャンプ台の見学を考えていたので半日券とする。 さて、思い出のゴンドラ「アダム」に乗る。何の思い出かというと、「混雑時には二度と来るまい」と誓ったことがあるのだ。高い所から見おろすと、まるで牛か羊の腸のようにぐにゃぐにゃに折れ曲がりながらとんでもない行列を50分待ったのだ。今回は10分待ちくらいの並び方だが、脇の一人用レーンからだと1分だった。 ここで気づいたことだが、東急系のスキー場(グランデコ、岩岳、栂池など)のゴンドラは東急車輛製造による、3人ずつが背中合わせになって6人で乗る独特なものだ。実はこれ、1人で来る者には都合がいい。向かい合わせで6人だとアベックが3組入ってしまうが、背中合わせだと1組ずつが前後に座るので、1人の者が前後に1人ずつ座ることができるのだ!。そのため一人乗りの回転がよく、どう見ても1人用のシングルレーンの方が早い。たとえカップルで来ていても、このゴンドラだけは分かれて乗るのが正解だ。山の上の降り場で再開するのも新鮮でいいだろう。 さて、ゴンドラを降りたところが兎平109だ(スキー場はワンオーナインと読ませたいようだが、みんなイチマルキュウと呼んでいる)。もともとは東急がトウキュウを数字に当てはめて109とし、朝10時から夜9時まで営業とかで始めたファッションビルが、いつのまにかカリスマ店員だの、ガングロ厚底で世界的に有名になった。スキーを知らない人が聞いたら、なぜ山の上にまでファッションビルがあるのかと思って驚くだろう。 スキー板を持って外に出ようとすると、通路の先にはいきなりマクドナルドの看板がある。誰かが「マクドや!」と叫んだ。そう、ここ八方尾根は関東と関西の人間が接近遭遇する現代の関が原であった。マクドナルドをマクドと呼ぶのは関西人で、関東ではマックという。発音の抑揚はパソコンの「マック」と同じだ。 さらにアルペンクワッドというクワッドを乗り継いで上へ。とにかく眺望がいい場所には朝早いほど行くのがよい。空気が澄んでいて遠くの眺望がいいし、いつ天気が崩れるかわからないからだ。しかし、クワッドが途中で止まるほど風が強くなり、山頂が見えなくなった。やむなくTENBO REST SPOTという休憩所に入る。このへんはちょうど雲の中にあった。なお、ここはコーヒー・ココアのソフトドリンクが350円だったが、飲み放題だ。天気がよくなるまでしばらく休憩して様子を見よう。窓からはあの長野オリンピックで因縁となった滑降のスタート台が見える。 あの時は自然保護のためスタート台をもっと下にしろとか、雪の下には貴重な植物があるから滑るんじゃないとか(何トンもの雪がのっているのだが)、そこをジャンプして通過しろとか、そうすることによって日本人が自然を大切にしていると外国の人に思われるだろうとか。あの騒ぎは何だったんだろう。カナダでニュージーランド人から、「日本人は自然に対して卑屈になっているだけだ」と言われたのが思い出された。 風は弱まったがガスで先が見えない。あきらめてリーゼンスラロームへ降りようかと30mくらいこいだら、突然晴天のリーゼングラートが広がったではないか!。振り返ったら、レストハウスのところだけ雲がかぶさっている。実に奇怪な光景だった。迷わずグラートクワッドに乗り、最高地点へ。 天気はいいが、白馬連山や唐松岳はガスって見えない。そして眼下には雲が広がっている。ちょっと準備体操してから、とろとろすべる。左に変な石碑があるが、これは関係ない。そのちょっと先に石を積み上げた尖がった塔がある。これが有名な第一ケルンだ。これを見なかったために再び来たようなものだ。いや、よかった。 このケルンはコースから離れていて、立ち入り禁止のロープで隔てられている。雪崩が起きる地形には見えないが、あたりには若い木が雪面からたくさん枝先を出していた。この枝先をスキーやボードのエッヂなどから守るためだろうか。板を脱いで入り込み、写真をとってから滑りだした。 レストハウスを下り、コブ斜面で有名な兎平に入ったのだが、コブらしいコブはない。リフト脇でも大きなコブはなく、これから育つようだ。昔来たときは立ち往生したものだが。そのバーンの下、兎平109から下はかなりのガスがかかっていた。リーゼンスラロームに入り、名木山ゲレンデに下りる。ここまで来るといいかげん雪質も悪くなっていた。やたら子供が多く、キッズスクールが流行っているようだ。近くにジャンプ台も見えていて、いかにも休暇のひとときという感じだ。 再びTENBOレストハウスまで上り、今度は黒菱へ。ここは技術選で不整地小回りが行われる有名なバーンだったが、コブは単にバーンが荒れている程度で、コブと呼べるものではなかった。というか、ガスが濃くて2コブ先が見えない。慎重に滑り、ガスだらけのスカイラインから咲花ゲレンデへ下りて昼食とした。 午後は時間いっぱいまで上部を滑った。ゴンドラの中間くらいの高さからガクンと雪質が落ちるので、雪質と高度の相関を実感することとなる。 さて、ちょいとジャンプ台を見てから温泉だ!。ジャンプ台への看板に誘導されていくと、駐車場に入る。実は知らなかったことだが、ジャンプ台は見学できるらしい。大人500円だが、行ってみよう。ペアリフトに乗り、中央のタワーに上る。左のノーマルヒルからは高校生くらいの選手が飛んでいた。なんと女の子もいるではないか。たいしたものだ。でも、女子のジャンプはあったっけ?。「男子ジャンプ」と規定されていなければ、女子でも力があれば出場できるのだろうか。 ラージヒルのスタート台近くまで行き急斜面のコースを見下ろすことができる。ノーマルヒルのスタート台からは選手のジャンプを見学した。団体種目の時でもみんな一人ずつ飛ぶので、なかなかストイックな競技であるが、それなりに得るものも多いだろう。がんばってもらいたい(私には思いっきり向かない)。ここで予想外に時間を使った。 次は温泉だ。八方には数ヶ所の温泉があるが、第一温泉に向かった。八方温泉は、日本一アルカリ度の強い温泉で知られているとあっては、行かないわけにはいくまい。これでお肌もスベスベ、ツルツルのペロペロだ!。建物に入ると愛想のよくなさそうなオヤジがいる。ここで料金を払い、湯船に入る。露天風呂もあり、よしずの向こうは自動車バリバリの道路だがよしとしよう。アルカリの湯は独特のぬめりがあるが、効きそうだ。帰りに駐車場の隅にあやしい小屋があるのを発見した。見ると浅い湯船があって、女の子たちがはだしの足を浸けて、気持ちよさそうにしていた。これは無料かな?。なかなかよさそうだ。 さて、翌日は立山で滑るか。昼に公共の宿泊施設に電話して、いきなり予約を入れたので、今晩一気に立山へ向かう。今回は一人旅なので高速料金やガソリン代がもったいないが、行動の弾力性は格段に高い。もし予約がだめだったら、富山のビジネスホテルまで行くつもりだった。白馬から糸魚川ICまで1時間近くかかり、高速道路で立山ICを6時20分に抜けて、ちょっと迷子になって山奥に行ってしまい、宿に着いたのは7:30だった。地方は夜になると本当に人がいなくなるので、携帯電話が無いとやっかいなことになる。私は携帯を忘れて難儀したが、読者のみなさんは間違えないように。 |
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小雪が舞っていた | 興奮さめやらず・・・ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
マクドナルドがあるぞ | TENBO REST SPOTだ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
あれがスタート小屋だ | 兎平109を見下ろす | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これが兎平109だ。傾いて見えるが | ゴンドラ乗車駅だが、国際色豊かっぽい? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
あれがケルンだ! | 吹雪かれると、 このポールがたよりだ |
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リーゼングラートから レストハウスを見下ろす |
スタート小屋を後ろから見る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リーゼングラートを下から。 カナダのサンシャインビレッジのようだ |
咲花のゲレ食だ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
咲花のゲレンデだ。上は見えない | ゴンドラ駅、昼ごろ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この外人、板に武頼安とある。 ブライアンさんか? |
マックでーす | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ちょいと五竜方面が見えた合間に | リフトに乗るぞ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
塔の上からノーマルヒルを見下ろす | 下から見ても、尾根がかっこいい。 スキー場になるべくしてなった山だ |
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ん?怪しい小屋だ ⇒ | 気持ちよくて、眠ってます! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
八方尾根のバーン、特にリーゼンスラロームは日本屈指のすばらしいバーンだ。しかし人が多くて飛ばせたものではないので、朝イチにかけよう。また、無料駐車場も空いているかもしれない。八方尾根は早起きが得するスキー場だ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白馬八方尾根スキー場(公式サイト) ジャンプ台 白馬八方尾根温泉 |
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