HOME国内スキーレポート > 2003-9 (札幌-4:朝里川温泉、小樽天狗山)

朝里川温泉、小樽天狗山

   絶景かな
 雪だるま 2003年レポート(9) 札幌-4
redline
朝里川温泉
スキー場のベースより
朝里川温泉
このとぼけた雪だるまが
コミュニケーションシンボルだ
朝里川温泉
検定をやっておった
朝里川温泉
みんなカービングの板だ
朝里川温泉
どれどれ
朝里川温泉
遠くの海はかすんで見える
小樽天狗山
やって来ました
小樽天狗山!
小樽天狗山
ベースよりバーンを
見上げる
小樽天狗山
小樽市と石狩湾が美しい
小樽天狗山  
みんな、景色どころでは
ないようだ
 翌日は予報通り晴れたので、朝里川温泉と小樽天狗山に行くことにした。札幌遠征の最終日は軽く仕上げて帰ることにしよう。
 朝里川温泉はニュージーランドのマウントハットでいっしょになった人が「大変よい」と言っておった。天狗山は先日のレポで話した通り、海を目の前にして滑ることができるところらしい。せっかく札幌からレンタカーを転がして行くなら、両方面倒見ねばなるまい。
 少し寝坊したので、高速道路を使ってまずは朝里川温泉スキー場へへ行く。山道をちょいとばかり登るとすぐだ。駐車場はいっぱいで、少しはなれた駐車場から歩いて行く。
 スキー場のレイアウトは縦長で、リフトが3本伸びているイメージだ。天元台に似ている。下のバーンでは人がわんさかいて、検定をやっているようだ。見てみたら、クラウン検定らしい。
 ここで少しスキー検定の世界の話を解説しよう。バッヂテストには1級の上は大きく二つの流れになっており、一つは1級がさらにうまくなっていくイメージの技術系種目だ。ただしお酒のように1級の上は特級とか、柔道のように段位ではなく、「テクニカル」そして「クラウン」という称号を使うのがいかにもスキーらしい。もうひとつは指導員種目で、「準指導員」、「正指導員(単に指導員ともいう)」がある。こちらは教師の検定なので技術種目にはプルークボーゲンがあるほか、筆記テストまである。(技術種目で合格しても筆記で落ちた場合は、人には技術で落ちたと言う方がいい。会社の先輩で筆記で落ちて、今でもバカにされている人がいる)。
 スキー学校の先生で初心者を教えているのが1級程度、1級受検者を教えているのが準指導員、指導員レベルだ。滑らせれば準指導員よりもテクニカルの方がうまいというが、目指すものが違うので仕方ないだろう。
 さて、クラウン受検ということはみなさんはすでに1級の上のテクニカルを持っているということだが、たしかにうまい。カービング板の性能を生かしてキュンキュン切れ上がっている。両足に荷重し、確かにエッヂをいっぱいに使っている。ふむふむ。20人くらいのパラレルターンを見たが、それなりにうまかった。勉強になる。
 そこから上のバーンへ上がる。3つめのリフトを上がると最高地点だが、そこからはやや遠くに石狩湾を遠望できる。なるほど、テイネは北かべコース以外は海を横目に見るが、ここは視線の向こうにある。なかなかいい感じだ。
 ここでちょっとした開眼があった。それはカービングだ。圧雪された緩斜面で両足のエッヂを生かしてスキーをたわませると見事に切れ上がり、ズレがほとんどない。今までどうしても外足荷重の習慣が抜け切れなかったのだが(苦労して身に付けた習慣だが)、両足での荷重が板の性能を引き出せることを実感できたのだ。さっき見た検定の影響だろうか。それにしてもこの9DOという板、小回り用に設計されているだけに反発するのも鋭さがある。雪の状態がいいと食いつきが良すぎて、ロケットが発射するような感覚ですっ飛ぶので、加減を覚えないと扱いにくい面もある。しかしズレにくいのは確かであり、タイムマシンで20年くらい前の世界に戻ってこの滑りを見せたら、ヒーロー間違いなしだ。それにしても、雪質が良すぎる。これでは思いっきり点数を辛くしないと合格者続出ではないだろうか。
 たまたまリフトで隣に座った人が私に「あなた、誰か受検者の応援の人ですか?」と話しかけてきた。私が東京から来た事と北海道の雪質の良さを誉めたら、「いやあ、実はニセコの方が雪質がいいので、ここで受検すると難しいという人が多いんですよ」コラ、ふざけんな、上越のべとべとの雪で練習して、検定時の雪質がいいと点数を辛くされてしまう本州のスキーヤーをおちょくっとる。ううむ、SAJ(日本スキー連盟)は、これからは北海道でのバッヂテストは「北海道1級」と別扱いにしていただきたい。ああ、それにしてもこの標高の低さで何ていい雪質だ。
 なお、このスキー場のベースには子供向けのバーンがあり、ここにはスノーエスカレーターという乗り物がある。これは白樺湖ロイヤルヒルにあった乗り物と同じようなものだそうだが、3月上旬で営業を終了したとか。ううん、残念!。これは途中でカーブしてだいぶ高い所まで運んでくれる。カーブするところにはかまぼこ型の屋根が付いている。ぜひとも見たかったなあ。
 ここは時間券だったので昼過ぎに近くの小樽天狗山へ行く。下道を走るが、高速道路でも隣のICだ。少し走ると小樽の街を見下ろすように小高い山がそびえているのが見える。これが小樽天狗山だ。よしよし。
 ゲレンデを見ると左端に小さなロープウェイがあり、それで山頂まで登れるのだが、リフトを乗り継いで登ることもできる。ところがロープウェイが止まっている。ううん、どうしよう。1回券数枚のパターンかな?。ロープウェイ駅のねえちゃんによると、午前中は動いていて、今、強風で止まっていてるとのこと。風がやめば再開するという。よし、1回券だとロープウェイは倍出しになるし、ここは半日券でいくか。(ところがこれが裏目に出ることになる)
 下のバーンではバッヂテストが行われており、多くの子供たちがいた。のろいリフトで7合目くらいまで登る。このリフトでスクールの先生と同乗したが、「もう今日はロープウェイは動かないでしょう。2時過ぎているし」と言う。おい、ふざけんでくれ。7合目から見上げる山頂の展望台はすぐそこだ。板を担いで登ってやろうか。しかしこの7合目からの景色自体、息をのむものがあった。眼下には小樽の港がきれいな曲線を描いており、海は恐ろしいほど青い。強風の中、時折ちらつく雪はまぎれもない粉雪だ。東京で生まれ育った私には、青い海とは伊豆半島あたりまで行かないと見られないものであり、粉雪は長野県などの内陸にある、標高の高い山に行かないと存在しないものだと思っていたので、これだけでも十分な驚きだった。昨日会った会社の女の子はここで生まれ育ったというが、とてもうらやましく感じた。
 ところで日曜日の今日、バッヂテストは盛大に行われいているようで、下の斜面ではコースを仕切っての検定だった。受検者を見てみると子供ばかりだ。ほとんど中学生くらいの集団だ。みんないい板を履いているが、北海道ではスキーが身近でお金をかけられるということだろう。やろうと思えば1年間で100日の滑走など楽勝だろう。それはいいのだが、いい板の割にはみんなズレが大きい。イントラらしき人に2級のテストですかと尋ねたら、1級だという。ええっ、うそだろ。この雪とこの板で、あのズレかたでみんな2級所持者とは!。ううむ、やっぱり検定は北海道に限るワイ。広い大地に育つと人間もおおらかになり、採点もおおらかになるに違いない。うん、きっとそうだ。
 それにしてもいい眺めだ。今まで本当にたくさんのスキー場を見てきたが、これだけ市街地に近く、かつ海を間近に見ることができるスキー場は初めてだ。
 ロープウェイの駅へ行く。ロープウェイの再開のメドについて聞いたが、あのねえちゃんは「わかりません」という。ところが駅のすぐ外に立っていたおじさんに聞くと、「上の駅や売店の係員は全員、下に下りてきているからもうだめでしょう。今からみんなを上に上げることはできないですよ」だと。ううむ、あのねえちゃんの正体は天狗山の天狗だったのかもしれない。
 結局、同じリフト5本くらいでやめることにした。ああ、損した。ふてくされながら小樽のマイカルへ行く。ここで1時間ほどショッピングセンターの中を見学した。札幌の同期の話によると、採算の面からめちゃくちゃになっており、テナントは最初と比べて、ほとんど全部が入れ替わったという。私が入ったときは、1階フロアの広大な面積を100円ショップが占めていて、中央部はアウトレットモール、その奥にスーパーマーケットがあり、あとは工事中だった(テナントの入れ替え)。2階は店によって入店客の差が大きく、北海道物産の店(空港じゃあるまいし地元相手に北海道みやげ売れるの?)は一人も客がいない。いずれ入れ替わるだろう。
 小樽のみならず北海道全体が不景気だというが、商業施設もスキー場もがんばってもらいたい。
 高速道路で一気に千歳へ引き返した。北海道の雪質のよさには改めて驚かされたが、飛行機で行くスキーはどこか異国に行くようなワクワク感があるのがいい。もしも日本に北海道が無かったら、私は1級合格後はスキーに対する関心が半減していたことだろう。
 北海道でまだ行ったことがないスキー場は、あと函館七飯と旭川地区(大雪山)くらいだろうか。しかし行ったことの有り無しは別として、北海道にはこれからもちょくちょく行ってみたいものだ。 
orangeline
朝里川温泉 朝里川温泉
これだけ小さいころ
から板はいてりゃあ・・・
下の広いバーン
朝里川温泉 朝里川温泉
こちらは小回りの会場 地元企業の広告看板が
並んでいるのがいい
朝里川温泉 朝里川温泉
山の中のスキー場だ センターハウスは
白馬五竜のようだ
朝里川温泉 朝里川温泉
検定前の緊張。
話しかけてはいけない
スタート!!
朝里川温泉 朝里川温泉
検定を見ながら
いいですな
3本目のリフトがあれだ
朝里川温泉 朝里川温泉
「パープルコースにしようか」
コース名は色になっている
一番上のリフトだ
朝里川温泉 朝里川温泉
最上部より海を見る。
ちょっとあやしい天気だ
天気がいい時は
外でくつろごう
朝里川温泉 朝里川温泉
これがスノーエスカレーター!
動いていませんでした!
曲がるところは
屋根があった
朝里川温泉 朝里川温泉
このとぼけた雪だるま、
私は気に入ってしまった
このTシャツ欲しかったが、
1500円もするので写真で我慢だ
小樽天狗山 小樽天狗山
天狗山ロープウェイの受付。
大きな天狗の面があった
長さは普通のリフト1本分しかない
小樽天狗山 小樽天狗山
眺めは実にすばらしい 小樽市に突っ込むように
滑るのだ!
小樽天狗山 小樽天狗山
おおい、動いてくれえい! 検定後のバーン
小樽天狗山 小樽天狗山
レストランはいい感じだ スキーに適した斜面だ
小樽天狗山
ゆっくり行こう
小樽天狗山
こんなスキー場があったとは!
 
 
 
スキー
 北海道はテレビの天気予報を見ても分かるとおり、1〜2月は吹雪くことが多い。パウダー狙いならそれでいいが、景色を求めるなら3月がいいだろう。ただし、雪質は悪くなるわけではないので、改めて「北海道」を感じることだろう。
スキー
 朝里川温泉スキー場(公式サイト)
 小樽天狗山スキー場(公式サイト)
 朝里川温泉
 小樽観光
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