2003特別レポート(5)
|
なんでやめちゃうの!?
新穂高ロープウェイ |

|
 |
|
テレカ
|
|
 |
|
テレカ
|
|
 |
|
さあ、着いたぞ
|
|
 |
|
下のロープウェイは小さい
|
|
 |
|
2階建てのロープウェイだ
|
|
 |
|
笠ヶ岳をバックに
ロープウェイ |
|
 |
|
かっこいいぞ
|
|
 |
|
スタート地点付近。
ロープウェイ駅を見上げる
|
|
 |
|
鉄塔に向かって
|
|
 |
|
鉄塔の下をくぐるんだ
|
|
 |
|
鉄塔の先も細くまっすぐ
|
|
 |
|
笠ヶ岳に正対するように
|
|
 |
|
こぶ斜面が続く
|
|
 |
|
初心者には無理だろう
|
|
 |
|
フカフカだ
|
|
 |
|
そろそろ開けてきた
|
|
 |
|
視野いっぱいに広がる
|
|
 |
|
ビッグバーンはコブ斜面だ
|
|
 |
|
すれ違うのが見られる
|
|
 |
|
やっとフラットな
バーンに来たぞ |
|
 |
|
右がロマンスコースです
|
|
 |
|
最初はいい感じだ
|
|
近くの商店街のある店が閉店セールをやっていた。その店主は、混雑したのは開店セールと閉店セールだけだったとボヤいていたらしい。
しかし、スキー場の閉店は店の閉店とは意味が違う。安い商品は買い逃してもお金を出せば他で入手はできるが、スキー場は「もうそこで滑ることができなくなる」ということになるのだ。
この新穂高ロープウェイも今シーズンでスキー場の営業をやめるという(観光としてのロープウェイの営業は続けるらしいが)。長引く不況には勝てないのは仕方ないことだ。「今シーズンで終わるから行ったがいいよ」と、複数の方面から言われてはいたが、私自身、実に興味のあるスキー場でもあった。このHPを熟読していただいた方はご察しの通り、私はスキー場を評価する時の尺度として「景観」を重視している。そしてこのスキー場の景観に対する評価がどのガイドブックでも非常に高いのだから、営業している今シーズン中に行きたくなるのは当然である。
よく調べたら、そこはスキー場の中に温泉があるし、近くには川べりに露天風呂もあるという。しかも私はこのスキー場に行ったことがない。条件はそろっていた。ただし、景観に意味があるスキー場へ行く場合は晴天が絶対条件だ。前日まで天気を注意深く調べていたが、どうやら今度の平日休みの日、天気は良さそうだ。
うううむ、こうなったら行くしかない。こうしてスキー行きが決まったのである。
それにしても、新穂高ロープウェイは東京から実に遠い。朝早く起きて、4時45分に永福から高速道路に入り、5時過ぎに八王子IC、途中の談合坂とみどり湖で5〜10分の休憩を入れて、松本ICには7時に通過した。問題はここからの山道だ。ガソリン補給してコンビニに寄ったとはいえ、とろい軽自動車(田舎の道で、時速40kmくらいで走る長い車の列があれば、その先頭はたいていコイツだ)がじゃましやがって、どうも疲れる。安房トンネルを越えるといきなりアイスバーン道路になり、そこをトロトロ走って、新穂高に到着したのは8時37分であった。走行距離298km、家を出てから4時間以上だから、志賀高原や妙高よりも遠い。でも平日だからまだ早く来れた方だろう。
このスキー場は二本のロープウェイが大動脈となっている。駐車場駅からは500mほどの短い第一ロープウェイがあり、しらかば平まで4分で登る。そこからは長さ2600mの第二ロープウェイがあり、これで西穂高口駅(スキー場トップ)、標高2156mまで7分で登るのだ。スキーをするのはこの第二ロープウェイを利用する全長約4kmのコースだ。
とりあえず、第一ロープウェイに乗る。ちょっと小さい。そこから第二ロープウェイ駅まで少し歩き、ここで珍しい2階建てのロープウェイに乗る。最初から上下に分かれた二層になっており、乗車口が1階と2階になっている。私はロンドンの二階建てバスのように中に階段でもあるのかと思っていたので、びっくりした。ロープウェイが動くと、みるみる「アルプス」の景観が360度広がってきた。ガイドのおねえちゃんが一所懸命案内しており、じいさまやばあさまは、いちいちうなづいていた。私も説明はよく聞く方だが、スキーヤーやボーダーは寝ていたり、床に座り込んでいるのもいたりする。彼らはリピーターで、聞き飽きているのだろう。
西穂高口駅に降りる。スキーヤー、ボーダーはみんなゲレンデへと飛び出して行ったが、私は観光客とともに屋上の展望台に上がった。とにかく寒いが、視界は良好だ。まず正面にはロープウェイの鉄塔を見下ろす形で、大きな笠ヶ岳がどっしり聳えている。左10時の方向にはるか遠く白山(はくさん)が見える。ロープウェイのガイドが富士山、立山と並ぶ日本三名山だとか。後ろ8時の方向に活火山である焼岳があり、ポッポと噴煙を吐いている。大正時代に大爆発して溶岩で川をせき止め、大正池を作ってしまった。その後ろに隠れるように見えるのが乗鞍岳だ。右5時の方向にはこれまた大きな山が荒々しい岩肌を見せている。これが西穂高岳(2909m)で、明治時代にイギリス人技師のガウランドがこの一帯の山々を「Japan Alps」と表現してくれたのが今日の日本アルプスの語源だという。確かに、この氷河地形の岩肌はヨーロッパアルプスを彷彿とさせるものがある。右3時の方向にある槍ヶ岳(3180m)は、先端だけチョコンと飛び出していて愛嬌がある。シャモニのダン・ドゥ・ジェアンみたいでよろしい。
展望台ではかなり時間を使ったあと、板を履いて準備体操をして、いよいよ滑り出す。
雪質はいい。さすがに2000m級だ。ただしコース幅は狭いので注意だ。ほどなく鉄塔が見えてきた。その手前は少し上り坂になっているので、勢いをつけて滑ろう。ここは鉄塔をくぐる、面白いコースだ。
そこから延々と細い尾根沿いのコースを滑る。景色がとにかくいい。やがて笠ヶ岳に正対するように滑る。このあたりから、景色の「雄大さ」の秘密が少し分かったような気がした。
我々の目は横に並んでいる。したがって、横の視野に比べて縦の視野は狭いわけだ。その場合、視点をコースの先に向けると、下り斜面を滑っているのだから、俯角20〜30度くらいになる。ここで前方の景色の笠ヶ岳の標高は2898mで仰角何度かはあるから、トータルで視野すべてに山が入り、空が入らなくなる。これで遠くの山が迫ってくるような圧迫感が生まれるのではないだろうか。フランスのシャモニの谷、フレジェールを滑っていた時に気づいた独特の感覚なのだが、それが日本にもあったのだ。
やがてコブ斜面が延々続く。2日ほど前に新雪が降ったので、やわらかく、削りやすいので滑りやすい。また、板をカービングの9DOにして初めてのコブだが、やはり短い板は回しやすくていい。
次の鉄塔のあたりから突然視界が広がる。ビッグバーンだ(ビッグバンではない)。ここはロープウェイの中間地点にあたり、二つのロープウェイがすれ違うのを見ることができる(すれ違う瞬間、ロープウェイのガイド同士が一生懸命手を振るのは最大の見せ場のようだ)。
さて、このビッグバーンだが、新雪でホコホコしていて、コブの上に雪が積もっており、滑りにくい(ハイハイ、言い訳です)。むしろ、新雪が無くなっているコブの方が滑りやすい。総じて、雪質が良くて柔らかかったので、スピードコントロールはしやすかったという気がする。それにしても逃げ場が無いので、本当に上級者限定だ。
最初の1本は写真を撮りまくったので、えらい時間がかかった。次の1本の時は、遠くの白山が見えなくなっていた。やはり景色を撮影するのは朝イチが正解だ。
展望台がある西穂高口駅のレストランで、「播隆(ばんりゅう)汁」の無料サービスをしているというので、行ってみる。播隆とは江戸時代末期の僧、播隆上人のことで、笠ヶ岳を開山し、槍ヶ岳の初登頂を果たしたことで知られる。見てみたら、写真の通り、すいとんに似たトン汁のようだったが、なかなかうまい。無料なのでありがたい限りだ。でも、せっかくやるならレストラン内ではなく乗降口近くまで出てきて盛大に振舞えば、播隆上人もお喜びになるだろう。
二本目は滑りに専念してみるが、休憩しないで滑ると大変だ。とにかく長い。ビッグバーン下の圧雪コースに入ると、思わず「やれやれ」とオヤジ臭い言葉が出た。ここでリフトを数本滑る。そしてここからロマンスコースでしらかば平に戻ることにする。ところがこのロマンスコース、ひとつもロマンスコースになっていない。狭いコブ斜面の逆落としコースではないか。ロマンスだって?。こういうのを景品表示法違反というのだ。熊殺しコースとか、絶望の壁コースとかがいいだろう。勘違いして初心者の彼女を誘導したために怒りをかい、破局となったカップルも少なくないはずだ。
いいかげん疲れてしらかば平へ戻る。結局、ロープウェイは3本で終了。
滑ってみた感想は、前述した通り、日本のシャモニーのようだということだ。特に観光客がお金を払ってロープウェイに乗り、景色を楽しむほどの場所だ。そんな所でスキーをやるのだから、なんと贅沢なことか。これだけ滑る者を「圧倒する」景色は少ないだろう。せめて観光ロープウェイの営業を続けてもらい、時機をみて、復活してもらいたいものだ。それにしてもこれだけのスキー場だとは知らなかった。
さて、いったん駐車場に戻り、着替えやタオルを持って再びしらかば平まで登る。実は今回の楽しみの一つ、スキー場の中の露天風呂があるのだ。神宝(かみたから)乃湯という。リフト券とパックになっており、無料で入ることができる(インターネットでクーポンを印刷しておく。4000円の1日券と1000円分のランチ券と、入浴料500円の計5500円分が4300円で買える)。
なかなかいい湯だ。熱くて、イオウのにおいがする。あの噴煙の上がる焼岳が沸かしてくれているのだろうか。水もうまい。
ランチは名物の「飛騨和牛朴葉(ほおば)みそステーキ定食」にする(1500円なので500円追加)。アルミホイルの上に朴の木の葉を乗せて、牛肉をみそといっしょに焼く。なかなかいいではないか。天元台で食べた山形牛ステーキ定食に比肩するものである。
ロープウェイは30分間隔だが、温泉のある施設にはビジターセンター「山楽館」という資料館もあり、うまく時間調節ができるのがいい。奥飛騨〜上高地の明治時代の山のガイドや歴史、生息する動物や植物などがうまく陳列されている。
さて、なかなか奥飛騨というものを満喫することができた。ヨシヨシ。仕上げは川の近くにある露天風呂、新穂高の湯だ!。これは車で通過する橋のたもとにあるからすぐ分かる。よく見たら、若い男1人とアベックが1組、離れて入っているだけだ。橋の上から丸見えなので、女の子は水着を着ていた。こういうのをアンフェアという。更衣室はたんに板張りで畳1条ほどに囲っただけだ。まあいい。タオル1枚だけ巻いて、湯に入る。
ぬ・る・い。とんでもねー話だ。こんなぬるい湯、病人だって入りはしない。病気になってしまいそうだ。事前情報ではぬるい、ぬるいと聞いていたが、とにかくぬるい。熱い湯が好きな私はかなわん。風邪をひきそうになったので、そそくさと退散した。
ここは無料なのだが、心づけを入れる箱があり、まあいいやと入る前に100円入れてしまったが、大失敗だ。時間のロスと期待を裏切られたショックをどうしてくれる。最後の最後でがっかりして東京に戻ることにした。帰りは安房トンネルから松本ICまで1時間、大月あたりで雪に降られたが、8時40分に帰宅、600kmのドライブだった。 |

|
 |
 |
大パノラマだ
|
こんな形のコースです
|
 |
 |
しらかば平駅だ
|
パン屋さんがあるぞ
|
 |
 |
2階建ての
ロープウェイ |
おじさんたちは景色を見る
のにお金を払っている |
 |
 |
| 展望台から笠ヶ岳 |
方角ごとの案内図も360度だ
(シャモニにもあったなあ) |
 |
 |
中央遠くの白いのが
白山だ
|
左の写真を望遠レンズで
|
 |
 |
焼岳(やけだけ)だ
|
焼岳は噴煙を上げている
(左の写真の位置から望遠)
|
 |
 |
西穂高山だ
|
槍ヶ岳(望遠レンズ)は
シャモニ針峰群のようだ |
 |
 |
ロープウェイでーす
|
ほほを寄せ合うように
すれ違う
|
 |
 |
笠ヶ岳をバックに
かっこよく |
下にはリフトも
あるぞ |
 |
 |
リフトのためにざっくり
刈っちゃいました!! |
鉄塔を遠望する
|
 |
 |
ここがロープウェイ駅の
レストラン
|
これが播隆汁だ!!
|
 |
 |
シングルリフトもある
|
槍ヶ岳をバックに
|
 |
 |
| 焼岳が見える(ロマンスコース) |
下山道だ(ロマンスコース) |
 |
 |
これが飛騨和牛朴葉ステーキ定食だ
|
肉の下にはみそが
隠されている
|
 |
 |
下の平坦なコース
|
資料館と神宝の湯がある
|
 |
 |
これが神宝の湯だ
|
橋の上から見た新穂高の湯。
行くもんじゃない |
 |
展望台より、笠ヶ岳を正面に
|
 |
左前方向、遠くに白山が見える
|
 |
左後方向、焼岳
|
 |
右方向、西穂高山
|
 |
3月30日までだ!!。もう、行くしかない!!。
(追記)新穂高ロープウェイのスキー場としての営業は2003年シーズンで終了しました。 |
| |
 |
| |